宮城県水産技術総合センターへ行ってきました
2009年7月4日(土)・5日(日)、東北大学片平さくらホールにて開催予定の
「学都仙台・宮城サイエンスデイ」(主催:NPO法人natural science )の件で、
本日午前、宮城県水産技術総合センター(石巻市)へ行ってきました。
企画情報部長の松平さんと、主任主査の柴久喜さんにご対応いただきました。
お二人曰く、
北海道に続いて全国第2位の漁業生産量を誇るのが、実は、宮城県なのだそう。
また、全国の漁港のうち、水産業の復興上、特に重要な漁港を
「特定第3種漁港」として政令で定めているそうなのですが、
全国13漁港のうち、宮城県内では、気仙沼、石巻、塩釜の3漁港が指定されているのだとか。
ちなみに、ひとつの県で、複数の漁港が指定されている県は、他にないそう。
「宮城には、豊かな海の恵があります。
地域経済のベースである一次産業(農業や水産業など)復興のために、
試験研究に取り組むのが、当センターの役割」と松平さん。
ちなみに、
「わたし達よりも、景色を撮ったら」とお二人がおっしゃる程、
センターの前は、絶景のロケーション。
当然ながら、海がフィールドです。
「海のなかは、ブラックボックス。だからこそおもしろいのでしょう」と松平さん。
宮城県水産技術総合センターの外観。
約100年間、毎日、水温を定点測定。
水温情報は、宮城県水産技術総合センターのホームページでも閲覧できます。
「遺伝子やウイルスレベルの、第一線の研究も行っていますが、
生物相手ですので、ベースとなるのは、フィールドでの継続調査」と松平さん。
研究施設も見学させていただきました。
アカガイの種苗器。
これでアカガイの幼生を飼育するそう。
よく見かけるようなリボンでできています。
この手法、なんと特許を取得しているそうです。
宮城県のHPに、アカガイの種苗生産の流れが詳しく紹介されています。
県外の方は、なかなか食する機会のない、「海のパイナップル」ことホヤ。
ここで問題です。どちらが口で、どちらが肛門でしょう?
正解は、(写真ではちょっとわかりづらいですが)
「+」の形に閉じているのが口で、
「-」の形に閉じているのが肛門なのだそう。
「+と-、ドライバーみたいでしょう(笑)」と松平さん。
糞を出すとき、口は閉じるのでしょうか・・・
養殖のアワビ。
天然ものと違い、殻が緑色。
成貝になってもこの色は消えないらしく、
天然ものか養殖放流ものかを見分ける印(グリーンマーク)として用いられるそう。
「このような養殖も、生物のライフサイクルをおさえた上で、
人工的に管理して種苗をつくることができれば、産業規模として発展がある」と松平さん。
他にも、安定的・継続的に漁獲するために、
生物の生態や資源に関する調査研究を行ったり、
資源管理技術の開発などを行ったりと、様々な取組をしているそう。
例えば刺身を見て、魚の名前を当てることはできても、
その魚が生きていた姿や住んでいた場所を、なかなか想像することができません。
複雑な自然を相手にした、地道な調査研究や技術開発などが土台にあった上で、
わたしたちは、切り身になった魚介類を、不自由なく食べることができるのですね。
学都仙台・宮城サイエンスデイでは、
そのようなプロセスを、科学を切り口に、五感で感じられる場をつくりたいと思います。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 宮城県水産技術総合センターへ行ってきました
このブログ記事に対するトラックバックURL: https://field-and-network.jp/mtos/mt-tb.cgi/7253