(9916)
2017年 05月 25日 (木)
連載エッセイ 風に立つ

(2)不思議が僕に棲みついた

 小学生時代は田舎で過ごした。川で遊んでいたら激しい夕立にあった。すぐ止んだが砂利道のあちこちに水たまりが出来ていた。濁った水をのぞくと、表面に美しい蜂の巣模様が出来ていた。不思議に思い先生に訊いたが、分からないと言われた。誰に訊いても同じだった。不思議を心にためて十五年たち、大学院生になっていた。ある日、英国の専門書を読んでいたら、あの蜂の巣模様の研究が載っていた。嬉しかった。ベナール対流と呼ばれ、夕立直後の水たまりはまさにこの現象の発生条件を満たしていた。べナール対流は物理学の最新の研究課題の一つ、カオス現象を示す。カオスはニュートン力学では説明がつかない。解明には、相対性理論や量子論のような、全く新しい自然観が要る。若い君たちの出番だ。

南部 健一  (東北大学名誉教授、2008年紫綬褒章受章)
ひのき進学教室特別講師
南部 健一 (東北大学名誉教授、2008年紫綬褒章受章)
なんぶ・けんいち
1943年金沢市生まれ。工学博士、東北大学名誉教授。百年余学界の難問と言われたボルツマン方程式の解法を1980年、世界で初めて発見。流体工学研究に関する功績が認められ、2008年紫綬褒章受章。

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