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2017年 11月 21日 (火)

文化祭から見える高校の「今」(4/4)~宮城一高「秋桜祭」編~




秋桜祭「"驚愕"ASTONISHMENT~B&Gの提供でお送りします~」

 2008年度からの男女共学化に伴う校名変更を受け、一女改め「宮城一高」としてはじめての文化祭を迎えた宮城県宮城第一高等学校(仙台市青葉区八幡、黒川利司校長)。


08年度「秋桜祭」パンフレット

 9月6日(土)、7日(日)両日開催された「秋桜祭」の今年のテーマは、「"驚愕"ASTONISHMENT~B&Gの提供でお送りします~」。環境の変化をものともせず、「共学」化によって生まれ変わり、更にパワーを増した宮一生の「驚愕」を来場者へ届けようと、このテーマを選んだという。

 「自主自律」の校風が、どのような個性とパワーを生み出すのか。文化祭実行委員長に聞いた。


生徒から見える「自主自律」の校風

秋桜祭実行委員長の皆さん

 「皆頭が良く、主張があるので、それぞれの要求もバラバラ。それをひとつにまとめるのが大変でした」と振り返るのは、秋桜祭実行委員長の植田さん。「けれども、それが面白かったですね」と笑顔を見せた。

 同校の文化祭は、実行委員会を中心とした生徒の自主的な活動によって運営されている。「先生たちはノータッチで、自分たちだけで運営します。実行委員を通して、組織として動いていることを痛感しました」と話す。

 例えば、会場設営で、ある団体が椅子の数を増やして欲しいと要望した。しかし、その要望に実行委員が応えると、他の場面で椅子の数が足りなくなるケースが出てきた。

 「少人数であれば自分達で調整できることも、組織を自分達だけで動かすことは大変だ」。たとえ仲の良い間柄でも、規律をつくり、公平に接しなければ、全体としては上手く動かすことができない。

 そこで実行委員では、ルールを設け、本人の希望に沿いつつ、制限をつくることにした。ルール設定は容易ではなかったが、全体をまとめることができた。

 一方、要望をとりまとめ、その実現を働きかけたケースもある。これまでの秋桜祭では、食品の調理加工は認められていなかった。しかし生徒からの要望を受け、実行委員らが教員らに交渉し、今年からは調理部のみ、食品の調理加工が可能となっている。

 同校では、学校行事などの特別活動や部活動も、各教科の学習と同様に大切なものとして位置づけている。互いに切磋琢磨し共感し合いながら、知識の啓発に取り組むと同時に、豊かな情操を培い、強い意志を持った個性豊かな人間性を養うことも重要であると考えるからだ。

 「自主自律」の校風の下、「秋桜祭」の他にも、「歌合戦」、春と秋の「体育大会」、「夏季研修」など、生徒主体の行事が年間を通じて展開されている。

当日は、「歌合戦」のビデオ上映も行われた

 特に7月下旬に行われる「歌合戦」は、同校最大級の祭典であり、最も「宮城一高らしさ」を感じられる行事だ。「歌合戦」と言っても単なる合唱コンクールではない。歌・踊り・衣装・背景・小道具すべてを生徒達が企画立案。教員は審査員として参加するのみ。この歌合戦を経て、1年生は本当の「宮一高生」になるといっても過言ではないと言う。


「歌合戦」でつくられた背景も当日、展示された

 「宮城一高は進学校なのに、皆、行事に熱を入れています。でも行事があるから勉強はいいや、とはならない。文武両道、才色兼備、各方面にすごいと思える人が、たくさんいます。だから自分も頑張ろう、という気持ちになります」と話す植田さん。

 「入学したばかりの頃は、特に何も思いませんでした。けれども行事を重ね、色々な人と出会っていくうちに、とてもいい学校だと思うようになりました。うちの学校は、来て得るものが大きい。人間的な成長を実感しています」と、植田さんは同校の印象を語る。

 宮城一高には、制服も校則もない。「けれども校則がないから好き勝手にやって良い、というわけではありません。倫理観を常に問われます。礼儀は自然と身についてきますね」

実行委員会がデザインした秋桜祭ハッピと旗

 今春、男女共学となった宮城一高には、初めて男子生徒25人が入学。「男子が入ってきても、校風はあまり変わりませんでした。部活で男子との体力差を見て、皆頑張ろうと思っています。宮城一高らしさは引き継がれています。今後どのように変化していくか、楽しみですね」と語った。

 「自主自律」の精神は、宮城一高で確かに根付いているようだった。


ダンスは自己表現のひとつ

 秋桜祭では、県下でも数少ない管弦楽部、箏曲(そうきょく:琴のこと)部、軽音楽部などの演奏や、ジャズダンス部の発表などが2日間にわたり行われた。




 特にユニークなのが、部員数57名を誇るジャズダンス部の発表だ。これまでの練習の成果を発揮し、精一杯の自己表現が観客を魅了した。その中でも、ひときわ大きな声援を受け注目されていたジャズダンス部2年生にインタビューした。

 主なやりとりは、以下のとおり。

― 観客を魅了するダンスが印象的でしたが、昔からダンスをやっていたのですか?

「飾らないで表現することが大切」

 ダンスは高校からはじめました。中2の頃、一女にジャズダンス部があることを知り、ジャズダンス部に入りたくて一女を選びました。

― 様々なジャンルのダンスがあり、見ていて飽きませんでした。振り付けなどは講師の方から教えて頂いているのですか?

 今年からオープニングの振り付けだけは、講師(一女OG)に携わって頂きました。けれども他は全部、自分たちでビデオなどを見ながら研究し、自分たちが踊りたいというものを自分たちでつくっています。

― 宮城一高・名物の「歌合戦」では、ジャズダンス部が踊りの振り付けを担当する場合が多いのですか?

 ジャズダンス部以外の生徒が担当する場合もありますが、ジャズダンス部が担当する場合は多いですね。けれども皆嫌がることなく、皆に喜んでもらえるようにと、一生懸命振り付けを考えています。

― 踊るとき、常に心掛けていることはありますか?

 お客さんに見せるのが大前提。お客さんに楽しんでもらうためには、自分でも楽しむことが大切。そのためには協力が必要です。

― 協力とは、具体的にどのようなことですか?

 チーム内にいざこざがあると、まとまらないという経験をしたことがあります。心をひとつにしないと、良い作品にはならないのです。

― ダンスの魅力とは、何ですか?

 恥ずかしがり屋でも、自分を見てもらえることです。ダンスには言葉がないけれども、「自分をもっと知って」と思いながら、皆踊っているのではないでしょうか。そのためには、飾らないで表現すること。つまり、自分が本当に思っていることをストレートに出すことが大切だと思っています。

― 恥ずかしくて、自分を出せない場合もあるのでは?

 最初は恥ずかしいと、誰でも思います。けれども恥ずかしくてもいいから、自分の中で少しずつ続けていくと、自然と楽しいと思うようになります。まずは触れることからはじめて、自分も楽しむことで、自然と体も大きく動いていきます。

― 自己表現としてのダンスだからこそ、観客を魅了するのだということが、よく伝わってきました。どうも有り難うございました。

 有難うございました。頑張ります。



取材先: 宮城一高      (タグ: ,

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