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記者・大草芳江が活動をつづります

2011年6月27日

河北新報エッセー連載(第6回)「好きになっちゃったんだよ」

カテゴリ:弊社取組み

このたび、河北新報「まちかどエッセー」連載(夕刊・隔週月曜日・全6回)を、
担当させていただいております。今回で第6回目、いよいよ最終回となります。

第6回にわたって執筆させていただいたエッセー連載の共通テーマは、
「科学って、そもそもなんだろう?」でした。

エッセーには、これまで私が取材をさせていただいた科学者たちにも登場していただき、
いろいろな角度から、「科学って、そもそもなんだろう?」を表現することを目指しました。

第1回 「科学と私」 
第2回 「この世とあの世の間に」   (仙台市天文台長で天文学者の土佐誠さん)
第3回 「クズか宝石か」         (東北工業大学長で物理学者の沢田康次さん)
第4回 「お腹が減って仕方ない」   (東北学院大学長で工学者の星宮望さん)
第5回 「心豊かな社会にむけて」 
第6回 「好きになっちゃったんだよ」  (元・東北大学総長で工学者の西澤潤一さん)

※第4回、第5回は近日中にWEB更新します。

そもそもエッセーの醍醐味は、自分が思うことを自由に書けることですが、
今回、その難しさや奥深さを、改めて痛感したエッセー連載となりました。

けれども、不格好でも、今の自分が本当に大切だと思うことを自由にまとめて、
河北新報さんに掲載していただいたことは、私にとって宝物になると思います。

このような貴重な機会を与えてくださった河北新報さんに、
この場を借りて、お礼申し上げます。どうもありがとうございました。

また、本当にいろいろな方から、「新聞のエッセー、読んだよ」とお声掛けいただき、
大変恐縮しております。エッセーを読んでいただいた皆さまに、感謝申し上げます。

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さてさて、最終回となる第6回は、半導体や光通信などの研究で、
世界的に有名な科学者の西澤潤一さんに登場していただきました。

西澤さんには、いつも科学だけでなく、歴史や文化・芸術まで、
幅広くお話いただくのですが、その中で、私の心に残った言葉
「好きになっちゃったんだよ」を中心に、今回まとめてみました。

エッセイ全文は下記の通りです。もしよろしければご覧ください。

「好きになっちゃったんだよ」  
(2011年6月27日付河北新報夕刊掲載)

 高校生のころ、試験のために社会科の教科書を隅から隅まで覚えた。試験では高得点を取れたが、今では自分でも不思議に思うくらい頭に残ってない。当時はそれが努力と思い込んでいた。

 大学生になって、スウェーデンの社会科の教科書を読んで衝撃を受けた。題目は「私たちの社会」。恥ずかしながら振り返ってみれば私は自分の社会を学んでいる自覚なしに、教科として切り離された社会を単に勉強していただけだったのだ。

 社会の中にいるのに、なぜ社会を実感して理解することができないのだろう。ならば逆に、そんな私が実感できる方法とは何かを考えることで、何か新しい価値をつくっていけないだろうか。そう思って起業し、さまざまな人に取材をする中で、心に残る言葉がある。その一つが「好きになっちゃったんだよ」という西澤潤一さんの言葉だ。

 半導体や光通信などの研究で世界的に有名な科学者の西澤さんは、「本当に〝良い〟と思える感性は、努力によって得られるものじゃない。本物を何度も見るうちに、ぱっと感じるものだよ」と語る。

 西澤さんは無類のモネファンとしても知られている。かつてパリのマルモッタン美術館でモネの「睡蓮」が上下逆さまであることを見抜き、現地の新聞に掲載されたこともあるほどだ。そんな西澤さんも初めからモネ好きだったわけではない。

 「フィラデルフィアの美術館にモネのエトルタの岩の絵があるのだよ。はじめはこんな絵になぜ皆は騒ぐのだろうと思ったの。でも3回目に見たとき、突然その絵の良さが分かったんだね。海の水が流れている感じが、ぱっと分かるようになった。だから、モネを好きになろうと努力して好きになったんじゃないんだよ。モネ、好きになっちゃったんだよ」

 そのために必要なのは本物に会うこと、それも1回だけでなく何度も見ることが大事と西澤さんは言う。「それは研究でも同じだね。一流の研究者に会って話を聞くうちに、研究の本質がようやく分かった気がしたよ」

 私も地に足をつけ自分の目で何度も見て、ぱっと本当に感じるものから一つ一つ形にしていきたい。努力のしどころはそこだと今は思っている。

大草芳江 (フィールド・アンド・ネットワーク取締役)

※今回のエッセーのもとになった取材インタビューはこちら
科学って、そもそもなんだろう?西澤潤一さんに聞く(第2弾):
「科学はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか」

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