[Vol.1]
畠山茂陽さん(河北新報社)
1969年9月、宮城県仙台市生まれ。
コミュニティースペース「Sendai BizCafe(仙台ビズカフェ)」の代表であり、産学官の挑戦する人たちの集まるスペース「Five Bridge」の創設メンバーである、河北新報社の畠山茂陽氏。「個人の自己発信の大切さ」を広く伝えながら、会社という枠を超えた幅広い活動を続けている。
-皆さんは「営業」という言葉から、どのようなイメージを持たれるだろうか。ご存じ河北新報社の、営業畑一筋14年目・畠山氏の仕事は、新たな「メディア開発」である。畠山氏自ら命名し、たった1人からスタートした「クロスメディア営業チーム」。その独自のコミュニケーション手法は、会社の枠を超え、一見「遊び」のようにも見えてしまう。自らの仕事を「どぶ板ご用聞き営業」と表現し、「みんなの"ドラえもん"になりたい」と語る畠山氏。柔らかい物腰でその意図を語った。
「"どぶ板ご用聞き営業"って言うのはね、ひとつのものを一方的に売る"飛び込み営業"とは違って、お客様に"今日何かありますかね?"とあいさつして、ご用を聞いて、お客様が本当に欲しいものを売っていく営業なんだよ。もちろん現実にはいろいろな制約はあるけれども、"のび太君"からお願いされたら、それに応える"ドラえもん"になりたいんだ。実は、ドラえもんの道具って、完璧なものはないんだよね。でもドラえもんは、なるべくのび太君の要望にあわせたものをつくろうとする。"そんなものは、ないですよ"とは言いたくないから。そこで喜ばれたら、○でしょ。そうなりたいね。これからは、そういう会社でなければいけないと思う。」
-畠山氏の言う「営業」とは、どの範囲までを指しているのだろう?
「会社でも、中高生にわかるような紙面作りをイメージしていけれども、実際は難しいんだよね。けれどもみんな、"NHK週刊こどもニュース"ならわかるし、偉い人がみんなの友達だったら、みんなニュースを知りたくなるでしょ。だから、新聞社員も外に出て、みんなの友達にならないと、伝わらないんじゃないかな。」
-「Sendai BizCafe(仙台ビズカフェ)」や「Five Bridge」などの交流スペースを創設し、会社の枠を超えて活躍する畠山氏の様子は、一見「遊び」にも見えてしまう。
「最初は"なんでお前、楽しいことばっかりやってるの?仕事しろよ"って言われたよ。けれども、ただ与えられた仕事だけ、先生に言われたことだけ、お父さん、お母さんに言われただけのことをやるのは、つまんないよね。実は会社も、自発的にやれる人を求めている。言われただけの仕事をやるだけでは、人に伝わらないんだよね。」
-「クロスメディア」とは、「ある情報について、媒体(メディア)毎に表現方法を変えて、伝えること」であると言う。畠山氏の意図する「表現」は、おそらく会社側が想定している「表現」の幅を超えているものなのだろう。
「会社のためにやっている、っていうのは建前かな。本音は自分のためでもある。家族のためにやっているつもりでもあるんだけど。結局、社会性のあることを積み重ねていかないと、自分のファンは出来ないんだ。まわりからお声がかからない。ファンがいっぱいいると嬉しいよね。例えば自分が死んだときに、みんながいっぱいお葬式来てくれたら、嬉しいよね。」
-そんな畠山氏は、どのような中高生時代を送っていたのだろうか。
「中学校の頃は、けっこう自分の殻に閉じこもっていたかもしれない。ただ、ずっとひとつのこと(野球やアマチュア無線)をやってたから、その自負心はあったのかもしれない。気持ちの置き方として、単純なことなんだけど、授業がはじまるまでの休み時間、次の授業の準備を必ずしててね。先生がちゃんと指導してくれていたんだと思うんだけど。それで転校したときに、新しい学校で、授業の準備をしていることを褒められた。授業準備って当たり前のことだけど、そこから最低限、授業を受けようとする気持ちが生まれたね。高校生の頃は、今思えばもっとクラスの友達と遊べばよかったかな。ひたすら野球をしたことしか覚えていない。けれども、"これをひとつやりとげた"ということがつくれたら、充分なんじゃないかな。」
-今の中高生に伝えたいことは?
「今の中高生って、みんなどんな気持ちなんだろう?そういうわからない状態で、ああだこうだ言えないな。でも、○×クイズ式の決まり切ったコミュニケーションだけじゃなくって、もっと言葉を大切にして欲しいとは思う。昔の言葉が正しくて、今の流行言葉が間違っているとは思わない。みんなが使っている言葉も、共有化して辞書化して、分かりあえたらいい。相手といかにコミュニケートできるかという問題は、今も昔も変わらないんじゃないかな。パソコンでも、無線でも、携帯でも、なんでもいいから。悩みがあったら、自分と同じ気持ちの人と触れあって欲しい。職業や年齢も関係ないので、そういう人を探して欲しいですね。」
-メディアの形態は、多様であって良い。そしてメディアは人とつながるためのもの。そのメディアの形態を探り、新たに開発していくことに、畠山氏は情熱を燃やしているのかも知れない。
「コミュニケーションツールを新たに開発できるのは、人間だけができることだと思う。メディアの数は、人間だけがダントツ多いな。会話発生を大切にして、表情を大切にする。」
-では、コミュニケーションが成立している状態(=人がつながっている状態)とは?
「"みんなが先生"になってもらいたいよね。先生って言っても、そうたいそうなものでなくて、例えば自分が朝ご飯のメニューを決めてあげて、相手にその理由を語れたら、もう立派な先生だよ。その相手が、結婚相手だったり、友達だったりするんじゃないかな。あるパーツパーツで、みんながみんな先生になって、相手に教えられるだけじゃなくて、自分が教えているんだよという意識があれば、それがコミュニケーションが成立している状態なんじゃないかな。」
(2007/03/30 「朝ご飯の会」@Five Bridge 文責:大草芳江)
【参考サイト】
| 河北新報社 |
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| 畠山茂陽さんの取り組みについて |
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