【九州出張】日本物理学会にて取組みを発表しました&熊本グルメ紹介
日本物理学会2009年秋季大会(09/25-28)発表のため、熊本大学を訪れています。
日本物理学会は、会員数は約2万人と、日本最大規模の学会。
自然科学の学会として、日本で最初に創立された学会で、
素粒子・核物理・宇宙線などの6領域と、物性を中心とした13の領域があり、
比較的早い段階から、科学と社会の接点について議論する領域(領域13)があります。
natural science では、弊社取組みを対象化し、学術界での位置づけを再認識しようと、
2007年秋季大会から毎年、日本物理学会領域13にて講演や論文等で発表を行っています。
今年は、「産学官による地域連携型科学イベント『学都仙台・宮城サイエンスデイ』の試み」
と題して、「学都仙台・宮城サイエンスデイ」の実践を通して、「科学コミュニケーション」に
関して感じたことを提案としてまとめ、講演してきました。
私が講演した28日の領域13は、前半が科学コミュニケーション等の実践報告、
後半が国際物理オリンピック等の報告、という構成になっていたようです。
先日、『宮城の新聞』で取材をさせていただいた、物理学者と哲学者の討論会にて、
司会を務めていた横山さん(広報・科学コミュニケーション研究者、東京大学准教授)や、
その関係者の皆さんの発表も同じ時間帯にありました。
◇文理の垣根超え、物理学者と哲学者が議論 東北大で討論会
私の詳しい発表内容は、natural science 学会報告ページに掲載しておりますが、
そもそも感じることは【各人各様】であることを前提とした科学コミュニケーションのあり方が、
科学のスタンスそのものを伝えるものになるのではないか、という趣旨で発表を行いました。
発表スキルに課題はあったものの、感じることは【各人各様】であることを前提とした
科学コミュニケーションの提案に対して、会場からは共感の声をいただきました。
昨今、様々な団体により様々な科学コミュニケーションが実践されていますが、
「やることに意義あり」のフェーズから、「やったことの意味」を問われるフェーズに
移りつつあることを実感。ここ5年の変化の大きさを、肌身で感じます。
ここからは、熊本で初めて知った熊本グルメのご紹介です。
まず熊本には、「熊本ラーメン」なるものがあります。
豚骨系のスープに、博多ラーメンよりも太くてコシが強い麺。
にんにくを揚げた油や、チップ状の揚げにんにくが入っています。
熊本在住でラーメン好きの知人イチオシの「黒亭」のラーメンは、
見た目よりも意外とあっさり。これで560円と大変リーズナブル。
こちらは別の日に偶然入った「山水亭」の「山水亭ラーメン(550円)」です。
ラーメン1杯完食も厳しい昨今の私ですが、意外とペロリと食べられました。
これを食べられる熊本県民は幸せだと思います。
こちらは、熊本県伝統の和菓子「いきなり団子」です。
輪切りにした生のサツマイモと餡を、小麦粉で包んで蒸したもの。
素朴な味わいが、意外と癖になりそうです。
こちらは、熊本で売られていた魚たちです。
東北で見る魚たちと、随分種類が異なることに、改めて驚きました。
熊本と言うと、焼酎のイメージが強かったのですが、
熊本市内で開発された「協会9号(熊本酵母)」という酵母が、
全国の大半の蔵元で使われていると聞き、日本酒の蔵元も訪問してきました。
近年の吟醸造りのベースをつくったのがこの「協会9号(熊本酵母)」であり、
一昔前は、「鑑評会で金賞をとるためにはYK35でないと駄目だ」、
(Y=お米は山田錦、K=酵母は協会9号、35=精米歩合は35%)とまで言われていたそう。
試飲したお酒は、お米が馴染みの山田錦だったので比較しやすく、
熊本酵母の感想としては、華やかな香りの高さが印象的でした。
もちろん酵母も生き物なので、合う土地・合わない土地があるかと思いますが、
それでも全国各地で適応し、かつ多くの人に「美味」と受け入れられることは、
なかなか確率的にもないことですし、それをつくることはとてもすごいことだと思います。
その一方で、私が日頃いただいている宮城の日本酒を見てみると、
宮城酵母、宮城マイ酵母、宮城B酵母・・・と、宮城ならではの酵母をよく見かけます。
また最近は、酵母だけでなくお米も地産地消にこだわる蔵元さん達の姿をよく見かけます。
(酒造好適米だけでなく、ササニシキなどの飯米に挑戦する蔵元さんもいらっしゃいます)
県単位で酒を良くしていこう、と独自で酵母や酒米を開発する動きは、
ここ約20年の動きなのだそう。
いつでも・どこでも・何でも手に入れられるように感じる成熟型社会で生きているからこそ、
今だけ・ここだけで・これしか手に入らないものに対する価値は相対的に高まっています。
それぞれがそもそもは違うという前提で、それぞれの特性を活かし多様化していく流れが、
様々な分野で起こっているのだなぁと、改めて感じた九州出張でした。
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