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2024年 11月 21日 (木)

「データ同化断層すべりモニタリングに向けた測地データ解析の革新」が目指すものインタビュー Vol.03 取材・文/大草芳江

2024年9月20日公開

若手座談会「地震学×情報科学の融合で得られたもの」

田中 優介 さん(東北大学大学院理学研究科 特任研究員)
中川 亮 さん(東北大学大学院理学研究科 修士2年)
福嶋 陸斗 さん(東北大学大学院理学研究科 学術研究員)


田中 優介 (Yusuke Tanaka)
2022年3月、東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻博士課程修了、博士(理学)。2022年4月より同専攻特任研究員 (STAR-Eプロジェクト)、現在に至る。

中川 亮 (Ryo Nakagawa)
2022年3月、東北大学理学部物理系(宇宙地球物理学科)卒、2022年4月同大学大学院理学研究科地球物理学専攻進学、2023年6月に同大学院を休学し、cole Normale Suprieure (仏)にて8ヶ月間の研究留学を経て、2024年4月より同大学院に復学、現在に至る。
福嶋 陸斗 (Rikuto Fukushima)
2024年3月、京都大学理学部地球物理学系卒。2024年4月から7月まで、東北大学理学研究科学術研究員。2024年9月より Stanford University, Department of Geophysics Ph.D.課程進学予定。

 近年のAIを始めとする情報科学の著しい進展を踏まえ、地震の調査研究においても、従来技術に加え新たな情報科学技術の活用が期待されている。こうした背景を踏まえ、「情報科学×地震学」を推進するプロジェクトとして、文部科学省の「情報科学を活用した地震調査研究(STAR-E)プロジェクト」が令和3年度からスタートした。その採択課題のひとつ「データ同化断層すべりモニタリングに向けた測地データ解析の革新」で得られたものとは何か。これからの測地学・地震学を担う若手に聞いた。

※ 本インタビューをもとに文部科学省採択課題「データ同化断層すべりモニタリングに向けた測地データ解析の革新」ホームページ作成を担当させていただきました。

―はじめに自己紹介をお願いします。 もともとどのようなことに興味があって現在の道に進んだのですか?STAR-Eプロジェクトに参加した動機や研究テーマも教えてください。


地下という未知の世界にロマンを感じて

田中: 子どもの頃から自然観察や山歩きが好きで、高校生の時は地学部に所属し、石を拾ったり星を見たりしていました。大学では法則と数値で表せる物理で地球を調べたいと思い、地球物理学を専攻し、一貫して地球系の勉強をしてきました。一番の興味は地震・火山です。地震が起きると地面が揺れたり、噴火すると真っ赤なマグマが見えたりしますが、断層すべりやマグマ移動など大元となる現象は地面の下で直接見ることはできません。人類は月面には到達しましたが、地下10 kmは誰も見たことがない、人類が宇宙よりも知らない世界が地下です。簡単には見えないところにロマンを感じます(笑)。

 そもそも地震を天気予報のように予知できない理由は、答え合わせができないためです。地下深くにある断層が、実際に動く様子を目の前で見ることはできないため、本当の正解を確かめることはできません。そのため、限られたデータから、例えば地下の断層がどれだけすべったかといった情報を如何に取り出せるかは、単に測るだけでなく、測った結果を高度な技術を用いて解析する必要があります。そのモデル化やデータを分析するところで、情報科学が登場します。もともと解析手法に興味があり、解析の数理的技術にじっくり触れたいと思い、STAR-Eプロジェクトに参加しています。


南海トラフ地震発生リスク評価への応用を目指して

中川: 小学生の頃、住んでいた東京で東北地方太平洋沖地震の揺れを体感し、大勢の方が被害を受けたのを見て、防災や減災に貢献できる研究がしたいという想いがありました。学部生の時、東北大学理学部の地震・噴火予知研究観測センターに所属したのも、研究室の先生方が地震という災害に対して理学の立場からプロ意識を持って取り組んでいる姿が印象的だったためです。また、高校の時から身近な現象を数式に基づき説明できる物理に面白みを感じていました。大学では物理系に進学し、関連分野の中でも特に高校物理の延長のように感じた弾性体力学に面白さを覚えました。研究室選びの際には、自分が好きな学問を手段にできたらと思い、弾性体力学を使う場として固体地球物理学を選びました。現在の研究テーマは、そんな自分の興味と目的意識にぴったり合うテーマです。

 南海トラフ近くで観測されている地殻変動データから、巨大地震を誘発する可能性があるプレート境界のスロースリップというすべり現象を検出し場所と大きさを推定する研究を行っています。最終的には、スロースリップを検出して詳しく調べることで、どこがどれくらいすべっているか、すべっていない場所はどこかを正確に調べ、南海トラフ地震の発生リスク評価に応用されることを考えています。修士1年生の頃からSTAR-Eプロジェクトに参加し、今年で3年目です。修士2年の時に休学し、フランスで8ヶ月間の研究留学をしていた間も、同じ研究テーマに取り組んでいます。


