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2017年 06月 28日 (水)

【東北大学ALicE×宮城の新聞 ♯001】真に豊かな社会実現のために、女性が活躍できる環境整備を 取材・写真・文/大草芳江

2013年7月11日公開

「真に豊かな社会」実現のために、
女性が活躍できる環境整備を。
~平成25年度、東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)設立~

ALicE室長の田中真美さん(東北大学大学院 医工学研究科 教授)×
ALicE副室長の有働恵子さん(東北大学 災害科学国際研究所 准教授)

東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)×「宮城の新聞」Collaboration ♯001

 100年前の1913年(大正2年)、日本初となる「女子大学生」が東北大学で誕生した。大正2年に3名だった女子の入学生数は、平成25年には1,184名(東北大学)となり、数多くの女子学生や女性研究者たちが、様々な分野で活躍している。

 しかし、その一方で、「真に豊かな社会の実現には、女性への支援が必要」という現状が指摘されている。そもそもなぜ、女性支援が必要なのか。それにより実現される「真に豊かな社会」とは何か。

 「女性が安心してキャリアを継続できる社会の実現」をミッションに掲げ、平成25年度に設立された「東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)」への取材から、「女性」を切り口に見える、社会とはそもそも何かを探るシリーズの第一弾。


真に豊かな社会を実現し、東北大学から発信する

―まずは、「東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)」設立の経緯について、ご説明ください。

【ALicE室長】田中真美教授(以下、田中) 東北大学の自然科学系、特に自然科学系の約85%を占める工学系は、学生だけでなく教員(研究者)も含めて、女性が1割未満と、とりわけ女性が少ないのが現状です。

 しかし、真に豊かな社会の実現には、多様性を尊重し、その多様性の一つとして、女性の力を活用することが大切です。そこで、「女性が研究するなら東北大学工学系!」と、モデルとなるような仕組みを打ち立て、東北大学から発信すべく、ALicEは今年度からスタートしました。

 ALicEでは、女性が工学分野で安心してキャリアを継続できる社会の実現を目指して、更なる飛躍のための支援/女性の見える化/情報の共有化の3本柱で活動しています。

 これまでも東北大学では、女性研究者がキャリアパスを形成する上で障害となる「ハードル」を乗り越えるために、2005年、全学で「女性研究者育成推進室」を設立し、2006年から3ヵ年、自然科学系分野での女性研究者育成の促進を目的とした「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」(以下、ハードリング支援事業)を実施しました。

 そこでは、育児介護支援、病後児保育や休憩室整備などの環境整備が行われました。また、女子大学院生を対象にした次世代支援も実施されました。例えば、「サイエンス・エンジェル制度」では、女子大学院生を自然科学系を希望する女子中高生のための身近なロールモデル(お手本)として活動させたり、女子大学院生たちにスキルアップの機会を与えました。ハードリング支援事業は、期間終了後も、本学独自の制度として継続されています。

 そして、2009年からは、「杜の都ジャンプアップfor2013」をスタートし、現在実施中です。この事業では、女性教員が特に少ない理・工・農学系を対象に、女性の安定的な教員(研究)職への採用と、女性研究者の養成を目標としています。


これまで身につけたものを社会に還元することが、皆の幸福につながる

―そもそも女性研究者への支援が必要なのは、なぜですか?それがなぜ「真に豊かな社会の実現」につながるのですか?

田中 人は誰しも「自分がこれまで身につけたもので、社会に貢献したい」と願う気持ちを持っています。自分が得た何かを社会に還元することが、皆の幸福になると思います。

 ところが、女性特有の問題として、育児などの理由で、離職率が高い現状があります。女性が離職せず、ずっと活躍できるようになること。それが、これまで身につけたものを、社会に還元できることにつながると、私は考えています。

【ALicE副室長】有働恵子准教授(以下、有働) 多様な視点がなければ気づかないことは、たくさんあります。世の中の半分は女性ですし、お年寄りもいれば、子どももいます。

 私は、土木が専門ですが、例えば、社会基盤を整備する時も、様々な立場の方が快適に社会基盤を利用できるよう、多様な視点を取り込む必要があります。その多様性の一つとして、もちろん様々な年代の視点も必要ですし、女性の視点も必要でしょう。

 ところが、他の工学と同様に土木においても、圧倒的に女性の数は少なく、そのような意思決定の場に、なかなか女性はいないのが現状です。

 よって、女性の育成や、離職せずに仕事を続けられる環境整備などの支援が必要です。もちろん、育児支援も必要ですが、私自身強く必要性を感じるのが、女性のスキルアップ支援です。私自身も様々なスキルを身に着けていかなければと強く感じています。


