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2017年 07月 20日 (木)

今年の北陵祭 「裏」からの見どころとは




今年の北陵祭 「裏」からの見どころとは

皆、全力でやっている。どんな小さなことでも、全力で。

―そんな皆さんがつくっている北陵祭ですが、
 「表」のプログラムからは見えてこない、「裏」のプロセスが見えると、
 北陵祭に訪れた方が、また違う楽しみ方をできるのではないかと考えます。
 本来「裏」の部分ではあるけれども、ここは見てもらいたい、力を入れている点は何ですか?

 基本的に実行委員は、トランシーバーを持っています。
 いつでも対応できるよう、各委員や本部、顧問の先生につながっている
 トランシーバーです。

 わからないことがあれば、担当の委員にすぐに聞いて、すばやく対策を立てたり。
 それでもわからないことがあれば、本部や顧問に連絡が行くようになっています。

 ちょっとしたミスであれば、すぐに修正できるよう、委員全員が対応できます。
 このように委員がしっかり動いているところは、気づかない頑張りポイントでは(笑)

昨年の取材では、トランシーバー片手に走りまわる実行委員の皆さんの姿が印象的でした。
 (※昨年の取材結果はこちらの特集『文化祭から見える高校の今』をご覧下さい)
 そもそも想定から「ずれた」ことが認識できるのも、事前に筋書きを把握できているからですよね。

 局の人なら、ちょっとずれたくらいなら、すぐに修正できる能力を持っています。
 すると、誰に聞けば返してくれるということが予めわかっているので、対応できます。

 3年間やっていると、ある程度ずれることはわかるので。
 専門の人間は、きちんと対策を立てています。

 スペシャリスト化しているもんね、この辺は。

 皆、全力でやっています。
 どんなに小さなことでも、全力で。

―北陵祭の企画運営のすべてを統括する北陵祭実行委員は、全学年あわせて約100名の巨大組織。
 その業務内容は多岐に渡るそうですが、具体的にはどのような組織体制になっているのですか?

 委員長、副委員長の下に、事務局、広報局、企画局、会場局の
 4局9部制で、それぞれに本部員と一般部員がいます。

 委員長は、基本的には全体把握をしています。
 けれども結構、皆に混じって仕事をしています。


企画局の「裏」:「猛者二高」を選び抜くための競技づくりに苦心

―では各局の「スペシャリスト」から、「裏」のプロセスを聞かせてください。
 まずは、企画局長の小平さんから、お願いします。

 夏休みに、話し合いで企画を考えるのですが、
 「全くすすまねー」とか、すごく悩みながらやっています。

 本部員と一般部員、一緒にやっているのですが、
 1年生の一般部員の方が、遠慮してなかなか意見を言わない。

 意見が出れば、それは素晴らしい意見だったりするのですが、
 そういうところをいろいろ頑張って、意見を交換し合って
 進めていくことを、企画ではやっています。

―今年の企画の進行状況はいかがですか?

 めどのようなものは、できています。
 「猛者二高」と「ミス二高」が、伝統行事でメインですね。
 他にも、合唱やギターなどの文化的な発表とか。いろいろあります。

 「猛者二高」は、仙台二高を冠するに相応しい二高生を選び抜くもの。
 選び抜くために、いろいろな競技を準備する必要があるのですが、
 企画ではそれを毎年考えています。

 去年なんかは、皆が想像しないものがポンと出てきて。
 すると皆が「え~っ」って驚いていて、すごく楽しかったですね。

―具体的には、どのような競技を行ったのですか?

 口で言うのは難しいのですが、毎年、縄跳びやクイズなどを。
 さらに昨年は、お題を出して絵を描いてもらって、
 美術の先生が「芸術的だ」と思う絵を描いた人が選ばれるとか。

 アイドルの格好をして、独身の先生に告白をしてNO1を決めるとか。
 会場に来てくださった女子高生に告白をしてNO1を決めるとか。

 他にも二高伝統の応援歌があるのですが、それを応援団の方に来てもらって、
 最後、どっちが素晴らしい応援歌かを、もちろん全部素晴らしいのですけど、
 猛者っぽい歌い方かを決めてもらう、という感じですね。

―知識だけではなく、人間としての総合力が問われる競技ですね。
 「告白をしてNO1」は、かなり総合的な能力が問われると思いますが(笑)
 いろいろな角度からどれだけ競技をつくれるかが、企画の腕の見せ所ですね。

 そうですね。
 それが企画局の毎年の課題ですね。

 そこでいろいろ試行錯誤して、「これ、いいんじゃない?」となっても、
 例えば安全面など、いろいろ考えなくてはいけないこともありますし。

 できては消え、できては消え、ですね。
 けれどもそれが「猛者二高」という競技としての形になっていくのです。

―今年、良い企画はできましたか?

