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2017年 07月 20日 (木)

希望する企業・大学を訪問インタビュー 仙台二高でキャリア教育

2010年08月03日公開

 仙台市青葉区の仙台二高(庄司恒一校長、生徒958人)はこのほど、生徒らが希望する大学や企業に訪問しインタビューするキャリア教育を初めて実施した。

 訪問先の選択や依頼も生徒自身が行うもので、2年生316人は26日、訪問先を同じくする者でグループとなり、病院や放送局など約90の企業や大学を訪れた。

宮城県角田市にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)角田宇宙センターを訪問した生徒ら

 このうち、宮城県角田市にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)角田宇宙センターを訪問した6人は、緊張した面持ちで広報担当の景山やちよさんにあいさつ。

 ロケットエンジンの研究や開発試験を行う同センターの役割と活動について説明を受けた後、宇宙から地球に再突入する時の条件を地球上でつくり出すことができる試験設備「高温衝撃風洞」を見学した。

試験設備「高温衝撃風洞」で研究者の話を聞く生徒ら

 全長約80メートルと世界最大を誇る高温衝撃風洞で生徒らを出迎えた研究員の佐藤和雄さんは、実物やパネルなどを見せながら、研究者の仕事を紹介。宇宙から地球に帰還した機体が大気圏に再突入する際の条件を、地上でどのように試験するかなどについて佐藤さんが説明すると、生徒らはメモを取りながら興味深そうに設備をのぞき込んでいた。

同高出身の研究者にインタビューを行う生徒ら

 続いて生徒らは、同高出身で同センター研究員の小野寺卓郎さんにインタビュー。「高校生の頃、夢中になっていたことは」「昔から宇宙に興味はあったか」「長期ビジョンは」「好きでなければできない仕事か」などといった質問を次々と投げかけた。

 小野寺さんは「将来こうなりたいと明確に決めていたわけではなく、宇宙関係に興味があった」と進路選択の動機を紹介。さらに就職についても「JAXA全体の方針として定員は減っているが、強い希望があれば(JAXAに)入れるだろう」とアドバイスした。

 最後に小野寺さんは「そもそも興味を持たなければ、(希望する大学や企業などに)入るにも入れず、たとえ入れたとしても、入ってからが続かない。やはり興味を持つことが大事で、それがすべてと言っても過言ではない」と語った。

 班長の大泉周平君は「念願だったJAXAを訪問でき夢のようだった。中には(仕事を)好きでやっていない人もいるのではと想像していたが、実際に職員の方々と触れ合ってみると、皆、仕事を楽しそうに語っていた」と嬉しそうに話した。

 大泉君は「今、将来の夢は漠然としているが、最初からできないと決めつけるのではなく、将来を肯定的にとらえようと思った。自分が興味を持っていることなのだから、できるところまで突き詰めていけば、自分のなりたい将来が見えてくると思う」と話していた。


◆内発的な動機付け高める (進路指導部の若林春日さん)

仙台二高進路指導部の若林春日さん

 大学の先にあるものに直接触れることで、大学の選び方や、大学で学ぶ姿勢も変わってくる。この行事を通じて、学ぶことの内発的な動機付けを高めることがねらいだ。

 普通科の進学校でキャリア教育を行うことに、必要性を問う議論もある。しかしキャリア教育は、自分の人生をどう切り開いていくかの方策。将来の人生のバリエーションを幅広く見せておくことは、若ければ若いほど良いはずだ。本来、次世代を担う子ども達は学校教育と社会教育の両面で育てていくものなので、このような機会は重要と考えている。

 今回の訪問先はすべて生徒が自主的に選んだ。生徒自身が電話で依頼を行い、訪問先を決定した。大人扱いの訪問インタビューを経験することで、これまで見えていなかった世界が見えるようになる生徒もいるはずだ。一方で、実際に訪問して「イメージと違った」と思った生徒もいるだろう。それもひとつの大きな経験で、確実に生徒の成長につながっている。それが本来の意味での進路指導だと思う。

 今回、これまで高校生を受け入れたことのない企業にも訪問させていただいた。この行事を行うことができたのも、引き受けていただいた企業の方々のおかげであり本当に感謝している。


◆本物に触れ「夢」を「志」に (校長の庄司恒一さん)

仙台二高校長の庄司恒一さん

 二高生には、視野をより広げてものを考えて欲しい。大学進学にしても、大学の先にあるものを見据えた上で選んでもらいたい。そのためには、生徒らが本物に触れることが大切だ。

 現場の第一線で活躍する人の話は、たとえ我々が日頃話す内容とそう変わらなくとも、やはりインパクトが違う。様々な体験をすることで、生徒の「夢」がより現実で確かな「志」となることを願っている。

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