仙台市教育委員会「たくましく生きる力」育成プログラムの授業実践を参観&取材しました
『宮城の新聞』では「教育ってそもそもなんだろう?」をテーマに、
教育に関わる人へのインタビューや様々な活動の取材をしています。
今回は仙台市教育委員会が2009年度から検討を重ねてきた、
「たくましく生きる力」育成プログラム検討会議の授業実践が
今月から始まるとのご案内をいただきましたので、取材も兼ねて、
28日に仙台青陵中等教育学校で行われた授業を参観しました。
「たくましく生きる力」(略称:たく生き)育成プログラムとは、
変化の激しい社会を生き抜く力を子どもたちに身につけさせようと、
仙台市教育委員会が独自に開発を進めている授業プログラムです。
これから小中学校での試行を重ね、今年度末には策定の予定です。
そもそもこの検討はなぜ始まったかと言うと、最近の子どもたちの
気になる姿として、「自己肯定感が低い」「対人関係能力が低い」
「一つの正解のみに効率的にたどり着こうとする思考が強い」など
といった傾向の強まりが仙台市でも確認されているそうで、これら
学力の素地となる「知恵や態度」も義務教育の中で育まなければ、
学校での学びも浸透しにくいといった危機感から始まったものです。
私は、検討会設置時からコアメンバー(有識者)として検討会議に
参加しながら、これまで下記のような取材をさせていただきました。
議論の詳しい経緯は、下記記事をご参照いただければと思います。
【関連記事】
■仙台市教育委員会の新しい教育の取組みについて聞く
:「たくましく生きる力」育成プログラム検討会議
■変化の激しい社会を「生きる力」育成プログラム作成へ/仙台市教委
■社会を生き抜く「応用力」育成へ検討会議設置/仙台市教委
■仙台市教育委員会教育長の青沼一民さんに聞く
:教育って、そもそもなんだろう?
■仙台市教育委員会教育長の荒井崇さんに聞く
:「確かな学力育成プラン」って、そもそも何ですか?
なお、今回の授業実践は、6系統ある授業プラン試案集のうち、
「立場の違いを理解し視野を広げる」ことを重点項目としたもの。
そこで今回は下記のような視点から授業参観・取材を行いました。
<授業参観の視点>
■「正解は一つではない」授業の難しさとして考えられるのは、
生徒の思考の多様性を尊重し過ぎるあまり、落とし所がなく、
授業として成立しない危険性である。逆に、恣意的過ぎると、
今度は、教師の思う正解像に誘導してしまう危険性もある。
そのあたりのバランスを、現場ではどう成立させているか?
<取材の視点>
■教育の現場においては、そもそもどんな点が「新しい」のか?
「新しさ」から見える、教育のこれまでとこれからとは何か?
具体的な授業の様子については、今回の記事をご覧いただければ
と思いますが、私が率直に感じたことは、子どもが本気で考えると、
やっぱり「大人よりもすごいな」と思う所がたくさんあるし、
(実際「すごい!」とびっくりした手紙がたくさんありました)
そのような場の前提を、教師がどのように設定できるかが
やはり勝負どころなのだな、と改めて思いました。
なお、授業参観については、少なくとも2~3点は観測が必要と
思いますので、他校での授業実践も参観&取材したいと思います。
※今回の詳しい授業内容については、下記の記事をご覧ください。
「たくましく生きる力」育む授業プラン、学校現場で試行開始/仙台市教委
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