 検討中ですが、猛者二高、今年は告白じゃないバージョンで考えています。
 それは来てからのお楽しみですね。

 毎年「ミス二高」も伝統行事として行っています。
 今年も、完成度の高いものが見れると思いますよ。

 参加団体を毎年募集していますが、毎年ある程度の数が集まってきます。
 出演者もやはり、すごくエネルギッシュな方ばかりです。
 二高にいる人には、そのようなパワーがあると感じています。

 そこに関しては、委員側が何も言わなくても、素晴らしいものができます。
 委員としては、そのお助けをする、といった感じです。


事務局の「裏」:「裏方の裏方」は、予算折衝まで担当

―次に、事務局長の西澤さんから、「裏」のプロセスを聞かせてください。

 事務局は、組織が固まりかけるくらいから、次の代に入る頃まで、
 ぎりぎりまで仕事をする、一番長いスパンで働く部署です。

 事務局で一番大きいのは、予算を全部管理する仕事。
 毎年、前期・後期で、生徒会と予算の折衝をするのも事務局の仕事です。

 北陵祭の予算は、生徒会の予算の中でも、大きなウエイトを占めます。
 大きな額を動かすので、きちんとした管理をするし、かなり責任があるところです。

 あとは、この仕事の進行状態はどうなっているのか。
 そのためには、いつお金を下ろす必要があるのか。
 そういうところもちゃんと見ながら、ちょいちょい声がけをしたり。
 目を置いておいて、気を配っていなければなりません。

 事務局には、表立った仕事はほとんどありませんが、
 裏方として、いかに他の部署を支えていくかが仕事だと思っています。

 裏方の裏方、と言いますか。
 本当に裏の部分を根っこからやるところが、一番大きいですね。

―自分たちで予算の管理まで行うと、ひとつひとつの仕事の前提や意味まで見えてきそうですね。

 毎年、「予算はこれくらいにしてくれ」という生徒会からの希望額があるのですが、
 各部署の部長から何が必要かを聞いて集めてくると、
 大体10万か20万はオーバーするんです。

 それをどうやって削るかを考えたり、先生と話し合いをしながら進めていきますが、
 そこでいかに自分たちの意思を生徒会に伝え、
 自分たちの思った通りの予算額を頂いてくるかは、
 むしろ、一年間で一番大きな仕事ではないでしょうか。

 そこで、どのような目的で予算を使うのかを、各部長からちゃんと聞いて、
 生徒会に事務局から伝えて、「こういうわけなんで、どうしても必要なんです」と。

 あまりにも仕事が込み入り過ぎて、事務局で対応できない場合は、
 専門の人が直談判します。

 そのように細かいところまで生徒でやるのは、他の学校にはあまりないかもしれません。
 その分、責任があります。

―自分たちのやっていることの前提や意味を捉えなおす、良い機会になりそうですね。

 生徒会予算の何分の一と、相当な額をいただいているので、
 生徒に対する責任もあるし、絶対に失敗できません。
 ひとつの部で数十万使うところもあります。責任があります。

 自由である分、責任が大きいのです。
 その分、何らかの形で全校生徒には還元しないといけないし、そうしているつもりです。

 文化祭をやることが我々実行委員の仕事ではなくて、
 生徒のやりたいことをサポートすることが、我々の仕事です。

 メインの仕事は、北陵祭の準備ですし。
 事前に仕事が終わった部は、当日は別の仕事に移ります。
 当日は自分の仕事じゃないことをやる場合も多いのです。
 そのような意味で、準備が大きな仕事ですね。
 いろいろやりたいことをやるにあたって、いざこざや、ややこしいことを解決したい。
 そのような仕事がメインです。


会場局の「裏」:安全確保や校内美化、地道に努める

―では次に、会場局長の伊藤さんから、「裏」のプロセスを聞かせてください。

 いろいろありますね。何でも屋さんです。
 当日は警備とか準備とか、本当に大変です。

 施設警備部は、当日楽しめないし、
 警備でただ突っ立っているだけみたいな人もいて大変なのですけど。
 けれどもそういう下の支えがあってこそで、大切な役割を担っています。