地震の発生メカニズムを数式で理解したい

福嶋: もともと自然が好きで、地震や大気現象など大きなスケールで起きる現象の壮大さに惹かれ、興味を持っていました。一方で、数式を通して現象を理解できる物理も好きで、地球に物理的なアプローチで迫りたいと、京都大学理学部地球物理学系に進学しました。大学入学後、地震のシミュレーションを行う研究分野があることを知り、地震の発生メカニズムを数式で表すことで定量的に理解するアプローチに興味を持ちました。

 学部2年生の終わりに研究室訪問として宮崎真一教授のもとを訪ね、宮崎教授から地震シミュレーションの基礎的な知識を教わりました。STAR-Eプロジェクト研究代表者の加納将行助教が宮崎教授の教え子という縁で加納助教と学会で知り合い、「物理深層学習の断層すべり問題への適用」というテーマで研究をすることになり、卒論も含めて2年間研究を続けてきました。今年9月からスタンフォード大学Ph.D.課程に進学予定で、渡米まで空白期間となるところ、東北大学の学術研究員という身分をもらい、7月まで同じテーマで研究を続けています(2024年7月取材)。

―次に、研究内容について、研究テーマを選んだ理由も含めて教えてください。


GNSSデータから機械学習を用いてスロースリップのシグナル検出

田中: 学生時代から、測地学という、地球の形と大きさを精密に測定しその時空間的な変動を捉える学問を専門にしています。地震は、プレート境界面の中で強くくっついている場所、固着域と呼ばれる領域が動いてひずみが解放されることで起こると説明されますが、地面が揺れるような速い動きではなく、人間が揺れを感じることのないゆっくりとした普段の地面の動きを精密に測り、予測モデルをつくる研究です。地殻変動を観測する道具は色々ありますが、私の場合はGPSを代表とするGNSS(Global Navigation Satellite System)にお世話になっています。これは衛星から電波を飛ばして地上の観測点との距離を測定し、そこから観測点の精密な位置をミリ単位で把握することで日々の地面の動きを測定する装置です。学生時代は、GNSSの生データから直接断層すべりを推定するアルゴリズムの開発に取り組みました。

 現在はひとつ目の研究テーマとして、GNSS地殻変動時系列から機械学習を用いてスロースリップイベント(Slow Slip Event:SSE)のシグナルを検出する研究に取り組んでいます。スロースリップはプレート境界が自発的にゆっくり動いて少しだけひずみを解消するという現象(数日から数年かけて数mmから数十cmすべる現象のため地震計では観測困難)ですが、そのシグナルをGNSS時系列から見つけ出すために多種多様な数理的技法が使われてきました。一方で機械学習を用いた検出というのはなぜかほとんど行われていない状況です。地震計データから地震波のシグナルを検出する目的では盛んに機械学習が用いられているので、同じことをGNSSでやろうというのが、この研究です。現在はその初期段階として、GNSS時系列のノイズの複雑な時空間変化がどのように検出能力に影響するかを調べています。

 もうひとつのテーマとして、状態空間モデルを用いた西南日本の広域・長期の断層すべり現象の一括推定を試みています。プレート境界が蓄えたひずみは様々な時空間スケールの断層すべりによって解消されていますが、陸のプレート内部の活断層などにも複雑にひずみが分配されている可能性が示されています。これまでの解析は、個々のすべり・地殻変動現象に注目した試行錯誤的な最適化の積み重ねで進んできたところがありますが、一括で推定することでそれぞれの現象が占める寄与やその不確実性を一体的に評価したいというのが目的です。日本でGNSS 観測網が整備され始めてから30年ほど経ちますが、この30年でどこでどれだけひずみが増えたかを一体で見たいです。

 現在の研究内容は幅広いスケールのすべりを一体的に把握したい、ノイズの特性理解と補正技術の高度化を進めたいという点では学生時代の内容と繋がっています。一方で学生時代は計測技術の話題が多かったので、今度は解析の数理的技術にじっくり触れたいと思い、近年盛んな機械学習も含め幅広く色々やろうとしています。学生時代の内容がユニークだったため、他の人も広く扱っているデータ・手法に触れるのが逆に新鮮です。


地殻変動データから断層すべりを推定する深層学習手法を開発

中川: 私が現在取り組んでいる研究テーマは、地殻変動データから南海トラフのプレート境界上のスロースリップと呼ばれる現象を深層学習ベースで検出する手法を開発するというものです。スロースリップとはプレート境界の摩擦が比較的弱い領域で徐々にひずみを解消する現象で2000年頃から観測と研究が進み、プレート境界型地震と時空間的に隣接して発生する場合があることが知られています。そのため、スロースリップの発生時期及び発生領域をリアルタイムでモニタリングすることは、巨大地震の短期的な発生リスクを評価する上で大変重要であると言えます。

