科学者(電子工学)の西澤潤一さん(元・東北大学総長)をインタビューしました
「科学」に対して、中高生の皆さんはどのようなイメージをもっていますか?
「科学」というと、「客観的で完成されたもの」というイメージがあるかもしれません。
しかしながら、それは科学の一部であって、全体ではありません。
また、中高生の皆さんにとっては、あまり馴染がないかもしれませんが、
実は、ここ仙台・宮城には、たくさんの科学者たちが住んでいるのです。
そこで、『宮城の新聞』では、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、
仙台・宮城ゆかりの科学者へ、ロングインタビューをする特集を続けています。
本日は、科学者(電子工学)の西澤潤一さん(元・東北大学総長)をインタビューしました。
西澤さんは、半導体や光通信に関する分野で、先駆的な研究業績が高く評価され、
「ミスター半導体」「光通信の父」などと呼ばれている、世界的に著名な科学者です。
2002年には、IEEE(米国電気電子学会)の世界で最も権威ある賞
「IEEEメダルズ(※)」の第14番目として、「西澤メダル」 が創設されています。
※「IEEEメダルズ」は、発明王トーマス・エジソン、有線電話を発明したグラハム・ベルら、
20世紀を代表する科学者の名を冠した賞が13あり、日本人では西澤さんが初めて。
西澤さんには、これまで『宮城の新聞』でも何度かインタビューにご協力いただいたほか、
昨年の『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』では、基調講演もしていただきました。
◆【宮城の新聞】科学って、そもそもなんだろう?:西澤潤一さんに聞く(全4ページ)
◆学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2009(主催:NPO法人 natural science)
今回は、「科学技術と東北」について、西澤さんがリアルに感じていることを伺いました。
と言うのは、先日、日本技術士会近畿支部に特別講演会講師として呼んでいただいた時、
「東北と関西は、そもそも気質が違う。東北ならではの研究第一主義の気風は魅力的だ」
とのお声を意見交換で頂戴し、改めて、そもそも東北とは何かを知りたい、と思ったからです。
西澤さんからは、各旧帝大のスタンスの違いがなぜ生まれたのかや、
東北大学の研究スタンスのルーツについて等、いろいろと興味深いお話を伺ったほか、
芸術や文化についても、いろいろなエピソードを交えながら、お話いただきました。
ちなみに、個人的に印象深かったのが、無類のモネ・ファンとして知られる(※)西澤さんが、
最初は「なぜ皆が良いと騒ぐのかわからなかった」モネの絵が、ある瞬間に(←3回目)、
「ぱっと絵が動いて見えて、モネが好きになっちゃった」というお話です。
(※)NHK『日曜美術館』(2007年6月10日放送)出演時には、下記のように紹介されています。
『かつてパリのマルモッタン美術館で、モネの「睡蓮」が誰にも気付かれることのないまま、
逆さに掲げられていることを、モネの影の描き方から見抜き、指摘したことがある程のモネ通』
芸術も科学も、本物(一流)に会うことの大切さを、西澤さんはお話していたわけですが、
お話を伺いながら、(西澤さんのご自宅に棟方志功の絵が飾られていたこともあって)
3月に訪れた大原美術館(岡山県倉敷市)で見た、棟方志功の絵を思い出しました。
それはとても大きな絵で、近くから見ると、ただの太い線だけに見えるのですが、
それを遠くから眺めて、これは巨木の絵だったのだ、とわかった瞬間、
絵の中の巨木が力強く広がり、枝は風に揺られ、生き生きと輝いて見え、
絵から生命力を感じて涙が出るという、とても不思議な体験をしました。
(作品の名前はチェックし忘れました・・・おそらく展示物の中で一番大きな絵だと思います)
と、ちょっと話がずれてしまいましたが、西澤さんへのインタビュー結果は、
近々、公開予定です。もう少々お待ちください。
<追記>
西澤さんには、昨年に続き今年も『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』で、
「科学技術と東北」をテーマに、基調講演していただけることになりました。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください。詳しくはこちらをご覧ください。
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