第2回「みやぎ優れMONO」発信事業を取材しました
宮城県から数多くのヒット商品を生み出そうと、
県内の経済団体や県など15団体(※1)が一丸となって、
県内で生産された優れた工業製品を支援し、県内外へ広く発信する認定制度
「みやぎ優れMONO発信事業」の2回目となる募集が2月1日から始まります。
(※1):下記15団体でつくる実行委員会が認定ならびに支援を行っている。
宮城県商工会議所連合会、宮城県商工会連合会、宮城県中小企業団体中央会、仙台商工会議所、社団法人みやぎ工業会、東北電力株式会社宮城支店、株式会社テクノプラザみやぎ、財団法人みやぎ産業振興機構、社団法人宮城県物産振興協会、財団法人みやぎ産業交流センター、財団法人青葉工学振興会、宮城県市長会、宮城県町村会、仙台市、宮城県
これまでも『宮城の新聞』では、昨年6月に開催された事業開始の記念イベントや、
◆ものづくりで宮城を元気に 「みやぎ優れMONO発信事業」スタート (2009/06/22)
昨年10月に「産学官連携フェア」内で開催された、第1回「みやぎ優れMONO」認定式を、
◆「シーズ」と「ニーズ」出会いの場提供 産学官連携フェア (2009/10/19)
取材してきましたが、今回は事務局のみやぎ工業会からご依頼いただき、
「みやぎ優れMONO」発信事業について、さらに詳しく取材をしてきました。
そもそも「みやぎ優れMONO」とは、
県内で生産された機械器具などの工業製品を対象に、
品質、技術、安全・安心など10項目の厳しい認定基準を
クリアした製品を「みやぎ優れMONO」として認定するもの。
過去12回開催してきた「みやぎものづくり大賞」を
今年度、大きくリニューアルしたものなのだそうですが、
みやぎ優れMONO支援アシスタントコーディネーターの村上さん曰く、
「賞を贈るだけでなく、贈った後のサポートに重きを置いている」ことが
リニューアルの大きなポイントなのだそう。
そもそも「みやぎ優れMONO」とは、何なのか。
それを探るべく、みやぎ工業主催の「第47回産学官交流大会」で取材をしてきました。
みやぎ工業会特別顧問で、みやぎ産業振興機構プロジェクトマネージャーの白幡さんに、
実行委員会の立場から、「みやぎ優れMONO」発信事業に対する思いを伺いました。
白幡さん曰く、ふたつの大きな思いがあって、
この「みやぎ優れMONO」発信事業をつくってきたとのこと。
ひとつ目は、贈賞が、企業の継続的な販売や雇用拡大に
必ずしもつながっていないのではないか、という反省から、
ものだけでなく、ものをつくりだす企業の体質そのものを、しっかり評価して、
不足している部分があれば、そこをサポートしていく必要がある、というもの。
ふたつ目は、企業にとって必要な支援をきちんと提供するためには、
産業支援組織同士が、縦割りではなく、もっと横連携しなければいけない、というもの。
「みやぎ優れMONO」発信事業が、なぜこのようなスキームになったのか、
詳しくは、インタビュー記事をご覧になっていただければと思いますが、
その根底には、「富県宮城の実現に向けて」、
宮城から自主自立型の元気のよい製造業をもっとたくさん生み出したい、
という思いがあることを、改めて感じました。
宮城県産業技術総合センター(以下、産技センター)所長の鈴木さんからは、
支援する専門機関の立場から、「みやぎ優れMONO」発信事業に対する思いを伺いました。
お話によると、「みやぎ優れMONO」に認定された製品は、
産技センターの技術支援を無料で受けることができるそう。
(認定に至らなかった製品も、全力で支援するそうです)
中小企業の支援という産技センターのミッションを、
時代背景も含め、どのように位置づけているか。
そこから、「みやぎ優れMONO」の意義を、
どのようにとらえているか、というお話を伺いました。
※詳しくは、記事をご覧ください。
特に、中国と日本の企業の比較が、印象深かったですね。
自分もこの目でぜひ、中国等々の動きを直に見たいものです。
ちなみに、産技センターは各県にひとつずつ設置されているのですが、
宮城は47都道府県中47番目にできたもので、昨年で40周年を迎えたそう。
(1番最初にできた産技センターは岩手で、なんと明治6年にできたとか)
「人間で言えば、不惑の年。後発の利を生かしたい」と鈴木さんは言いつつ、
「でもね、宮城も岩手も福島も、産業に県域ってないんですよ。
だって産業って、廃藩置県のままじゃないでしょう。
だから我々は、山形や岩手と連携し合うことも、やっているんですよ」とのこと。
鈴木さんも含め、これまでいろいろな方にお話を伺ったところによると、
県によって、(製造業の)得意分野は全く異なると言います。
宮城は特に、金型や精密加工が多い、という特徴があるそう。
そもそも宮城って何なのかを見ていく上で、これからおもしろい視点かもしれません。
そして、第1回「みやぎ優れMONO」認定企業である、
東北電子産業代表取締役社長の山田さんからも、
「みやぎ優れMONO」にどのような意義があるのか、お話を伺ってきました。
詳しくは、インタビュー記事をご覧になっていただければと思いますが、
これから新しい事業につながっていくことへの期待感や、
認定制度自体が励みになる、といったお話をしていただきました。
なお、認定製品となった「極微弱発光検出装置(ケミルミネッセンスアナライザー)」は、
極微弱光測定分野で、なんと世界シェア80%を誇る装置です。
物質が酸化する際に発生する、ホタルの光の1万分の1ぐらいの微弱な光
(光子レベル)を検出する装置で、 当初は、インスタントラーメンに使われる
油の劣化を調べるために、東北大学と共同開発したものなのだそう。
現在では、応用分野は食品や医療など多岐にわたっているとのこと。
安心・安全な品質への関心が高まる中、品質評価への貢献も期待されています。
※これまで取材させていただいた記事は下記の通り
◆「シーズ」と「ニーズ」出会いの場提供 産学官連携フェア
◆東北ものづくり中小企業魅力知って 若者向け企業訪問ツアー
※NPO法人natural science で昨年7月主催した「学都仙台・宮城サイエンス・デイ」に
ご出展いただいた際にも、こちらのページで装置の解説をしていただきました。
「第47回産学官交流大会」終了後、事務局などの皆さんからも、
いろいろなお話を伺うことができました。
このようにして、様々な立場の「人」が、それぞれの思いを持って、
つくっていく結果の総和が社会なのだな、と改めて感じました。
なお、「みやぎ優れMONO」の募集対象は、
宮城県内で生産された(本社が県外でも事務所があればOK)、
機械器具などの工業製品(食品や伝統工芸品は除く)です。
募集は3月5日まで。詳しくは記事をご覧ください。
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