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2017年 10月 18日 (水)

仙台二高「北陵祭」vs仙台一高「壱高祭」文化祭宣伝合戦2015 取材・写真・文/大草芳江

2015年8月15日公開

文化祭から見える高校生の「今」
~ 文化祭宣伝合戦2015 ~
(仙台一高vs仙台二高)

~「教育ってそもそもなんだろう?」を探るべく【教育】に関する様々な人々をインタビュー~

 今年も「宮城の新聞」に取材依頼が舞い込んだ。依頼主は仙台二高の文化祭実行委員会。今年も、仙台一高の文化祭実行委員会と、熱い宣伝合戦を繰り広げたいと言う。

 文化祭は、生徒達が日頃の学習成果を総合的に生かす場であり、校風を肌身で感じたり、今後の方向性を垣間見ることができる好機でもある。「宮城の新聞」では、創刊年の2008年から文化祭を取材している。

 そもそも高校生の彼ら・彼女らは一体何にリアリティを感じて活動しているのだろうか。文化祭の舞台裏から見える、高校生の「今」を探った。

【開催日時】
第58回仙台一高「壱高祭」(8月29日(土)、30日(日)、31日(月))
第67回仙台二高「北陵祭」(8月28日(金)、29日(土)、30日(日))

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文化祭実行委員会(仙台一高、仙台二高)の皆さんに聞く


主体的な活動に魅力

―まず、なぜそもそも皆さんは文化祭実行委員になろうと思ったのですか?

仙台二高 vs 仙台一高の文化祭実行委員会による宣伝合戦のようす=仙台二高にて

◆壱高祭のために入学

①高橋優志さん
(仙台一高3年、第58代壱高祭実行委員長)
壱高祭のために、一高に入ったから。

②大友沙紀さん
(仙台一高2年、宣伝広報部長)
学校で一番楽しそうな委員会が
壱高祭実行委員会だったから。

③百井綾菜さん(仙台一高2年、宣伝広報副部長)
兄が一高生。小学生の頃に壱高祭を見て、
その頃から一高に入りたいと思ったから。

◆兄弟や先輩の影響を受けて

①姉崎託巳さん(仙台二高3年、第67代北陵祭実行委員長)
姉が北陵祭実行委員だったのがきっかけ。
「自主・自律」の精神で生徒が主体的に
文化祭をつくることに惹かれたから。

②針生栞さん(仙台二高3年、企画局長)
第64代北陵祭実行委員長だった兄が、
黒法被で振り返った姿が格好良かったから。
また、一つ上の先輩に憧れて企画局長になった。

③山田啓喜さん(仙台二高2年、副実行委員長)
北陵祭実行委員会には興味本位で入ったら、
今の委員長に「副実行委員長をやってくれ」
と泣きつかれたから(笑)。

◆自分たちでやりたいことをできる

― 一高の皆さんは「壱高祭のために一高に入った」人が多いようですが、志望動機になるほどの壱高祭の魅力とは何ですか?

仙台一高・第58代壱高祭実行委員会の皆さん

②大友さん(一高)
先生の手を介さずに、全て生徒で
企画・運営をするのが壱高祭の魅力。
「クラスから壱高祭実行委員◯人」
すら決まってない。
生徒にやりたい意思がなければ、
壱高祭の開催自体ができない。
最悪の事態まで想定して生徒自ら考え動く。
高校生感覚ではできないところが、
大変だけど、おもしろいところ。

③百井さん(一高)
私のクラスで実行委員は私だけだが、
隣のクラスには実行委員が6人いる。
先生は全く関わらずに生徒主体。
何かに縛られずに、自分が本当に
やりたいことをやれるのがよいところ。

①高橋さん(一高)
自分たちがやりたいことができるのが魅力。
中学校の時に文化祭実行委員長をやった時は、
例えば「スタッフTシャツをつくりたい」
と言っても、即ダメだった。
一高には、先生に行く前に生徒同士で考えて、
「だったら、こうしたらいいんじゃない?」
と言い合える環境がある。
一高生はユニークな人が多いから、
考えていることはおもしろいし、
アイディアもぶっとんでいる。
例えば、「仙台駅のアドビジョンに
壱高祭のポスターを出したい」と言った人は、
企画書を出して、仙台市にも話を通した。
やりたいことをできる環境にあるのが、
壱高祭の一番の魅力だと思う。

―二高さんの共通項として兄弟や先輩の影響が大きいようですが、
 どのような点に魅力を感じたのですか?

仙台二高・第67代北陵祭実行委員会の皆さん

①姉崎さん(二高)
生徒が主体的に企画・運営するのは、
二高の「自主・自律」も同じ。
先生が何かしてくれるのではなく、
生徒が一から、企画から場所取りまでやる。
中学生の頃は先生が用意したことをやる感じ。
でも、僕はそういうことが好きではなかった。
自分たちでつくれるのが、一番おもしろい。

②針生さん(二高)
一般のお客さんのみならず、二高生にも
楽しんでもらえるよう、一日一日が勝負。
夏休み中も、朝から晩までハードな毎日。
でも去年、お客さんが講堂いっぱいに
なったのを見て、大きな達成感があった。
大変だけど、楽しいから、続けている。

③山田さん(二高)
「自主・自律」のモットーで、自分たちで
企業や大人の人たちとやり取りをしている。
広報は地道な作業だが、集客数に一番かかわる仕事。
その一翼を担える点に、やりがいを感じている。


そもそも主体性とは?

