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記者・大草芳江が活動をつづります

2011年10月 8日

東北大学「片平まつり2011」開催中、9日まで

カテゴリ:取材日記

本日は、8日(土)、9日(日)に東北大学の片平・青陵キャンパスで開催されている、
東北大学の附置研究所等一般公開「片平まつり」に行ってきました。

片平まつりでは、金属材料研究所、加齢医学研究所(※)、流体科学研究所、
電気通信研究所、多元物質研究所、東北アジア研究センター、
原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)の
計7つの研究所・研究センターの研究内容が、同時に公開されます。
【追記】東北大学史料館も共催で東北大学の歴史などを展示しています。
※「片平まつり」と言っても、加齢研は、片平キャンパスではなく青陵キャンパスなので、ご注意。

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写真は東北大学WPI-AIMR「アメリカン低温ショー」のようす

1998年からほぼ隔年ごとに開催され、今年で7回目を迎えるそう。
小学生から大人まで楽しめるイベント内容で、参加費は無料です。
初日も、朝早くから多くの家族連れらで、にぎわっていました。

私も、開始時間(10時)ちょうどに、片平キャンパス北門で受付。
北門近くに新しく建てられたばかりのWPI-AIMR本館をのぞいてみると、
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』で毎年お世話になっている
池田さんに、ちょうど運良くお会いすることができました。

【関連事項】
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2011
 「偏光板を使って材料の性質を調べてみよう!」(WPI-AIMR)

学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2010
 「有機半導体でトランジスタをつくろう!」(WPI-AIMR)

「宮城の新聞」 <特集>科学って、そもそもなんだろう?
 :東北大学WPI-AIMR機構長の山本嘉則さんに聞く

池田さんにお礼を申し上げた後、阿尻雅文教授にご案内いただき、
WPI-AIMR一般公開「ナノ・エキスポ ナノって何なの?」を取材。

全国に5つある、文部科学省の世界トップレベル研究拠点の一つである
WPI-AIMRでは、原子・分子(←ナノの世界)を特殊な顕微鏡を使って観察し、
操作して、新しい材料をつくりだす研究をしているそうです。
その中から今回は、生活と密接に関わるものを展示したとのこと。

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「ゴムの不思議を体験しよう」のようす。「大きな風船と小さな風船が力比べをすると、どちらが勝つかな?」というクイズに、子どもがかなり悩んで考えていました

例えば、アリよりも小さい世界最小の機械、ドロドロ磁石(磁性流体)、
生物の構造を真似て人工的に再現した材料(バイオミメティックス)、
ゴムの不思議を体験するコーナーなど、いろいろありました。

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「アメリカン低温ショー」のようす。

こちらは極低温実験のようす。
酸素は冷やすと液体になるのですが、なんと不思議なことに、
液体酸素は無色ではなく青色で、磁石にくっつく性質があるそうです。
酸素の場合、強力な磁石を近づけると、バラバラだったスピン(磁石の源)の向きが
そろうためらしいのですが、でも、なんで青色になるんでしょう?不思議ですね。
極低温といった極限状態にすることで、物質の持っている、
本来の性質が際立って見えてくることが、おもしろいです。

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写真は、「原子・分子ラボツアー」で見学した「走査トンネル顕微鏡」

WPI-AIMRには、いくつかの世界トップレベルの実験装置があるそう。
その中から今回は、阿尻さんでさえ「滅多に見れない」と言う、
特殊な顕微鏡「走査トンネル顕微鏡」と「透過電子顕微鏡」を使って、
実際に原子・分子を観察できるツアーもありました。

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写真は、「原子・分子ラボツアー」で見学した「透過電子顕微鏡」

写真は、「透過電子顕微鏡」を実際に操作して、
金のナノ粒子を観察しているところです。
ちなみに今年度のノーベル化学賞である「準結晶」の発見は、
透過電子顕微鏡を使って行われたそうです。

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「コンピュータの中の原子・分子」のようす

個人的に興味深かったのが、水分子のコンピュータシミュレーション。
水素結合と温度のバランスで、(温度の設定を上げたり下げたりして)
分子のネットワーク構造がどのように変化するかを見ることができるのですが、
この動きは写真ではなく、動画で見たほうが、おもしろいですね。

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個人的には「おまけの話」に驚きました

ちなみに、コンピュータシミュレーションで研究した結果、
塩を水に溶かしても、塩は水の中で完全にはばらばらにならず、
NaとClが(イオン化はするけども)ペアを保つほうが安定なのだそうです。
教科書の絵では、塩は水中でNaとClにイオン化してバラバラっぽく見えるので、驚きでした。

