宮城県古川農業試験場「参観デー」を取材しました
本来ならばわたしたちの近くにある要素なのに、なかなかその要素を実感しにくい。
しかしながら、それらの要素の集まりを前提としたところに、わたしたちは生きています。
それらひとつひとつの要素を、どうすれば実感を伴って認識できるのだろうか。
そのような命題を、『宮城の新聞』では、まずは足元である宮城・東北をフィールドに、
一歩目は情報という形にして、中高生へ伝えていきたいと思っています。
どのような組織がどのような取組みをしているのかを知る上で、
ひとつの良い機会となるのが、多くの組織で開催される一般公開です。
そこで『宮城の新聞』では今年、主に研究機関などの一般公開を取材しています。
4日は、宮城県古川農業試験場で行われた「参観デー(一般公開)」を取材してきました。
県畜産試験場、県水産技術総合センター内水面水産試験場、県農業大学校との共催です。
今年の7月、NPO法人natural science で主催した「学都仙台・宮城サイエンスデイ」では、
古川農業試験場さんには「おいしい米はこうしてできる!」をテーマに、
結果だけでないプロセスを五感で体験できるブースを出展していただきました。
古川農業試験場は、大正10年に宮城県立農事試験場の分場として設置され、
昭和48年に現在の名称に改称。
作物育種部、水田利用部、土壌肥料部、作物保護部の4つの研究部があります。
「ササニシキ」や「ひとめぼれ」など、全国的に普及した大物品種も、
ここ古川農業試験場で誕生しています。
93年の冷害を機に、今や幻の米とも称される「ササニシキ」。
その復権をかけ、ササニシキのような食味でひとめぼれのように育てやすい(冷害に強い)
「東北194号(母:ササニシキ、父:ひとめぼれ)」がそのデビューを待っています。
「参観デー」では、この東北194号などの試食会もあったよう。
(残念ながら、私は間に合いませんでした・・・)
私たちが普段、当たり前のように食べているお米ですが、
新品種の開発には、少なくとも10年の歳月がかかるそう。
さらに農家に受け入れられ、消費者に受け入れられる確率は、ごくわずか。
「何でもおいしいのが当前」と、わたしたち消費者はつい思いがちですが、
試行錯誤のプロセスの結果として、今のわたしたちの社会があるのだぁと改めて感じました。
こちらは記事にも登場した、めん用小麦新品種「あおばの恋」を使った手打ちうどん。
私も試食させていただきました。コシがあって、もちもちしていました。
なぜ「あおばの恋」なのかも含めて、
「参観デー」の詳しい内容につきましては、記事をご覧ください。
なお、研究機関などの一般公開について、今年の取材記事は下記の通りです。
◆地元の農業知って 宮城県古川農業試験場で参観デー
◆未来の技術を体験 産総研東北センター 一般公開
◆「未来の光」テラヘルツ波を体感 理研仙台 一般公開
◆健康と環境支える「縁の下の力持ち」 宮城県保健環境センター 一般公開
◆東北大オープンキャンパス 研究室を紹介 【理学部物理学科レポート】
◆「水産県」宮城の魅力知って 親子が地引き綱体験
◆宇宙への夢ふくらめ JAXA角田宇宙センター一般公開
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