ロールモデルを知っているか・知らないかで、大違い

田中 もう一つ問題があります。特に工学系は女性が少ないために、女子学生にとっては、ロールモデル(お手本)となる女性研究者が見えにくい現状があります。

 実は、出産しながらも、充実した研究生活を送っている女性研究者は存在するのです。実際に、最近では、有働先生も双子の赤ちゃんを出産されましたね。なかには、第二子、第三子をもうけながら、研究をする女性研究者もいます。

 ところが、その姿が見えないために、特に育児期に入ってからの影響が大きいのですが、研究との両立を諦めて離職してしまうケースが多い。そこで、ロールモデルとして、女性教員を"見える化"することで、そのハードルを下げよう、と考えています。

 もしくは、昔の工学の「夜遅くまで仕事」「油まみれ」のイメージで避けられている部分もあるかもしれません。工学の魅力も伝えながら、興味を持って活躍される方が増えると良いですね。

有働 私も、ロールモデルは、とても大切だと思います。やっぱり諸先生方がいろいろな困難を乗り越えた経験談を知っていると、全然違いますよ。

 先週、うちの子どもが入院して、私も夫も一週間仕事を休み、24時間付き添いで大変だったのですが、「意外と何とかなる」と思えました。それは諸先生方から、同じような状況で「大変だったけど、何とか乗り切れた」経験談を聞いていたことが大きいと思います。

 私が出産したのは2年前ですが、その時も田中先生に、わからないことや不安なことを、いろいろ相談しました。そんな時に頼れる同業者の女性の存在は、大変心強かったです。


問題になる前に、気軽な「お話」で、解決していく

田中 やはり、一人では乗り越えられないハードルがあるのですよ。けれども、皆で問題を共有して、「大丈夫だよ、なんとかなるよ。うまい方法があるはずだ。こうやればいい、ああやればいい」と知恵を出し合って、情報を共有していく。すると、「辛い」とならずに、頑張れます。それも、ALicEの重要な役割の一つでしょう。

 それでも、なかには周囲に知人がおらず、孤立して、情報源に辿りつけない人もいます。そんな人達のためにALicEでは、「どこに聞けば良いですか?」「皆さんはどうしていますか?」といった井戸端会議のような「お話」ができる「女性研究者メーリングリスト」と、「メーリングリストで聞くほどのことではないけど、誰かに話を聞いてほしい」という方のために「お話窓口」という仕組みをつくっています。

 問題が起きてからでは、遅いのです。「相談」まで行かずに、「お話」で解決したい。そんな思いがあるので、「相談」窓口ではなく「お話」窓口なのです。問題が起こる前に、「お話」することで、不安を解消していこう、というものです。

 この窓口では、女性だけでなく、男性の先生や学生からの相談も受け付けています。例えば、「女子学生と、どうやって接すれば良いかわからない」といった悩みなど。お互いに、過ごしやすく研究しやすい環境になっていくのが一番ですから。

有働 私も出産前、「どこに相談したらいいのかな?」と調べたのですけど、大学の総務課となると、急に敷居が高くなっちゃって、相談しづらいですね。どうしてもプライベートな話になるので。ですから、ALicEの「お話」窓口は、とても良い取組みだと思います。

田中 話は脱線しますが、実はプライベートな話もオープンにした方が良いと思うんです。何かが起きた時、研究室のメンバーに、迷惑をかけるのは当然ですからね。それを下手にクローズにしてしまうと、「なんで、あの人、休むんだろう?」となって、研究室がまわらなくなると思いますよ。

有働 でも、なかなか勇気のいることですよね。先週も「子どもが入院しているので」と理由を言うべきか悩み、結局、理由は言わずに謝っただけでしたが、言った方が良かったのかな。

田中 そんな時は組織のトップに言えば良いのですよ。私も、だんだんわかってきました(笑)。そこから、メンバー全員に的確に伝わっていくから、大丈夫。

有働 そうそう(笑)、ちょっとしたことでも、「どうしよう」と悩むことがあるんです。わざわざ「相談」に行くまではないけど、こうやって気軽に「お話」できる場があるって、大事ですよね。


データ分析で、問題を可視化

田中 他にも、ALicEを通して、やらなければいけない大きな問題があります。いわゆる「ガラスの天井」(マイノリティや女性が組織内で昇進する障壁となる、その能力や成果とは関係ない、不可視の破れない壁)の問題です。

 データでは、工学研究科の女性研究者の比率(平成23年度)は、助教が6.725%、准教授が3.74%、教授が2.52%です。准教授から教授に昇進する人は、ほとんどいません。