―主体性に一番の魅力を感じている点が皆さん共通ですね。
 そもそも皆さんが考える「主体性」とは何でしょうか?

①高橋さん(一高)
仕事には「ビジネス」と「ワーク」の2つがある。
実行委員はお金が出ない仕事なので、
ビジネスではなくワークだと考えている。
一高の場合、クラスで実行委員の
人数制限もなく、やりたい人が集まる。
お金にもならないし高校生活の夏も潰すし、
それで得られるのは自分の達成感のみで、
周囲から少し「良かったね」と言われるだけ。
けれども、なぜそれでもやるかと言えば、
やりたい気持ちがあるから。
自分の場合、「夢」とは、つまり「自分がやりたいこと」。
一般的に「夢」と言うと、職業的な夢だととらわれがちだが、
「自分のやりたいことをやれ」と、後輩にはいつも言っている。
後輩も、やりたいことをやるから、何とか汗を流してやっている。
主体性に欠ければ、やりたくないから、やらされる強制になる。
「自分がやりたいこと」を見つけることは難しいけれども、
見つけた後、自分がどう動くかが、すごく大事と思う。
見つけたら、突っ走って、やりたいことをやっていく。
それを自分たちでやってみよう、ということだと思う。

②大友さん(一高)
高2の夏を潰してまで、なぜ私こんなこと、
やっているのだろう?と思うことがある。
けれども、壱高祭が好き。
自分が放棄したら壱高祭を開催できない。
自分が壱高祭を好きだから、壱高祭を
自分が動かせていること自体が嬉しい。
自分がやったことが形になることが嬉しい。

③百井さん(一高)
一高が好きなので、一高に入った。
一高が好きなので、一高の人間として、
一高のイベントに携われることが、とても嬉しい。
大変なこともあるが、努力した分だけ、達成感を得られる。
中学校の時は、やることを決められていて、
やりたいことができないので、あまりおもしろくない。
正直、中学校生活は、記憶に残っていない。

①姉崎さん(二高)
主体性とは、自発的にやることだと思う。
自発的にやれる環境がある中で、
一度、その達成感を味わったら、
次の人も、次の年も、自分からやりたいと思える。
そんな環境にあるから私達は、
主体的に文化祭をつくりたい。

②針生さん(二高)
二高生からの声に応えて新しく企画した「青弐祭(あおにさい)」。
新企画立ち上げの際、先生向けに提案資料を作成する必要があるが、
まともな資料をつくらないと、話を聞いてもらえない。
どうすれば理解して認めてもらえるか、試行錯誤しながら学んだ。

③山田さん(二高)
中学校の先生が、「人間には二つの快楽がある」と教えてくれた。
美味しいご飯を食べたりするのが、一時快楽。
勉強やスポーツで良い点数をとるのが、二次快楽。
「こんなことやりたいな」と想像することは楽しいが、
それはまだ一時快楽の段階だと思う。
文化祭は、実現までの辛くて忙しい準備時期を乗り越えて、
はじめて得られる達成感がある。それが二次快楽。
その達成感を知らなければ、主体性は育まれないと思う。


壱高祭PR

―それでは、宣伝合戦ということで、各文化祭のPRポイントを教えてください。

②大友さん(一高)
・壱高祭一番人気は「WATERBOYZ&GIRLZ」。
 8月29日(土)1日4回講演。

・「Mr.壱高」と「Ms.壱高」も人気。
 3,000人規模の集客力がある一大イベント「夜祭」にて開催。
 「初夜祭」は、下ネタ無しの純粋な笑い。Mr.壱高は初夜祭で実施。
 「中夜祭」は、女子高生や子どもは気をつけて。Ms.壱高は中夜祭で実施。

・二高が宮一(宮城第一高等学校)とコラボするのに対抗し、
 一高も二華(仙台二華高等学校)との合同企画を行う。
 文化祭の日程が重複しているため、
 お互いの学校に行って宣伝合戦を行う。
 二華生に会いたい人も、ぜひ一高へ。
 それと、一高と二華をつなぐ一般道路
 「むにゃむにゃ通り」を夜祭中に清掃する。

壱高祭「ステージ」リハーサルの様子

①高橋さん(一高)
・昨年からライブハウス顔負けの「ステージ」あり。
 500人収容教室に、生徒たちで200台の机を運び、
 音響照明等も生徒で仕込み、スモークも焚く。
 今年は全24組、3日間ぶっ続けでステージあり。
 ライブのほか、カラオケ大会「壱オケ」を行う。

