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2017年 10月 22日 (日)
女子理系学生のホンネ座談会

女子理系学生のホンネ(3/9)

楽しさからつらさまで、包み隠さずリアルな女子理系学生の「今」を語る座談会。



流れて生きてきた。けれども今思えば、自分に合っていた。

― では、薬学研究科の原さん。これまでの経緯も含め、普段どのようなことをしているのか教えてください。

原:
私は二人みたいに考えないで、流れて流れて、生きてきたからなぁ。もともと実験しようと思って、研究室に残ったんだけど、ついていこうと思った先生が、なんと3ヶ月でいなくなっちゃって(笑)。予想外だったけど、大学院も推薦決まったし、「ま、いっか。」って感じで大学院に進学したんだ。でも今思えば、自分に合っていたなと思う。
倉澤:
今どんなことを研究しているの?
原:
セルフケアがテーマ。「疫学」が専門です。
丸山:
「えきがく」って、何?
原:
「疫学」って言うのは、ある地域の住民を追いかけてデータをとって、どういう病気になりやすいのか、どういう原因で病気になったのかを、長い時間をかけて追跡する学問なんだ。つまり、原因と結果の関係をさぐる学問なの。私の前に調査してきた人が気づいてきたデータを積み重ねていくから、先輩の残したデータを使うことができるし、後輩にもデータを残す。だからはじめた人の視点がよくないと、研究はつぶれてなくなっちゃうんだ。うちの研究室は、はじめた人の視点がよかったね。

― 研究と言うと、個人プレーのイメージがありますが、まさにチームプレイですね。

原:
人の協力なくしては、成立しない学問なんです。調査に協力してくれる地域の人、保健師や行政の人、専門外のことも扱うので他の研究室の協力も必要になります。だから、論文や学会では、最初に名前がでるところ(主著と共著)があるでしょ。あの名前の部分が、すごく長くなるの(※2)。言いか悪いかって言うのもあるけど、自分の名前も、他の人の研究に載せてもらえる(笑)。
丸山:
「謝辞」レベルじゃなくって、「共著」レベルでの協力が必要なんだね。
原:
それで「セルフケア」のうち、私は「家庭血圧の重要性」をテーマにしているの。

― 先日の科学イベント「サイエンス・エンジェル科学体験ひろば@仙台市博物館」でも、
 原さんは血圧をテーマにしたブースを担当されていましたね(写真)。


「サイエンス・エンジェル科学体験ひろば@仙台市博物館」で血圧を測る原さん。
イベントについてのニュース記事は こちら をご覧下さい。

原:
病院で血圧を測ると緊張してしまって、本来のその人の血圧よりも数値が高く出てしまう人がいるの。そういう人は、自宅でリラックスしているときに測るほうが正しい血圧が測れると考えられるようになったんだ。実際に、病院で測って血圧が高かった人と、家庭で測って血圧が高かった人とで、どちらが病気になっていたかというデータをとると、家庭血圧で血圧が高かった人の方が、病気になっていたことがわかったの。ってことは、家庭血圧は有効、ってことが言えるよね。


原さんのセミナー用パワーポイントより。病院で測った時、血圧が通常よりも高くなる「白衣効果」を説明するもの。

原:
でもこういうのって医者じゃないといけないのかな、って思っていたんだ。私、薬剤師だし。でも、週一回、薬剤師のアルバイトで患者さんと接してわかってきたことがあって。例えば、病院で処方されてた薬とドラッグストアで売られているサプリメントを一緒に飲んだら危険とか、ドラッグストアとかで自分で買う薬やサプリメントが安全なのかとか・・・そういうのってなかなか知られてないなと思って。
丸山:
確かに知らない!教えて~!!
原:
例えば、納豆や緑黄色野菜の中にはビタミンKが入っているから、血液凝固防止薬の作用を弱めるし、グレープフルーツは高血圧や狭心症の治療薬の作用を強めることがわかっているの。だから、サプリメントが飲んでいる薬の作用を強めたり弱めたりと,思わぬトラブルの起こるケースもあるんだよ。
一同:知らなかった!ためになるね~
原:
なかなか知られていない危険性まで、情報提供が必要だな、って患者さんと接していてわかったの。こういう生の情報を、臨床で見つけてくるのは大切だなぁって思って。よく臨床の人は「研究者は何もわかってない!」って言うけど、臨床じゃないと駄目だとか、研究じゃないと駄目だって言いたくない。その間に立てる研究者になりたいな、って思って。これってまさに、医者じゃなくて、薬剤師の仕事だよね。


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