阿部酒店「第42回お酒を楽しむ会:一心の賄い料理で忘年会」を写真撮影&HP更新しました
仙台市亀岡の酒屋「阿部酒店」が、定期的に開催する「お酒を楽しむ会」。
今月12日、リクエストかなって「一心」を会場に、第42回となる会が開催されました。
この時期に開催される恒例の「忘年会バージョン」は、
阿部さん秘蔵のお酒(←本当に冷蔵庫の奥に隠されている)が登場。
しかも今回の会場は、大好きだけど滅多に行けない「一心」さん。
今回もいつも通り、お客さん兼カメラマンとして、参加してきました。
結論から言いますと、通常バージョンとはまた違った趣で、
とても4時間では味わい切れないほどの贅沢さ。
ご興味のある方はぜひ、通常バージョンをレポートしたブログ記事と比較して、
今回のフォトレポートを、ご覧になっていただきたいと思います。
今回の出品酒リストです。
通常バージョンでは、リストに並ぶお酒とお酒の関係性が非常に強いのですが、
(日本酒の種類・分類、使用米、精米歩合、使用酵母、醸造年度、
火入れ工程、濾過度等々、いろいろな切り口で比較するため)
今回は比較的独立性が強く、品数も半分と少ないので、ひとつずつご紹介します。
銘柄、日本酒の種類・分類、使用米、精米歩合、BY(醸造年度)、備考の順に表記します。
※以前主催した宮城の日本酒を楽しむ会の報告ページに、
このあたりを詳しく解説していますので、よろしければこちらのページをご覧ください。
(1)はくろすいしゅ 純米大吟醸生 出羽燦々 40% 20BY
'09インターナショナルワインチャレンジGold受賞酒
(2)黄金澤 大吟醸 山田錦 38% 20BY 金賞受賞タンク
(注意:「金賞受賞」と書いてあっても、タンク違いの場合が多い)
(3)墨廼江 大吟醸 山田錦 40% 20BY しずくおり酒 非売品
(4)乾坤一 大吟醸原酒 山田錦 40% 19BY 斗瓶取り
(5)米鶴 純米大吟醸 山田錦 35% 19BY F1
(6)米鶴亀粋 純米大吟醸 亀粋 40% 15BY 須貝杜氏コレクション
(7)萩の鶴 大吟醸 山田錦 40% 16BY 金賞受賞タンク
(8)伯楽星 純米大吟醸 山田錦 40% 15BY 「幻の山田純大」
(新澤さんが伯楽星を立ち上げ2年目となる平成15年は、5年に一度の米不作の年。
雄町でつくられている純大が山田錦でつくられたのは、この時だけの幻の酒)
(9)残響 純米大吟醸 蔵の華 9% 20BY SUPER9
(ここで「あれ?」と思った方、後で説明しますので、そのまま読み進めて下さい)
(10)綾菊 純米大吟醸 オオセト 50% 1BY
十五年熟成「秘スレバ花」プラス五年当店常温熟成 (国重弘明作)
店主・阿部さんの挨拶で、いよいよスタート。
(1)のはくろすいしゅ純大生で、乾杯です。
つきだしのお刺身3点盛は、白ボタン海老、帆立、青森本マグロ。
牡蠣のオイル漬け、牡蠣の燻製、鯖のへしこ、もずく酢、ちぢみほうれん草のおひたし。
こんなにシンプルなのに、なぜこんなに美味しいのか不思議なくらい美味しいです。
カジキマグロの磯辺揚げと梅シソ揚げ。
芋煮鍋。
後ほど、うどんも入れました。
彩りも鮮やかで綺麗です。
大根を枕に休憩中のお魚。
(すみません、名前をチェックし忘れました)
お一人目のゲスト。山形県高畠町にある米鶴酒造の伊藤さんです。
(少々奇妙な写真が撮れましたね・・・)
※以前、米鶴酒造にて寒仕込み体験をした記録はこちら(米鶴「寒仕込み体験」)
忘年会バージョンは、「(蔵元に)気兼ねなく酒を選びたい」阿部さんの意向により、
通常はゲストが登場しないのですが、きっと阿部さん、今回は何かあるんですね・・・
伊藤さんも「今回初めて飲んだ」という、
(6)米鶴亀粋 純米大吟醸 亀粋 40% 15BY 須貝杜氏コレクションを。
お二人目のゲスト。
「伯楽星」「愛宕の松」醸造元・新澤醸造の新澤さんです。
※新澤さんについては、以前主催した「お酒の会」協力蔵元のご紹介をご覧下さい。
ここで、(9)の「残響」が登場です。
阿部さんが「聞いて驚くなよ」とかなりもったいぶった、このお酒・・・
なんと、精米歩合9%のお酒なのでした!
