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記者・大草芳江が活動をつづります

2008年12月 7日

「第5回全国はっとフェスティバル」へ行ってきました

登米地方に伝わる郷土料理「はっと」が一堂に集う
「第5回全国はっとフェスティバル」が7日、登米市役所迫庁舎前で開催されました。

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実は昨年も、この「はっとフェスティバル」を目指してここを訪れたのですが、
開催日を一週間違えるという痛恨のミス。

そのため今年は念には念を入れ開催日時を確認し、ちょうど開場15分前に到着。
駐車場もスムーズに確保することができ、今日はなかなか順調な滑り出しです。

そもそも「はっと」とは、水で練った小麦粉を熟成させ、
一口大にちぎって茹でて作る、すいとんのようなもの。
(すいとんよりも、平たくて、つるつるとしたのど越しが特徴です)

全国はっとフェスティバルは、はっとと共通性のある「すいとん」や「ひっつみ」、
「つめいり」など全国各地の郷土料理も含めた、約30種の郷土料理・創作料理を

一杯200円から300円で味わえるイベントとあって、
会場を訪れた人々は、それぞれ思い思いに味比べをしていました。

ということで、私も味比べです。

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「長沼エビ(?)のかき揚げ等のはっと」
パンフレットに載っていない(?)はっとです。
ほたても入っていたような気がします。

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「赤豚カレーはっと」
手づくりカレーに、赤豚がそぼろ風にトッピングされています。
個人的には、そぼろより、薄切り肉の方が嬉しかったです。

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「森の具だくさん塩はっと」
道の駅「林林館」の料理なので、東北の道の駅マスターの私は要チェックです。
登米市東和産の舞茸・えのき・しめじ・なめこ・きくらげや野菜など、具沢山で美味です。

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「韓国風野菜はっと」
米粉を使用した韓国風のはっと。もちもちとした食感が特徴的です。
もう少し、野菜キムチが多かったら、嬉しかったですね。

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「山梨のほうとう」
山梨の郷土料理・ほうとうです。一番長い行列ができていました。
甘めの味噌で仕立てたスープが、かぼちゃの甘さにマッチしていました。

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「船橋やの鴨ばっと」
鰹節と昆布のダシに、鴨燻製と地場産葱と水菜が入っています。

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個人的に、一番美味しかったのが、こちら。
「ならはマミーすいとん」(福島県)  ← トルシエ監督が名付け親なのだとか
地鶏のダシが効いていて、スタンダードですが最もバランスが良かったです。
ちなみに、Jビレッジに程近い「道の駅ならは」でも、マミ~すいとん定食(650円)を食せます。

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会場上をぐるりと、飛んでいました。楽しそうです。
「火の用心」PRのために、飛んでいるのでしょうか?

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はっとを3杯食べると、先着3500名が抽選会に参加できます。

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当たれば地場産品、外れればポケットティッシュ。
もちろん本気で望みます。
っていうか、これは絶対に当たる予感がします!

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ほら~、やっぱり当たりました!!
登米産小麦粉を使用した「はっと粉」。
次も絶対、当てますよ。

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ほらほら、やっぱり当たりました!!!
「うまいつゆ」です。
これでちょうど、はっとをつくれますね~

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あとは油麩(4本入り700円)を購入。
油麩は、買い置きしておくと、意外に重宝する乾物です。

うどんや鍋、煮物の具などに使用すると、お肉なしでもコクが出ますよ。
(もちろん、はっとにも欠かせません)

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色々なはっとを味わえ、満腹になったし、お土産もできたしで、
とても満足度の高いイベントでした。

200円程度と手ごろな値段で、これだけの数のはっとを比較できる機会というのは、
マイナーな食べ物だけに、なかなかありません。それが逆に、魅力的です。

そして何より、登米の「はっと」への思い入れの強さを、感じたイベントでした。

これだけ、はっと料理の出店者数があるのにも驚きですし、
(登米では、地元のレストラン・寿司屋・ソバ屋・食堂・喫茶店・スナック等々、
地元のお店が協力し合って『NPO法人・登米はっとの会』を結成しているそうです)

登米市に2009年春から開局予定のFM局は、
「H@!FM」と書いて「はっとFM」と読み、周波数は、はっとで「810」と、「はっと」尽くし。
試験放送という形で、「はっと、はっと...♪」と会場に、はっとソングを流していました。


けれども、そもそもなぜ、今も昔も、県内有数の「米」どころである登米の地で、
「小麦粉」でつくるはっとが郷土料理なのでしょう?

その歴史を繙くと、400年程前の藩政時代にまで溯ります。

当時、伊達藩では藩をあげ北上川水系の新田開発に取り組み、
江戸への産米輸送に力を注いでいました。

伊達藩では、独自に「買米制(かいまいせい)」という制度までつくり、
お百姓さんが年貢を納めたあとの余った米をも藩が買い上げ、江戸へ送っていたそうです。

そもそもなぜ藩が、お金を払ってまでお百姓さんから米を買ったのかと言えば、
米が伊達藩随一の輸出品だった(=米が収入の大半を占めていた)からなのだとか。

そのため、藩としては、買ってでも米が欲しく、
一方、お百姓さんは、たとえ豊作であっても、お米を満足に食べられなくなりました。

そこでお百姓さんたちは、畑に小麦などの雑穀を栽培し、
小麦粉を練って作る食べ物を、米の代用食として食べたそうです。

そうしているうちに、それは、米の代用食として美味しく食べる工夫がされ、
むしろ、「美味しい」とお百姓さんの間で好まれるようになりました。

その評判を聞いた領主が、「小麦粉作りに精を出し、米作りが疎かになるのでは」と心配し、
「この料理を食べることはご法度(はっと)」と定めたことから、
それ以来、「はっと」と呼ばれるようになった、というわけなのだとか。

郷土料理ひとつとっても、その土地の歴史が密接に絡んでおり、
さらにその歴史が、現代の登米における地域活性のキーワードとなっているなんて、
なんだか不思議だなぁと、はっとを美味しく頂きつつ、改めて感じました。

はっと。忘年会のときにでも、早速、つくってみようと思います。

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