宮城県から数多くのヒット商品を 「みやぎ優れMONO」募集 3月5日まで
2010年01月30日公開
宮城県から数多くのヒット商品を生み出そうと、県内の経済団体や県など15団体(※1)が一丸となって、県内で生産された優れた工業製品を支援し、県内外へ広く発信する認定制度「みやぎ優れMONO発信事業」の2回目となる募集が2月1日から始まる。
同事業は今年度からスタートしたもので、県内で生産された機械器具などの工業製品が対象。品質、技術、安全・安心など10項目の認定基準をクリアした製品を「みやぎ優れMONO」として認定。贈賞のみならず、ヒット商品にするための様々な特典を付与し発信を行う。募集は年2回。
認定製品は、「みやぎ優れMONO」マークを3年間使用できる。さらに、コーディネーターが派遣され、販売や品質向上などに向けた重点的な支援を、各専門機関から1年間無料で受けることができる(一部有料)。
「みやぎ優れMONO」マーク。伊達政宗の陣羽織を想像させる色(水玉)を用いて、国内外の方に贈る「献上物」をイメージしている。連なるカラフルな玉は「みやぎ優れMONO」製品の発展を意味している。
応募条件は、認定基準に基づくマニュアルに従って自己評価を行い、応募基準を満たすこと。自社の利点や課題を認識してもらうことがねらいで、応募基準に満たない場合でも、コーディネーターによる助言や「処方せん」の提供などの支援を受けることができる。
応募後、審査で認定に至らなかった場合も、「みやぎ優れMONO」候補として支援。候補企業は、コーディネイターの派遣や、各支援機関の紹介などが受けられる。
事務局のみやぎ工業会は「認定企業のみならず、応募いただいた企業には我々が足を運び、全面的にバックアップさせていただく」と応募を呼びかけている。
昨年10月に開催された第1回「みやぎ優れMONO」認定式のようす
なお、第1回「みやぎ優れMONO」には12件の応募があり、昨年10月に下記5製品が認定されている。
ウェットスーツ「フリーダムNZ」(モビーディック)、「フォトニック結晶光学素子」(フォトニックラティス)、「WindWill(ウィンドウィル)」(空調企業)、「極微弱発光検出装置(ケミルミネッセンスアナライザー)」(東北電子産業)、「緊急地震速報機」(アイリスオーヤマ)。
募集は3月5日まで。問合先は、事務局のみやぎ工業会。電話022(777)9891。募集要項などの詳細はホームページ(http://www1.odn.ne.jp/m-suguremono/index.html)を。
(※1):下記15団体でつくる実行委員会が認定ならびに支援を行う
宮城県商工会議所連合会、宮城県商工会連合会、宮城県中小企業団体中央会、仙台商工会議所、社団法人みやぎ工業会、東北電力株式会社宮城支店、株式会社テクノプラザみやぎ、財団法人みやぎ産業振興機構、社団法人宮城県物産振興協会、財団法人みやぎ産業交流センター、財団法人青葉工学振興会、宮城県市長会、宮城県町村会、仙台市、宮城県
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◆企業の継続的な成長をサポート 産業支援機関の横連携を
/みやぎ産業振興機構プロジェクトマネージャー、みやぎ工業会特別顧問の白幡洋一さん
みやぎ産業振興機構プロジェクトマネージャー、みやぎ工業会特別顧問の白幡洋一さん
―実行委員会として、「みやぎ優れMONO発信事業」への思いをお聞かせください。
僕の思いとしては、ふたつあるんです。
我々は「みやぎ優れMONO」の前身となる「みやぎものづくり大賞」を過去12回やってきました。しかしながら、受賞がその後、企業の継続的な販売や雇用拡大に、必ずしもつながっていないのではないか。そんな反省が、まずひとつ目の思いとしてありました。
たとえ良いものができたとしても、二の矢・三の矢を放てなければ、一過性で終わってしまいます。それでは企業の継続した成長には、つながらないでしょう。
企業というものは、よく言われるように、成長することが義務付けられています。けれども、いわゆる成長企業の前提条件をサポートしない限り、必ずしも良いものが売れるものにはならないし、売れるものが継続して売れるものにはならないでしょう。
ならば、単にそのものだけを評価して売れたか・売れないかではなくて、ものをつくりだす企業の体質そのものを、きっちりと評価する。そして不足している部分があれば、そこをサポートしていかなければならないわけですね。
けれども、そのサポートが少し欠けていたのではないか。だとすると、我々の責任を全部果たしていなかったのではなかろうか。そのような反省が、ひとつ目の大きな思いです。
次に、ふたつ目の思いについて。私が「みやぎ産業振興機構」の仕事を始めて、もうすぐ2年になります。みやぎ産業振興機構とは、県内の産業支援機関の中核組織という位置付けで、県内にある様々な中小企業の支援を行っている組織です。
県内で中小企業を支援している組織は、我々みやぎ産業支援機構だけでなく、他にもたくさんあります。産業支援機関がたくさんあること自体は、クライアントである企業から見れば有難いことかもしれません。
