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記者・大草芳江が活動をつづります

2011年11月 8日

【東京&石巻】文部科学省「全国生涯教育ネットワークフォーラム」に委員として参加しました

カテゴリ:取材日記

文部科学省の「全国生涯教育ネットワークフォーラム2011」が
5・6の両日、東京都の文科省などを会場にして開催されました。

開催テーマは、『学びを力とする3.11以降の地域づくり、社会づくり』。
文科省から企画実行委員の委嘱を受けて、私も参加してきました。

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宮城県石巻市立雄勝中学校の生徒たちによる「伊達の黒船太鼓」の演奏

開会行事では、宮城県石巻市立雄勝中学校の生徒たちが、
同地区の伝統芸能「伊達の黒船太鼓」の演奏を披露しました。

今回の津波で学校も太鼓も流されてしまった生徒たちは、
廃タイヤにビニールテープを張った手作りの太鼓を、
百円均一ショップの麺棒をバチにして、演奏していました。
廃タイヤと麺棒とは思えないほど、迫力のある演奏でした。

なお、東京駅の屋根に雄勝硯石が開駅以来使われている縁で、
このあと、生徒たちは東京駅でもこの演奏を披露したそうです。
(以前、雄勝に訪れた時も、硯などがたくさん売ってありました)

続いて、開会式では、中川正春文部科学大臣が開会挨拶で、
「東日本大震災による未曽有の災害に立ち上がるために、
多くの方々が連携して、様々な形で復興に取り組んでおり、
改めて地域の絆やコミュニティの重要性を再認識している。
生涯学習を核とした新しい地域づくり、社会づくりが、
全国各地で花開くことを願っている」と趣旨を話しました。

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開会挨拶をする中川正春文部科学大臣

また、本フォーラムの経緯・ねらいについては、
実行委員会で高崎経済大学副学長の大宮登さんが、
「グローバル化社会、そして高齢化社会のなか、
生涯にわたる教育の仕組みづくりが課題となっており、
この20年間、国をあげて生涯学習のあり方を模索してきた。
これまで計21回『生涯学習フェスティバル』を開催してきたが、
普及啓蒙の時期は終わり、これからは、継続的な問題解決にむけ、
今年から『生涯学習ネットワークフォーラム』と、名称を変えて開催。
本来は岩手開催の予定だったが、今回の東日本大震災の影響で、
今年度は文科省が中心となり、東京開催となった」と経緯を話し、
今回のねらいについて、下記のように述べていました。

①「生涯学習と地域の『絆』づくりの関係を真剣に考えること」
②「生涯学習に関わる団体の継続的・全国的なネットワークづくり」

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オープニングセッションのようす

また、前文部科学副大臣で参議院議員の鈴木寛さんは、
政権交代後から政府が提唱する「新しい公共」の概念を説明した後、
「『幸せの法則』が変わっている今こそ、私たちは学ぶべきである」と、
生涯学習に対する期待などについて話していました。

次いで、5つある各分科会から、課題提起などがあった後、
午後から各分科会に分かれて、講演や事例報告などがありました。
各分科会のテーマは、下記の通りです。(私は第1分科会の担当です)

1)学びの場を核にした地域の絆づくり
2)これから求められる防災教育への取組
3)希望の高齢社会-新たな可能性への挑戦-
4)ICTを活用した学びと安全・安心な学校の創造
5)震災ボランティアと若者たち~その学びと支援を考える~

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第1分科会のようす

このうち、第1分科会では、高橋孝助さん(宮城教育大学学長)
による基調講演に続いて、下記4件の事例報告がありました。

○「住民が支える公民館運営~災害で発揮された住民参加の力」
 齋藤文良さん(気仙沼市立岩松公民館長)

○「ふくしま総文の開催を通した地域貢献の実践」
 笠原裕二さん(福島県教育庁参事兼室長
 第35回全国高等学校総合文化祭福島県実行委員会事務局長)

○「笑顔と志あふれるまち しぶしの生涯学習」
 本田修一さん(鹿児島県志布志市長)

○「大人も子どももつどい学ぶ場を核に学校と地域をむすぶ」
 竹原和泉さん(横浜市立東山田中学校コミュニティハウス館長)

全体会や分科会で、いろいろな方のお話を伺っていて感じたのは、
日本社会は、今まさにトップダウン型からボトムアップ型の社会へ、
これから本格的に移行する(せざるを得ない)フェーズに入っており、
そのために必要かつ具体的な要素を形にしていかねばならないと、
社会全体が動き出している時なのだな、と肌身で感じました。

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第1分科会の「子ども熟議」のようす

続いて、翌日の6日は、被災地(岩手、宮城)と東京の児童・生徒たちが、
「子どもたちの目から見た3.11移行の絆づくり」をテーマに意見交換する
「子ども熟議」が行われ、私は担当する宮城会場(石巻)に、参加しました。

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実は当初、誘導質問のようにならないか心配していたのですが、それは杞憂に終わり、
子どもたちから出てきた言葉は、一つひとつ重みが感じられるものでした。

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東京の生徒からの「どんな支援が一番嬉しかった?」という質問に、被災地の生徒が
「もちろん物も嬉しいけど、ダンボールに書いてあったメッセージが、とても嬉しかった」
と答えており、会場中の児童・生徒が「そうだよね」と頷いていたのが、印象的でした。

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一番大切なのは、人の気持ち。それが、人と人をつないで、私たちの社会をつくっていく。
そんな言葉にしたら、一見当たり前のようにも感じられてしまうこの事実を、
子どもたちの実感の伴った言葉は、ずしりと重みをもって感じさせてくれました。

そして、これからやってくる社会は、まさに子どもたちの言うように、「支え合う」社会。
その時に一番大切なことは何かまで、子どもたちは強く伝えていたように感じました。

改めて子どもという存在のすごさを感じると同時に、これから縮小化していく社会の中で、
私たちはどうあるべきなのか、その指針を改めて確認できた、貴重な機会となりました。

最後になりましたが、このような機会を与えてくださった文科省の皆さま、
そして、関係団体の皆さまに、この場を借りて、お礼申し上げます。
どうもありがとうございました。

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