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2017年 07月 20日 (木)

東北ものづくり中小企業魅力知って 若者向け企業訪問ツアー

2008年3月18日公開

極微弱光測定分野で世界シェア80%を誇る「ケミルミネッセンスアナライザー」(利府町の東北電子産業で)


世界最小刃径0.01mmのエンドミルを開発・量産する工場を見学(大和町の日進工具で)


社員らの話に熱心に聞き入り、質疑応答で活発に質問する参加者ら

 若者に地元中小企業の魅力を肌で感じてもらおうと、宮城県内の企業を訪問するバスツアー「TOHOKUものづくり発見ツアー」(東北経産局主催、日刊工業新聞社他協力)が、17日実施された。県外参加者も含めた学生や若年求職者ら18名が、中小企業庁「元気なモノ作り 中小企業300社」等に選出された県内企業を訪問した。

 昨今の景気回復と大企業の人材採用拡大により、中小企業において競争力の要となる若手人材の確保は困難となっている。地元中小企業と若者の相互理解を促進することで、就職のために首都圏に流出する若者を減らし、東北地域の産業力を維持するのがねらい。

 東北大、山形大などの学部生や、「ジョブカフェ」(若年就職支援センター)利用者などが、世界最高レベルの高感度発光検出装置を製造し世界シェア80%を獲得している「東北電子産業」(利府町)や、JASDAQ上場企業で超精密加工を可能にする世界最小工具を開発・製造している「日進工具」(大和町)の2社を訪問した。

 東北電子産業では、物質が劣化(酸化)する際に発生する微弱な光を検出する装置「ケミルミネッセンスアナライザー」や、レーザーマーカーなどの実演を交えた工場見学が行われた。極微弱光測定分野で世界シェア80%を誇る同装置は、もともとインスタントラーメンに使われる油の劣化を調べるために開発されたことや、現在、応用分野は食品や医療など多岐にわたっていることなども説明された。山田理恵常務らは、今後も「開発なくして成長なし」という創業以来の方針を貫き、独自の技術で新たな市場を切り開いていく姿勢を強調。参加者らは熱心に聞き入り、その後の質疑応答でも活発に質問した。

 続いて日進工具では、人の髪の毛にも文字を彫れる世界最小エンドミル(切削加工に用いる小径回転工具)の量産を可能にした生産ラインを1時間ほど見学。昨年増築されたばかりの新工場には、平均年齢28歳で女性社員3割と若手社員が多く、「工場は暗くて汚いというイメージが覆された」と参加者は驚いた様子だった。後藤勇二開発部長らは、「小型・精密化は日本のものづくりの流れ。新たな工具が新たな技術や市場をつくることもある。ものづくり企業が求める超微細加工へのニーズに対応していきたい」と、今後の意気込みを語った。

 参加者らは「ものづくりの現場を直接見て、そのこだわりに圧倒された」、「東北のものづくり企業の暗いイメージが一新された」、「初めて中小企業を訪れたが、ないものをつくる企業は魅力的だった」、「地元にも良いものがあることに気づかされた」、「地方にも世界と競争できる会社があることに驚いた」、「就職活動の視野が広がった、モチベーションが上がった」、「日本のものづくりは面白いと再認識した」などの感想を述べ合い、満足げな様子だった。

【大草芳江】

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