 他に、装飾整備部やモニュメント部があります。
 装飾も華やかにするために、前日からしっかり準備しておいて、
 当日はゴミの収集など、校内の美化にあたったり。
 生徒達やお客さんを楽しませるためにやっています。

 モニュメント部は特に大変で、夏休み中は毎日活動しています。
 設計も、一からやっています。
 後ろに建築の専門の人がいるわけではないので、
 最初から構造を学んで、設計していきます。

夏休み中に活動するモニュメント部のようす・1

夏休み中に活動するモニュメント部のようす・2


 新学期が始まる前の冬くらいから題材なりを決めて、設計をはじめ、
 問題が出れば、技師さんや先生と話し合って、考えたりします。

 校門には傾斜があるので、中に木を入れて傾かないようにしたりとか。
 そっちも、なかなか難しいです。

 一番は、安全が伴っていないと駄目なので。
 技師さんが組立てるときに上に乗るので、技師さんの安全確保をしたり。

 耐震強度の確認も、ちゃんとやります。
 よく揺らしています(笑)
 揺れがひどいと、技師さんに注意されます。


本部には、歴代のモニュメントを写した写真が貼られていた

―裏だから「見えないからいいや」ではなくて、
 それぞれが意味を見出して仕事をしているのですね。

 そうですね。
 モニュメントは、お客さんが一番最初に見るところ。
 それを如何にすごくできるかが、北陵祭自体の質を高めるので。

―今年のモニュメントのテーマは?

 今年は、春日大社です。赤くて綺麗な門をつくります。


広報局の「裏」 校内の意識高め、校外へも広く発信

―次に、広報局の「裏」を、副委員長で広報局の船田さんと田所さん、お願いします。

 広報部は、今回のようにメディアの方々への広報活動を行っています。
 今年はテレビ番組など、いろいろなところにアプローチしたいと思います。


校内に掲示されていた「今年のテーマ決定」のポスター

 外部に発信することも大切ですが、校内にいる生徒にも伝えなければなりません。
 そこで「北陵通信」を用いて、どのような仕事をやっているかを伝えたり、
 アンケートをとったりするなどして、できるだけ情報を伝えるようにしています。

 また、中高生の方にもたくさん来て欲しいと思っています。
 そこで学校まで出向いてビラを配布したり、街中でポスターを貼ったり。

 そういうことも全部、生徒の手でやっています。

―「北陵通信」は、どれくらいの頻度で出しているのですか?

 「北陵通信」は数年前からありましたが、これまで不定期だったものを、
 今年からは週1で、どんどん情報を提供し続けるようにしています。

 週1で出すのは結構しんどいのですが、校内でも「北陵祭が近づいてきたな」
 という意識を高めるためにも必要だと思います。
 教室などで皆が読んでくれているのを見ると、嬉しいし。
 関心を持ってもらえるので、やりがいを感じています。


 私も同じく広報局で、その中にある映像記録部を担当しています。
 映像記録部と言っても、単に映像を撮って記録するだけではなく、
 いろいろな仕事をやっています。

 本部で電子機器を管理したり、ホームページを作成して校内外へ発信したり。
 ホームページは数年前から、学校のホームページにアップしてもらっています。
 広報がメインですが、それにあたって技術的な部分でサポートをしています。

 それともうひとつ、広報局には記念品制作部がありまして、
 うちわやストラップ、ポスターの制作や販売をしています。

第61回北陵祭のうちわ

第61回北陵祭のポスター


 デザインは5月くらいから生徒から募集し、「北陵通信」で投票の呼びかけをします。
 そこに手直しを加えた上で、業者さんに依頼して作成します。

 当日は、昨年に引き続き、写真を撮る係をやります。
 そのような感じで、実行委員は歩き回っているので、
 皆さん、気軽に実行委員に声を掛けてください。


あくまで俺達はお手伝い

―では最後に委員長。委員長の視点から、いかがですか?

 う~ん。
 そう言われると、いっぱいありすぎて。

 やっぱり、委員一人ひとりが全力でやっている中で、
 あまり見えないところですけど「裏」の方でも手を抜かず、きちんと頑張っている姿が、
 「表」だけ見ても「裏」を感じられるような気がするので、
 そういうところもある意味、見どころだと思っていますね。
 
 あくまで俺達は、お手伝い、という感じなので。

―北陵祭を自らつくっていくのは、生徒全員。
 生徒のやりたいことをサポートするのが、実行委員。
 皆さんのスタンスや原動力が、よく伝わってきました。
 皆さん、本日はどうもありがとうございました。



取材先: 仙台二高      (タグ: , ,

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