2011年ノーベル化学賞受賞者シェヒトマン博士の公開講演会を取材しました
3月24日、東北大学多元物質科学研究所(多元研)にて開催された、
「2011年ノーベル化学賞受賞者 ダニエル・シェヒトマン特別教授
によるノーベル賞受賞講演会」を取材させていただきました。
シェヒトマン博士は、「準結晶の発見」で2011年ノーベル化学賞を受賞。
ところが発見当時は、結晶学の定義に反するとして、大否定されました。
シェヒトマンさんと蔡さんと一緒に記念撮影をしていただきました
その風向きが変わるきっかけをつくったのが、
当時、東北大学の博士学生だった蔡安邦さん(東北大学多元研教授)が、
世界ではじめて発見した、熱力学的に安定な準結晶でした。
蔡さんは、その後も次々と準結晶を発見し、現在まで知られている
準結晶物質のうち、実に8割以上を発見したという、準結晶研究の第一人者なのです。
今回のノーベル賞授賞理由にも、蔡さんの論文が複数引用されています。
以前から、「蔡さんにぜひ一度インタビューしてみたい」と念じていたところ、
先日の「東北大学理学部開講100周年記念公開シンポジウム」のお仕事で、
事前インタビューと当日取材の機会をいただき、「宮城の新聞」でも、
まずロングインタビュー記事を公開。後ほど当日のレポートも公開予定です。
そして今回、蔡さんがホスト役をつとめる講演会で、シェヒトマン博士が
仙台にいらっしゃると聞き、関連記事として、取材に伺った次第です。
さて当日、講演会の会場に伺ってみると、土曜日にもかかわらず、
立ち見が出るほど、たくさんの人で会場が埋め尽くされていました。
講演会では、まずシェヒトマン博士から、東日本大震災復興のメッセージがありました。
(概要は記事をご覧いただければと思いますが、「mother nature」という表現に、
なんだか自然観・宗教観の違いを感じました。さすが自然科学者ですね)
こちらは、「準結晶の発見」をテーマにした講演のようすです。
パラダイムを変えるような発見をした時、従来の概念を覆すことが如何に大変か、
ユーモアを交えながらお話される姿が印象的でした(写真はシェヒトマン博士=猫の喩)。
次いで、蔡さんによる講演会もあり、図を多用して詳しく解説していただきました。
最後に、シェヒトマン博士の単独インタビュー取材にも挑戦させていただきました。
語学の壁を感じながらも(冷汗)、皆に助けていただきながら、何とか記事が完成。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
【宮城の新聞】ノーベル化学賞学者が東北大で講演(ダン・シェヒトマン博士インタビュー)
【宮城の新聞】蔡安邦さんに聞く:金属学者の準結晶(2011年ノーベル化学賞)って何?
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