精米歩合1ケタのお酒なんて、これまで想像だにできませんでした。
市場価格も、21,000円(720ml)と、初めて見た数字。
技術者(杜氏)であり経営者でもある新澤さんから、
「なぜ、精米歩合9%の酒造りに挑戦したのか」について、じっくりとお話を伺いました。
(ここでは詳しくは書きませんが)経営者としても、宮城から世界トップを目指し、
技術者としても、「米をもっと磨き続けたら、米の芯だけ飲んだら、どうなる?」に挑戦。
ここで補足説明ですが、精米歩合とは、玄米からどれだけ削って残すかということ。
つまり、91%は削ってしまい、9%の「お米の芯」のみ味わうというお酒なのです。
ちなみに「吟醸」と「大吟醸」の違いは、この精米歩合で決まるのですが、
最も贅沢なランクの「大吟醸」でも、精米歩合は50%以下。
技術的にも9%まで削ること自体が難しく、なんと精米に250時間もかけたとか。
例えば山田錦だと削ったとき粉になってしまう等々、かなりの試行錯誤を重ねたそう。
温度でかなりの変化があるようで、温度が上がるとワインのようにもなる。
新澤さん曰く、「飲んだ人にだけわかるお酒です」とのこと。
そんな貴重なお酒を、店主の阿部さんからいただきます。
阿部さん曰く、「美味しいとか不味いとかでなく、飲んだという経験が大事なんだ」。
そして、「夢を飲むお酒なんだ」と。
新澤さんから直接、たっぷりと注いでいただきました。
これまで一度も味わったことのない味わい・・・!!!
言葉がなくなります。
そして阿部さんの原点となったというお酒、
(10)綾菊 純米大吟醸 オオセト 50% 1BY
十五年熟成「秘スレバ花」プラス五年当店常温熟成 (国重弘明作)を。
日本酒としてはかなり珍しい二十年古酒。
お燗にすると、味わいもまた変化します。奥深い。
米鶴さんから、リストにはない「どぶろく」が。
【訂正(09年12月21日)】その後、阿部さんから下記のようなご指摘をいただきました。
米鶴の伊藤君が持ってきたのは、「どぶろく」ではなく、お酒の醪(もろみ)です。
それも次の日に搾る予定の、うきたむ純米吟醸美山錦のものです。
その辺の、「どぶろく」と呼ばれている酒とは、全然違います。
蔵に行って飲ませていただくしかない・・・行っても飲ませてもらえない酒です。
新澤さんとのおしゃべりについ夢中になり、ちゃんと聞いていませんでした・・・大変失礼しました!!
確かに、蔵を見学したとき、タンク毎に飲ませてもらった醪の味でしたね・・・
阿部さんの奥様・むね子さんの名前がついたお酒「むね子の酒」。
阿部酒店オリジナルラベルで、中身は米鶴の特別純米。
実はこのお酒、私の「利酒道二段」祝いだったのですが、会の〆に振舞われていきました・・・
最後は、米鶴伊藤さんの音頭による山形の伝統的な〆で、終了。
あっという間の4時間でした。
新澤さんからも、そもそも何にリアリティを感じて世界を見てるか、
といったお話をじっくりとうかがうことができ、とても嬉しかったです。
(最後は新澤さんを独占してしまって、皆さんに申し訳なかったのですが・・・)
※集合写真は、私が入っているバージョンも撮っていただきました(中央右)
今回は最後までばっちり、カメラマンとしての役割を全うしました。
阿部酒店HPに、全写真を更新しましたので、よろしければそちらもご覧下さい。
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らくだ (2009年12月26日 11:56)
はじめまして。
毎回楽しく地元ならではの取材を参考にさせてもらっています。
近年、私も写真撮影が趣味となり様々な写真を拝見している中で貴殿の写真は素晴らしく感じています。
どのような機材を使用しているのか参考まで教えて頂けると幸いです^^
大草 芳江 (2009年12月28日 11:59)
らくだ様
「宮城の新聞」の大草芳江です。
この度は、「宮城の新聞」記者ブログへのコメント、ありがとうございました。
励みになるお言葉を頂戴し、大変ありがたく思っております。
さて、ご質問の件ですが、カメラはデジタル一眼レフ「ペンタックス*istDS」を愛用しております。
5年ほど前に購入したカメラですが、今でも現役で、一緒に毎日頑張っております。
これからも「宮城の新聞」を、どうぞよろしくお願いいたします。