学生がベンチャービジネスプランを提案　2008ＣＶＧ東北

2009年02月04日公開

　学生によるベンチャービジネスのアイデアや事業プランを競い合うコンテスト「第４回キャンパスベンチャーグランプリ東北」 （ＣＶＧ東北）の表彰式が３日、ホテルメトロポリタン仙台（仙台市青葉区）で行われた。

　同コンテストは、次代を担う人材育成と新産業創造を目的に、東北経済連合会や東北ニュービジネス協議会などからなるＣＶＧ東北実行委員会の主催、東北地区４産業人クラブと日刊工業新聞社の共催。今年は東北６県にある９の大学・短大などから３０件の応募があった。

　最高賞となるＣＶＧ東北大賞は、昨年に引き続き該当者がいなかったが、最優秀賞には東北大学の若吉一輝さんと岡田祐輔さんによる「モバイルコンテンツの制作による若いデザイナーの育成」が選ばれた。そのほか、優秀賞１件、東北経済産業局長賞などの特別賞２件、奨励賞３件、努力賞１件の合計８件が入賞。各入賞者には賞状、盾と賞金が授与された。

　ＣＶＧ東北実行委員会委員長の幕田圭一さん（東北経済連合会会長）は「年々、東北の将来性と特性を活かしながら地域経済の活性につなげようとする提案が多くなっており、大変頼もしく感じている。自分を取り巻く環境と足元を見つめて物事を考える姿勢は、企業経営に通じるもの。世界が激変する中でも、常に自分の足元と周囲を見つめ、自分を見失わず周囲の理解と協調を獲得することが、ビジネスを滋養・成功に導く原動力になるはず」と次代を担う学生らを激励した。

　最優秀賞を受賞した若吉一輝さん（東北大学３年）は「率直に嬉しい。東北経済界重鎮らの前で、自分の思いを発表したことは、自分自身を成長させる良い経験となった」と喜びを語り、「全国大会では東北代表初となる大賞をとりたい」と意気込んでいる。

そのほかの受賞は次の通り。

◇優秀賞「ｅラーニング型ＳＮＳ『ちょい学』」山家創さん、中村雅人さん（ともに東北大学）　◇特別賞（東北経済産業局長賞）「『トイレボ』～トイレ発広告配信ビジネスモデル～」齋藤洸平さん、梶原正明さん（ともに東北学院大学）　◇特別賞（日刊工業新聞社賞）「食育を通じて育む親子の愛着」福島愛さん（東北大学大学院）　◇奨励賞「親子での職業体験による地域活性化プロジェクト」宮崎栄康さん（東北大学）、「『生涯元気サポートセンター』～希望のもてる超高齢社会に～」丸橋弘希さん（東北福祉大学）、「中小規模旅館事業者における情報資源有効活用のためのデータ管理／運用代行サービス」日野佑馬さんら（山形県立産業技術短期大学校）　◇努力賞「家庭を持ちながら働く女性のための家事支援事業」大森路子さん（福島大学）

―先行き不透明な時代、若い世代が大切にすべき姿勢や養うべき力を聞いた。

◆吉田忠・ＣＶＧ東北審査委員長（産総研東北センター所長）

　「手軽なものに流されることなく、深く自分の足元を見るべし」。深く自分の足元を見ることで、皆が気づかないことを地道にチャレンジしていく姿勢が大切だ。最近はＩＴ関連のビジネスプランが多いが、その手軽さに流れることなく、自分たちの専門性を活かしたものや生活環境で気づいたことなど、実態のあるビジネスプランを求めている。そのような点で、今回の親子の触れ合いや働く女性支援など、生活目線でとらえたビジネスプランは好感を持った。ＣＶＧでは、学生が自分の持つ強みを活かしたプランを期待したい。

◆根井寿規・東北経済産業局長

　「仲間づくり」。仲間と言っても、辛い時に一緒に泣く仲間では仕方がない。ある自分がやりたいことを実現するための、人のネットワークを自分の力でつくること。その実践として、仲間づくりをやると良い。

◆渡辺泰宏・東北経済連合会常務理事

　「最後まで諦めずに努力すべし」。今の若い世代には、膨大な情報が入ってくるのだろうが、これから何をするのか自分の軸をしっかり持たねば、見えるものも見えなくなる。「あの時こうすれば良かった」と悔いることのないよう、自分なりに何を大切にしたいのかを見定めて、諦めずに努力していくことが肝要。

◆多田雅行・みやぎ工業会専務理事

　「若さ、チャレンジあるのみ」。若い方は、失敗を恐れることなく、何があっても一生懸命自分が目指すものを一途にやるべき。歳をとると失敗ができなくなるが、若い方はたとえ失敗したとしても応援者が出てくる。その過程、精神は捨てることなく、ぜひチャレンジして欲しい。

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