 既存の手法は、観測された生データからスロースリップに起因するシグナルを抽出するために複雑なデータ処理手法を必要としていたり、断層モデル推定のためのパラメータ設定に試行錯誤的手順を必要としていたりするという課題がありました。そこで本研究では生データの前処理をあまり必要とせず、データ駆動型の方法による断層モデル推定手法の構築を目的として掲げています。

 検証の結果、本研究の提案手法はノイズを多く含む観測データに対しても従来手法に匹敵する精度でスロースリップの断層モデルを推定できているほか、準リアルタイムでスロースリップの検出・断層モデル推定・継続期間推定を包括的に行えそうだということがわかってきました。しかしながら現段階では解析可能な領域が四国西部に限定されているので、将来的には対象領域の拡大や検出精のさらなる向上を達成し、短期地震予測の礎の一部となる手法にブラッシュアップしたいと考えています。

 私がこの研究テーマを選んだ理由は、学部生時代からの機械学習・深層学習への興味によるものでした。学部4年生の時、同じ学科の先輩や同期から声をかけられ、半年間ではありますが有志の深層学習勉強会に参加しました。はじめは、「よくニュースで聞くし、触ってみるか」程度の気持ちでしたが、勉強会でその数理的仕組みや実用例に触れるうちに深層学習をいずれ研究に取り入れたいと思う気持ちが強くなりました。4年生の間は論文を読むなどして深層学習の活用例の知識を蓄え、大学院進学後に加納先生のご提案もあり、このテーマに取り組み始めました。

 深層学習を含む情報科学の分野は、Chat-GPTの発展に代表されるように凄まじい速度で進歩しています。その進歩は私たちの専門の地球物理学まで伝播し、派生して独自の進歩を遂げたケースもあります。目まぐるしく変わる状況に追いつくのは大変ですが、同時に知的好奇心を刺激されるため、現在の研究テーマにとてもやりがいを感じています。


物理深層学習の断層すべり問題への適用

福嶋: 2年ほど前から「物理深層学習の断層すべり問題への適用」というテーマで研究を続けてきました。プレート沈み込み面では通常の地震に加えて、地震波を伴わないゆっくりとしたすべりであるスロースリップが観測されています。これらの断層すべりは断層面の異なる摩擦特性を反映した現象として理解されており、その物理メカニズムの把握、さらにすべり推移予測のためには、断層面の摩擦特性を観測データから把握することが重要です。摩擦の物理を記述し適切な摩擦に関するパラメータを設定することで、多様なすべりを再現できる断層すべりモデルが考案されており、この摩擦特性の把握は、「断層すべりモデルのパラメータの中で観測を最も再現するものを決定する」という逆問題として数理的に定式化できます。

 この逆問題を解く手法として、シミュレーション結果を実際の観測データと比較し、シミュレーションの軌道を修正して確からしさを高める「データ同化」という手法を断層すべり問題へ適用することで、GNSSなどの測地観測データから摩擦パラメータを推定しよう、という研究が行われてきました。一方で近年、物理深層学習というニューラルネットワークを用いた物理モデルパラメータ決定手法が提案され、様々な分野で用いられるようになりました。私の研究はこの物理深層学習を断層すべり問題へ適用し、データ同化と同じことをやろう、というテーマです。

 うまくいくかわからない中、手探りで始めた研究でしたが、単純なモデルで検証した結果、スロースリップではうまく推定できそうだとわかり、現在はより現実的な断層すべりモデルへの適用に取り組んでいます。摩擦特性の空間分布を求めるという点で、データ同化よりも強力な手法かもしれないということがわかり、その物理深層学習の利点と弱点・限界を把握するために研究を進めています。

 もともとは地震の物理を数式で記述し、シミュレーションによってそのメカニズムを理解する理論的な研究に興味がありました。勉強を進めていくうちに、地震の理論的研究は発展途上であり、観測の制限により理論の検証が十分できない等の困難さから、まだ物理モデルが確立していない現象が多くあることを知りました。そして、観測された現象からモデルを検証し、その物理メカニズムをより深く理解するような研究を将来的にしたいと思うようになりました。

 その点で、物理深層学習は物理モデルと観測データを融合する手法であり、物理と観測の両方を見つつ研究できるという点が魅力的でした。ひとつのテーマの中に測地学的な観測データに関する考察と、地震物理学的なモデルに関する考察というふたつの側面があったのが非常に楽しかったです。また、これは研究を始めてから気づいたのですが、情報科学の手法を勉強し実問題に適用すること自体がとても楽しく、結果に手法の数理的背景と合理的な考察を与えられた際は大きな喜びを感じました。

