ネギから根がでてきました。
うどんを食べようと、ネギを切ろうとしたら、
なんと、
根っことは反対側から、根が生えていました。
しかもよく見てみると、内側から根が出てきています。
そこで皮をむいてみると…
このように、自分の皮の内側で、根が伸びてきていました!
ちなみに本来根だった部分はどうかといいますと、
このように、途中までは普通に生えてきた形跡があります。
ついつい嬉しくなってしまって、これらの現象について、
毎週土曜日にディスカッションしている研究者たちと、
どうしてこうなったのかをあれこれと考えていました。
まず、反対側から根が生えていた理由については、
上下逆にして保存していたため、重力に反応する何かによって、
重力方向に屈折したようだ、ということまではよく知られている事実。
(けれどもそのメカニズムについては、未だに解明されていないそうです)
そこである研究者が言いました。
「このネギは、わざわざ自分の体内を突き破って、根を生やしてきているのだ。面白い!」と。
途中まで出てきた根をそのまま伸ばして、
重力方向へ屈折していたのなら、外側に根が生えてきているはず。
わざわざ途中まで生えていた根を中断し、
自らの体を突き破ってまで、体内に根を生やした理由は何なのだろう?
う~んと考えていると、そこで例の研究者曰く、
「根は、水を非常に吸収しやすい性質がある。
ということは反対に、乾燥に弱いと言うこともできるよね。
だから根をこのまま伸ばしてしまうと、わざわざ乾燥させに行くことになるから、
湿った土が根のまわりにない場合は、比較的湿度の高い、
自分の体内で根を伸ばすことで、乾燥を避けているのでは?」
しかもさ、この切っちゃった根っこの部分、切らずに残して育ててみれば、
どういう風に地上部が育つのか非自明で、面白そうだったのに、もったいない!
と私を責める研究者。
う~ん、半分は納得がいくけども、
でも半分、どこか合理的じゃない印象があるなぁ…
と、その切っちゃった根っこの部分を観察してみると…
あ!よく見てみると、ネギの外側の部分から、
薄い皮 → 根のような細胞 → やや薄めの皮 → 半分根のような細胞 ・・・
というように、規則性を確認できませんか?
中心の芯部分と、それ以外の細胞って、
形も違うし、なんだか役割が違いそうですよね。
あれ、もしかするとネギって
地上部の細胞のうち、真ん中の芯みたいなところ以外の部分すべてが、
後々は、地上部(茎や葉や花)にも、地下部(根)にも、
どちらにもなれるような性質をもっているのかもしれません!
つまり環境の条件によって、一度地上部に分化したネギでも、
これからさらに地上部を伸ばして地上戦を勝ち抜くのか、
それともやっぱり根を広げて地下戦を勝ち抜くか、
トレードオフの関係で、どちらかの戦略を選んでいるのかも…
今回は、暗い冷蔵庫にずっと放置していたので、例えば暗さに反応して、
外側の細胞から順に、地上部の細胞が、根に分化していくようなスイッチが
入ったのかもしれません。
また本来のように土の中ならば、外側の薄皮が乾燥等で剥がれて、
根が外側に出くるのでしょうが、今回はラップを巻いていたこともあって、
外側の薄皮が乾燥して剥けるより早く、根の方が伸びていったような印象です。
ということはつまり、今回の「ネギから根がでてきた」事件、
根はネギの体内を突き抜いて伸びたのではなく、
単に地上部の細胞が根に分化した、というように考えることができるのでは…??
う~ん・・・
あ!!
うどん、茹でっぱなしだったっ!!
お鍋のお湯は、ぎりぎり残っていました…
よかった、よかった。
とりあえず、うどんは無事?!完成しました。
本日は、はっと風のうどんです。
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