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2017年 06月 27日 (火)

「未来の光」テラヘルツ波を体感 理研仙台 一般公開

2009年8月4日公開

理研仙台(仙台市青葉区)の一般公開に、親子ら約270人が訪れた。写真は、虫眼鏡をレンズに使ったカメラ作りに挑戦する工作教室のようす

 「テラヘルツ波」を研究している理化学研究所仙台支所(仙台市青葉区)の一般公開が1日、行われた。親子連れら約270人が訪れ、イベントや工作教室などを通じ、テラヘルツ波など光の科学について理解を深めた。

 テラヘルツ波とは電磁波の一種。周波数帯が0.1~10テラヘルツ(テラは一兆)のため、この名がついた。周波数が光と電波の中間で、電波のように物を透過し、光のように直進する。

 テラヘルツ波は、これまで発生も検出も困難だったため、産業や科学研究への応用は未開拓だった。しかし、近年のレーザー技術や半導体デバイス技術の進展に伴い、テラヘルツ波の特長を利用した多岐にわたる分野での画期的な応用が提案され、基礎的研究が進んでいる。


テラヘルツ波で透視

「テラヘルツ波で透視する」のようす。プラスチック内包内部のチョコレートや、葉の中の水分布を透視するデモストレーションが行われた

 テラヘルツ波は、プラスチックや紙などはよく透過し、金属や水分が含まれているものは透過しない。X線と似ているが被爆の恐れがないため、X線に次ぐ第二の透視法として、空港などにおける所持品検査などへの有効活用が検討されている。

 「テラヘルツ波で透視する」コーナーでは、プラスチック内包内部のチョコレートや、葉の中の水分布を透視するデモンストレーションが行われた。参加者らは紙に好きな文字や絵を書き、テラヘルツ波による透視を楽しんでいた。


テラヘルツ波で見分ける

 テラヘルツ波には、上述の透過性のほかに、物質を見分けることができる大きな特長がある。

「体感しよう!テラヘルツ波!」のようす。独自の技術を用いて発生させたテラヘルツ波に様々な物質をかざし、スペクトルの形状を比較する体験が行われた

 テラヘルツ波は、大半の物質を透過するが、物質ごとに吸収や反射の程度が異なる。さまざまな周波数のテラヘルツ波を当て、周波数ごとの吸収の分布(スペクトル)を見ることで、指紋のように物質の種類を見分けることができる。

 「体感しよう!テラヘルツ波!」コーナーでは、独自の技術を用いて発生させたテラヘルツ波に様々な物質をかざし、スペクトルの形状を比較する体験が行われた。

 テラヘルツ波の透過性や指紋スペクトルといった特長を生かし、理研では、封を開けることなく大量の封筒の中から隠された麻薬や覚せい剤を見つけ出す装置の開発に成功。ほかにも、ガン細胞を識別したり、回路の故障を発見するなど、テラヘルツ波は様々な応用が期待されている。


科学を身近に

室長の浅川茂樹さん

 一般公開ではほかにも、青空や夕焼けのような空の色の違いが、光の散乱現象によって説明できることを、簡単な実験装置を使って再現するコーナーや、虫眼鏡をレンズに使ったカメラ作りに挑戦する工作教室などが行われ、親子連れらが光の科学を楽しんだ。

 室長の浅川茂樹さんは「現場で研究者と触れ合うことで、ノーベル賞をもらうような研究者が別世界の人ではないことを感じてもらい、科学を身近に感じてもらいたい」と話していた。

取材先: 理化学研究所      (タグ: , ,

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