シンポジウム「東日本大震災を超えて:大学がなすべきこと、できること」を取材しました
『宮城の新聞』や『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』などでお世話になっている、
東北学院大学学長の星宮さんから、同大学を会場に、2日に開催されるシンポジウム
「東日本大震災を超えて:大学がなすべきこと、できること」のご案内をいただきました。
日本私立大学団体連合会などの主催で、被災地の支援復興、日本社会の
回復発展への私学の貢献について、意見交換を行うシンポジウムとのことです。
シンポジウムのテーマ「東日本大震災を超えて:大学がなすべきこと、できること」は、
『宮城の新聞』のテーマのひとつ「教育って、そもそも何だろう?」を考えるうえでも、
とても興味深いテーマだと思い、取材にお伺いしました。
シンポジウムの詳細は、記事をご覧になっていただければと存じますが、
個人的には、「そもそも大学って何だろう?」を、改めて考える機会になりました。
国立にはない私学の原点「建学の精神」も、とても興味深いテーマだと思います。
また、星宮さんの講演内容について、前回のインタビュー記事と関連する内容ですし、
ぜひ残しておきたい点があるので、ここで少し詳しくご紹介します。
星宮さんは、前回のインタビューでも、
「人材育成こそ天然資源のない日本が世界と戦う鍵」と強調されていますが、
そのためには、「先人の英知・知恵を受け継ぐ人材の育成が不可欠である」
と話しています。
しかし、「地元の人でも、先人が英知を結晶化した成果を意外と知らないでいる」
と、問題点を指摘しています。
今回の講演会では、被災地の歴史的実績として、以下の3つを挙げていました。
(1)世界3大漁場・三陸沖
(2)世界最大都市・江戸を支えた宮城県産の本石米(ホンゴクマイ)
(3)世界のエレクトロニクスの先進地・仙台
当日の星宮さんの講演資料については、こちら(主催者HP)からご覧になれますが、
ここでは復習も兼ねて、(2)と(3)について、講演資料から引用させていただきます。
(2)世界最大都市・江戸を支えた宮城県産の本石米(ホンゴクマイ)
江戸時代の後半、世界最大都市(100万都市)・江戸の食生活を支えたのは、
「本石米」と呼ばれた仙台圏からの米だった。江戸市内に流通した米の、
実に3分の1(2分の1、あるいは3分の2とする説も)を占めていたと言われる。
これには、仙台藩で計画的に水利事業を進め、米の生産の努力をしたことも
大きな理由だが、北上川の大規模な改修工事、東名運河や貞山掘の掘削と改修など、
海運事業のための計画的な取組みがあった。これらの努力が結集して、
仙台藩や南部藩の米が主として石巻に集められ、千石船によって運ばれた。
(3)世界のエレクトロニクスの先進地・仙台
①八木・宇田アンテナ(TVアンテナ)
②マグネトロン(レーダー用・電子レンジ)岡部金治郎先生
③磁気録音(永井健三先生)、垂直磁気記録(岩崎俊一先生)
④光通信の三要素(半導体レーザ・光ファイバー・フォトダイオード)西澤潤一先生
まさに教育とは、先人の英知・知恵を継承し発展させていく営みそのもの、
ということに、やっと最近、私も少しずつリンクがかかってきました。
「教育って、そもそもなんだろう?」のテーマが、改めて楽しみになった取材でした。
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