「すべての物質は、原子・分子でできている...」と言われても、
ナノの世界は直接目には見えないので実感が湧きづらいですが、
いろいろな方からお話を伺ったり、いろいろな体験をするうちに、
少しずつですが、だんだん身近に感じられてきた気が最近します。

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金属材料研究所の一般公開のようす

お次は、金属材料研究所(略してKINKEN)に行きました。
世界のKINKEN、その始まりは、当時世界最強の磁石「KS鋼」を
発明した、本多光太郎先生による鉄鋼の研究所です。
皆さん「今が大切 本多光太郎」ロゴ入りTシャツを着用してました。

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松岡研究室による「光で伝える」のようす

『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』で毎年お世話になっている、
松岡研究室の皆さんに御礼を述べるとともに、「光で伝える」を体験。
当日はカメラマン役のため体験できなかったので体験できてよかったです。

【関連事項】
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2011
 「光を使って、話をしよう!」(東北大学金属材料研究所 松岡研究室)

学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2010
 「光を使って、話をしよう!」(東北大学金属材料研究所 松岡研究室)

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流体科学研究所の「ポンポン船で遊ぼう!」のようす

続いて、流体科学研究所「きて!みて!さわって!ながれのヒミツ!」。
流体科学研究所は、その名の通り「ながれ」を研究しているところです。
「ながれ」は身近なものに感じられますが、実はとても難しいものらしく、
例えば写真の「ポンポン船」、構造は簡単ですが、どうして船が進むのか?
その推進原理を、流体力学的に考えると簡単にはわからないそうですから、
世の中わかってないことは、実はたくさんあるんですね。

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「コンピュータで作ろう!あなただけの宝物」(流体数理)

『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2011』でお世話になった、
流体数理研究室さんによる「コンピュータで作ろう!あなただけの宝物」。
自然にある不思議な形(リアス式海岸や樹の枝など:フラクタル構造)を、
サイコロを使った簡単なルールでつくれることを体験できる内容です。
中高生の科学部の皆さんが「一番おもしろかった」と言っていました。

【関連事項】
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2011
 コンピュータで遊ぼう!雪景色(東北大学 流体科学研究所)

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電気通信研究所の歴史的発明品の展示

片平キャンパスをどんどん南下していき、電気通信研究所(通研)です。
通研といえば、現在も電子レンジに必ず使われているマグネトロンや、
テレビやラジオの受信に欠かせないアンテナ(八木・宇田アンテナ)、
ビデオテープやハードディスクの開発につながった世界初の磁気記録方式、
光通信や半導体素子など、数々の歴史的発明品を世に送り出してきました。

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電池のいらないAMラジオの電子工作(昨年の取材レポート記事はこちら

電気通信研究所では「コミュニケーションの未来を見に行こう!」を
テーマに、最先端研究から歴史的発明の展示まで、行なっています。
毎年人気の「ラジオのら!(電池のいらないAMラジオの電子工作)」や、
高速光通信の体験など、昨年の取材レポートに詳細を掲載しているので、
ご興味のある方は、こちらをご参考にしていただければと思います。

【関連記事】
歴史的発明から先端技術まで体験 東北大通研で一般公開2011 10月8-9日
歴史的発明から最先端研究まで体験 東北大通研で一般公開(2010年度・取材レポート)

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末松研究室「いつでも・どこでも・だれとでも」

『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』で毎年お世話になっている、
末松研究室さんの「いつでも・どこでも・だれとでも」のようすです。
携帯電話の中身を分解して見せていただき、個人的にはバイブレータ
(ブルブル震える)が、思ったよりもだいぶ小さいことに驚きました。
見えないところに、きっといろいろな技術が詰まっているのでしょうね。

【関連事項】
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2011
 「光を使って、話をしよう!」(東北大学金属材料研究所 松岡研究室)

学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2010
 「光を使って、話をしよう!」(東北大学金属材料研究所 松岡研究室)

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いろいろな最先端研究がたくさん紹介されています

このほかにも、いろいろな最先端研究がたくさん紹介されています。
(理系出身なのに)これまであまり科学にリンクがかからなかった私ですが、
いろいろな人に取材したり、体験したりしていくと、いろいろなことが
リンクしてきて、自然とおもしろく感じられるようになってきました。
最近はノーベル賞発表にもドキドキ。それがちょっと新鮮な感じです。

なお、片平まつりは9日も開催しています。お天気も良いようですし、
ご興味のある方は、ピクニック気分で出かけてみてはいかがでしょうか。
なお、内容など詳細は、「片平まつり」のホームページをご参照ください。

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