しかしながら、そのような産業支援機関が連携をして、必要なときに必要な支援がきちんと提供できているのかと言えば、必ずしもそうとは言えないかもしれません。
どちらかと言えば、自分の組織の事業を優先すると言いますか。悪い言葉を使えば、縦割りで蛸壺型の部分最適になっていて、必ずしも企業最適になっていないのではないか。もう少し産業支援機関同士の連携をとりたいな、という僕の問題意識です。
けれども、みやぎ産業振興機構だけでは、それはなかなかできないこと。ですからこの「優れMONO」を本当の「優れMONO」にするために皆が協力する過程の中で、産業支援機関同士がもっと横連携をしなければ駄目なんだと。
そのような気づきがあり、それを具体的な行動としてやれないかなと。そんなふたつの思いでもって、やってきました。実際にはスタートして、まだ半年。これからが本番です。
◆他ではできない「優れMONO」を皆でつくらなければ、生き残れない
/宮城県産業技術総合センター(仙台市泉区)所長の鈴木康夫さん
宮城県産業技術総合センター(仙台市泉区)所長の鈴木康夫さん
―支援する専門機関として、「みやぎ優れMONO発信事業」への思いをお聞かせください。
日本の生産基盤を支えているのは、間違いなく地域の中小企業です。地域の中小企業が、我が国の技術を支えています。その中小企業の駆け込み寺が、各県に設置されている我々「産業技術総合センター」。まさに企業の方と接する第一線の現場なのです。
特にリーマンショック以降、中小企業の経営は非常に厳しいものがあります。地域の中小企業が限りなく元気になっていくためには、他にはない輝るもの、オンリーワンのものを出していくことが必要です。
安いものを大量生産していくことは、中国などに、とてもかないません。私も先々月、中国の11企業を見てきたのですよ。いやぁ、大量生産すること、安価につくること、こちらはかなわないですね。
ですからやはり、他ではできない優れたもの、オンリーワンのものじゃないと、生き残れないですよ。そして単に他にないだけではなくて、品質も優れている、技術に支えられている、知財にも守られているもの。それを工夫して知恵を出し合い、皆で苦労してつくったもので出していくしか、生き残る道はないですね。
そのような意味で、「みやぎ優れMONO」の認定基準は、見た目の良さだけじゃなくて、いろいろな裏づけが必要ですよ。そして、いろいろな面から皆でそれを選ぶだけでなく、そういうものを皆で一緒につくりあって支えていく。そのようなことを「みやぎ優れMONO」発信事業に期待しています。
我々産業技術総合センターとしては、支援することがミッションですから、ベネフィット(特典)として、「みやぎ優れMONO」に応募した企業、あるいは認定された企業に対して、全力で支援させていただきます。
認定された企業については、我々の技術支援は本来ならば有料なのですが、無料でお手伝いをさせていただきます。
宮城から「優れMONO」がばんばん生まれることを大変期待しています。
◆「みやぎ優れMONO」認定が新しい事業につながることを期待
/東北電子産業(仙台市太白区)代表取締役社長の山田理恵さん
東北電子産業(仙台市太白区)代表取締役社長の山田理恵さん
―貴社製品「極微弱発光検出装置」(※2)が、第1回「みやぎ優れMONO」に認定されました。認定の意義を、どのようにとらえていますか?
認定を受けてまだ3ヶ月ですので、(販売という意味では)効果はまだわかりません。けれども「はじまりつつある」という印象です。発表や展示の機会をあちこちでつくっていただいたり、学術機関「KCみやぎ」の先生方に製品を使っていただいたりしています。これが新しい事業につながっていけば良いなと思っています。
例えば、製品を先生方に使っていただくことで、応用研究が広がっていけば、大きな影響があると思います。これまでも先生方に英語で論文を書いていただくことが販売ツールになる方法で、事業が広がってきました。
県内の優れた製品を世の中に出そうという取組み自体が、励みになります。第1回「みやぎ優れMONO」に選ばれていますので、きちんと成果を出して、経済発展に少しでも寄与できればと思っています。
(※2):極微弱発光検出装置(ケミルミネッセンスアナライザー)とは?
物質が劣化(酸化)する際に発生する、ホタルの光の1万分の1ぐらいの微弱な光(光子レベル)を検出する装置。
当初はインスタントラーメンに使われる油の劣化を調べるために、東北大学と共同開発した。油だけでなく、プラスチックや建材、血液など、あらゆる物質のごく初期の酸化劣化度を検出できる。
昨今、安心・安全な品質への関心が高まるなか、製品の品質評価へのニーズが高まっている。他には真似できない極微弱発光の解析分析技術で、研究開発や品質評価に貢献。山田さんは今後、より幅広い分野での適用を期待している。
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