東日本大震災:未来に対する可能性を感じさせるは「人」
この度、東日本大震災でお亡くなりになられた方々に心よりお悔みを申し上げますとともに、
被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
震災から、もう少しで1ヶ月が経とうとしています。
正直に申し上げますと、私自身への直接的な被害は大変軽微なものでしたが、
その一方で、テレビや新聞等の報道で見る沿岸部の甚大な被害や、あるいは、
人的な被害はなくとも大学や企業の皆さんから聞く被害の大きさや今後に対する不安など、
このようなギャップを自分の中でどのように受け止めらたら良いのか、
ずっと捉えきれないまま、約1ヶ月近くが経ちました。
そして、それは自然と、「宮城の新聞」や「学都仙台・宮城サイエンス・デイ」など、
私のこれまでの活動を振返る機会になっていました。
ものが溢れた現代社会に生きる私たちは、身のまわりにあるものがそこにあることを、
つい当たり前だと思ってしまいがちです。しかしそこに至る過程には、当然のことながら、
それをつくっている「人」がいて、思いがあって、試行錯誤のプロセスがあって、
それらの結果の総和で、そもそも、今の社会もできているはずです。
ところが複雑化・細分化した現代社会では、なかなか「人」というもの、
そして「人」で構成する社会というものを実感することが難しくなっており、それが、
様々なレベルの問題の根底に流れる、無関心・無気力につながっていると感じています。
だからこそ私は、それをつくっている「人」それぞれが見ている、
今ここにはないけれども、その「人」にとっては確かに見えている、
未来に対する可能性のようなものを、プロセスとして目に見える形にして残していきたい。
それがきっと、社会というものを自分のものとして実感できる力、
そしてそれぞれ自分自身の力で社会をつくっていける力になるのではないだろうか、
という思いで、これまでこのような活動を行って参りました。
今回の震災で、人に深い悲しみをもたらしたのは「人」の悲しみですが、そんな中にあって、
未来に対する可能性を感じさせたのも「人」であったことは、私にとっての希望でありました。
そして、やはり私がこれからも継続していきたいことは、「人」を通して見える、
未来に対する可能性を形にして、それをより多くの人と共有できる場を、
これからも一歩一歩つくっていくことであると、再認識しております。
これからも、今の自分にできることを、一歩一歩、積重ねていければと存じます。
本日からいつも通り、「人」を通して見える、社会を、科学を、教育を、形にして参ります。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
FIELD AND NETWORK 大草芳江
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