 今後も、理論的研究に軸足を起きながらも、実際に起きている現象をしっかり見るような研究ができるよう精進していきたいです。同時に情報科学の手法にもアンテナを張って勉強していきたいなと思っています。


地震学×情報科学の融合で得られたもの

―地震学ではまだ主流ではない機械学習・深層学習の手法を取り入れたことについて、面白かった・難しかったなど感想があれば、ぜひ教えてください。

福嶋: 新しい手法で、今まで「できない」と言われていたことができると、一歩前に進めた実感があり、「すごいじゃん!」と喜びを感じました。一方でうまくいかない時どのような原因究明をするかは職人の"勘"的な側面もあり、難しさがありました。初めての機械学習でしたが、研究を進めるにつれ自分は地震学の知識がまだまだ不足しているとも実感したため、大学院では機械学習はお休みし、もっとしっかり地震学の理解に本腰を入れ、土台が整った上でまた機械学習に取り組みたいと思います。

中川: 大学院進学時に加納先生から現在の研究テーマを提示され、面白そうだから触ってみたところ、自分のやりたいこととぴったりはまった感じです。手法的にも深層学習に魅力を感じており、研究のモチベーションにもつながっています。一方で難しかった点は、うまく機能しなかったときに要因が観測と手法のどちらに由来するのか、まだ自分は地球物理学の知識が浅いので、自分で判別したり考察したりする能力が足りなかったことです。そのことを反省して今は色々な論文を読んで思考力を身につけようとしています。深層学習を一見関係なさそうな地球物理学に如何に取り入れるか、ふたつの分野を掛け合わせる難しさと楽しさは変わらず、新鮮な気持ちで今後も取り組んでいきたいです。

田中: 機械学習は途中経過で何が起きているか把握しづらいので、使いこなすのが難しいです。うまく使えれば結果的に役立ちますが、最終的に何が知りたくて機械学習に何をやらせるのが一番効果的か、今までの知識は横に置いて1から考え直す必要があります。そのためにじっくり考えることは楽しいことです。
 学生の頃の研究活動と変わった点は、少し方向性が異なる複数の研究を同時に進め、片方の研究結果をもう片方に応用したり、自分の課題だけでなく、このプロジェクトで似た技術を手分けして少しずつ違う研究をしたりしているために視野が広がったところです。学生の頃は、眼の前のテーマで頭がいっぱいで近い問題ばかり考えてしまいがちでしたが、そもそも自分は何を知りたくて、自分の研究は世界でどんな位置づけにあるのか、毎回考えるようになりました。たくさんの新しい人と出会って交流し議論を進められることも、このプロジェクトに参加してありがたかったことです。


興味を持ったことに夢中になって突き進んで

―最後に、新しい研究分野に取り組んでいる皆さんから、これから研究を始める後輩たちへメッセージをお願いします。

福嶋: 高校生の時から理科全般が好きで、興味を持った時に物理や数学、情報などの勉強をしたり本を読んだりしていました。専門には直接使わなかったこともありますが、研究を行う過程で過去勉強していた知識が役に立つこともあり、無駄ではなかったと感じています。高校生の時は受験勉強だけになりがちですが、あまり絞り過ぎず、その時々で自分が興味を持ったことを何でも広く勉強すると、やがてつながって将来役立つと思います。

中川: 自分も高校生まで科学全般に幅広い興味があったので進路選択の時は迷いましたが、そんな時は深く考え過ぎず、ひとつの世界に飛び込み、楽しもうとしてみるのがよいと思います。自分は結果的に興味と社会的意義を両立した研究テーマに出会え、「選んでよかった」と思えています。これは仮に他の学問を選んでいたとしても同じだったのではないかと思います。決断を迫られた時に正解の道がどれかひとつあると思い、それを引き当てるために悩む人もいると思います。けれども、普段の興味に沿って選択をし、その後はその選択が自分の中で正解になるよう夢中になって進めば、自分に自信が持て、結果的によい状態になれるかもしれません。

田中: 地震学という分野は、自然科学でありながら、社会貢献の性格も強い、どちらの志も受け止めてくれる学問です。自分の場合は、地震への興味が7割、その研究成果が最終的に世の中に役立てばいいなという想いが3割ですが、その配分は一人ひとり違います。実際に手を動かす時も、難しい数式を動かしたい人もいれば、外に出て現場で観測したい人もいます。このように地震学は何でも受け止めてくれ、分業ではなく、一人ひとりが色々できる、魅力的な学問だと思いますので、これから来る学生の皆さんにもぜひお勧めしたいです。

―ありがとうございました

取材先:     

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