・部活や有志団体による"出展団体"。
 パイ投げやもぐらたたき等、色々な出展がある。

②大友さん(一高)
・何に対しても企画があるのが壱高祭。

・今年は、北門と駐輪場にもゲートをつくり、入口は3つ。
 どの門から入っても良いし、門巡りも楽しんでもらえる。

AR対応の壱高祭ポスター

・今年初の取組みとしてポスター等がAR対応。
 ポスター等を専用無料アプリで読み込むと、
 可愛らしい赤パンダが動画再生される。
 発案したのも動画を作成したのも生徒。
 東北一のボリュームと謳うパンフレット
 (44ページ全カラー)も全て生徒の手作り。
 来場者数は東北でだいたい一番(最大級)。
 3日間で7,800人超えの集客力を誇る。

・「茶畑大抽選会」あり。50円で1個スタンプ。
 10個貯まると、空くじなしの福引ができる。
 グッズのデザインから発注まで生徒自ら行う。
 特賞は来てのお楽しみ。

・一般展示団体の一番を決めてもらう「壱流店」。
 パンフレットに1枚ずつ投票券が付属されている。

・今年のテーマは和風のため、グッズやゲートも
 和風テイスト。グッズのデザインは9種類で販売。

今年の壱高祭グッズ


北陵祭PR

過去の仙台二高「ミス二高」のようす

②針生さん(二高)
・メイン企画が、8月29日(土)の講堂企画
 「ミス二高」(男子学生による女装)。
 如何に決められた時間内で
 良いパフォーマンスをするかを競い合い、
 先生方に審査をしていただく。
 今年はさらに「青弐祭」でミス二高を行い、
 生徒審査で、総合優勝を決めるのが新しい。
 ミス二高の宮一でのパフォーマンスも、
 8月29日(土)に交換企画として行う。

・8月30日(日)に宮一ジャズダンス部との交換企画もあり。
 土日の書道パフォーマンスも人気。間近に見られる。

・前夜祭が8月28日(金)14時から17時半まで行われる。
 例年は講堂での開催だったが、今年は北陵館で開催。
 誰もが知っている曲を選曲いただいた。

・土日の講堂企画「猛者二高」は知力・体力・センスを競う企画。
 今年から「恋愛メール対決」と「クイズ対決」の二つに分ける。
 恋愛メール対決とは女子からのメール返信内容を考える対決。
 これまでは、告白メールや修羅場メール等がお題だった。
 今年も癖あるシチュエーションにする予定。
 クイズ対決は一般のお客さんにも参加してもらえる。
 ファイナルの対決相手が当日に発表されるお楽しみもあり。
 他には、生徒による持込企画があったり、漫才があったり。
 今年は、例年の良い点を引き継ぎながら新しいものをやる、
 少し変わった講堂企画になると思う。

・うちの出展団体数は約60。教室が足りなくなるくらい増えた。
 例年はお腹にたまらない食物だったが、今年はご飯物が増えた。
 パンケーキもあるし、お化け屋敷もある。
 文化部も力を入れており、プラネタリウムや実験見学もある。
 中庭で行われる応援団の演舞も毎年人気。

・パンフレットの裏表紙にパッチンリレーあり。
 景品で缶バッジ進呈。去年も人気で今年も行う。

・今年の北陵祭テーマ「It's a NIKO world 今ないものを明日の世界に」
 に合わせ、NIKO worldへの入口となるモニュメントを夏休み中に製作中。
 小さな子どもから「モニュメントは、くぐれるのが良い」との
 アンケート結果を受けて、くぐれるモニュメントにしている。
 このように北陵祭は客層が広く、子どもから年配の方まで
 どの年配の方にも楽しんでいただける。

今年の北陵祭記念品(フェイスタオル)

・毎年、記念品の販売も人気。
 うちわとフェイスタオルと
 クリアファイルを販売。
 もちろんデザインは二高生。

・「ベストオブ参加団体」を
 アンケートに記入いただく。
 食品団体と非食品団体に分けて
 各トップを決める。
 結果は、生徒だけのエンディングセレモニーで発表。
 この制度のおかげで生徒のやる気も高く、
 毎年ベストオブ参加団体を目指す団体が多い。


文化祭を通じて校風を体感して

―最後にメッセージをお願いします。

壱高祭ポスター

①高橋さん(一高)
今年の壱高祭テーマは、
「学」でなく「楽」を求むるも一興なり。
壱高祭は、普通の勉強とは違う、異空間。
もちろん頭を使う部分もあるが、それだけでなく、
勉強とは離れた、楽しさを求めたい。
一興とは一高とも読ませられる。
出展団体や夜祭、ステージと、企画盛り沢山。
テーマに沿った装飾や展示もある。
色々な場所に目を向けながら、ぜひ3日間を楽しんで。

北陵祭ポスター

①姉崎さん(二高)
「 It's a NIKO world! 今ないものを明日の世界に」
二高独自の世界を表現して外部発信することが
今年の北陵祭テーマ。
基本的に文化祭は、文化部の発表の場という
意味合いが強いが、それだけでなく、
二高を地域の人や遠くから来てもらった人に
知ってもらう広報の意味合いも含まれている。
二高の雰囲気を味わってもらうと同時に、
二高生がどんな活動をしているか、
ぜひ感じ取ってもらいたい。

―皆さん、本日はありがとうございました

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