 女性自身も、男性の信頼をきちんと得るためにも、もっとスキルアップして、ちゃんとやれることを見せて、活躍して貢献できる人材が増えることが重要だと思います。

   また、研究者へのステップとなるドクター(大学院博士課程後期)進学率が、女子学生は低いので、就職の中に進学があることを女子学生に見せていく必要性もあるでしょう。

有働 ALicEの大事な取組みの一つは、データの収集と分析ですね。具体的にデータを収集して現状を正確に分析し、今の問題は何かをデータで示すことが大事だと思っています。

田中 最近のデータで驚いたのは、東北大学工学系女性研究者の既婚者の別居率が、16人中11人と、非常に高いこと。そのまま出産・育児に入れば女性研究者が全て一人で子育てや家事をこなすことになるので、ぜひ支援していただきたい、ということなのです。

有働 離職理由の一つに、「配偶者との別居の解消」がありましたね。根本的解決は難しいですが、別のサポートの方法で負担を軽減することで、離職を減らせるかもしれません。いずれにせよ、分析は大事です。


男性と女性で、性差はある

有働 私たち女性教員のキャリアアップも必要ですね。もちろん女性にも、いろいろな方がいるとは思いますが、やっぱり男性と女性で、どうしても性差はあると思うんです。

 私もそうなんですが、例えば、女性は外堀を全部埋めちゃって、逃げ場をつくらないで、相手を追い詰めちゃうとか。

田中 私も、同じことを昔ボスに言われ、気をつけるように注意されました(笑)。

有働 私、ある雑誌で見たのは、「女性は、相手に対して注意する必要があった時、過去のことを持ち出すことが多い」と。その時のことだけで話したら良いのに、過去の話をどうしても持ち出してしまう。私も身に覚えがあるなと思って(笑)。

田中 私、子どもに対しても、そうだよ(笑)。

有働 そんな性差もあって、結果的には、多様性を生んでいる、ということだと思います。ただ、それがキャリアアップや学生指導という前提では、正さなければいけないかな、と思うこともあります。その辺が、自分はうまくできていないと思うのです。

 人間関係を円滑に進めようとする時、性差もあると思いますが、女性の先生が、どう学生と接してマネジメントしているかを見る機会は、やはり少ないですね。

 未だに「どうすればよいだろう」と迷ったり、悩むことが多くて。けれども、わざわざ相談しに行く程のことでもない。ですから、そんな意味でも、いろいろな情報交換ができるALicEのような組織の存在は大切です。

田中 私も講師時代、活躍されている女性研究者たちの物凄い速断力を見て、「私にはないものがいっぱいある」と思いました。けれども、そのことをボスに報告したところ、「あれは慣れだから」と言われました。経験が増えれば、答えの出し方が、徐々に見えてくるところがあります。とは言いながらも、私も右往左往しています。新たな問題もどんどん出て、それがどんどん難しくなっていきますからね。

有働 ALicEの中でも、いろいろな女性研究者がいるのが良いと思います。育児期って、仕事をセーブせざるを得ないところがあります。海外出張なんて、もってのほか。そんな状況が何年続くかな、と焦ってしまったり。

 けれども田中先生が「私、子どもが4歳だけど、一回も海外出張、行けなかったよ」と仰っていて。そうやって皆、セーブしながらも、続けているんだ。そんな、ちょっとした会話の中で、自分の中の焦りを解消したり。コミュニケーションが一番、大きいですね。

田中 ある男性の先生から、「女性の話は脱線する」と言われたことがあります。女性は、脱線しながら、いろいろな話をして、問題を解決していくところがありますよね。

有働 よく「女性の話には結論がない」とか、「女性は話したいのであって、相手に解決策を求めているわけではない」と(笑)。よく私、夫に言われるのですけど、「こんな時は、『ふうん、そうなんだ』と聞いているだけでいいんだね」って(笑)。夫から「これは、こうしたらいいんじゃない」と言われたら、「いや、違くて」と、つい反論しまう(笑)。

田中 わかる、わかる(笑)。私なんか、もっとひどいですよ。夫に「わかるよ」と言われたら、「いや、あんたはわかっていない」と言うことが、あります(笑)。こんな暴言を受け止めてくれている懐の広い旦那に感謝していますよ。

有働 ALicEの時は女性がたくさんいますが、それ以外の場では、仕事をするパートナーは、ほぼ男性です。普段は、女性の好きなおしゃべりをする場がなかなかないですものね。女性同士だから話せることもたくさんあります。女性ならではの悩みとか、男性にはわからないことって、いっぱいありますものね。

田中 とはいえ、私たち女性教員自身が女子学生のロールモデルになるためには、問題を一人で抱えずに解決できる術を身に付けることが重要です。そうでなければ、「さあ、女性研究者の世界に来なさい。でも、問題はいっぱいよ」では、女子学生に来てもらえないですからね(笑)。


「日本の女性は高学歴なのに、勿体ない」

―社会全体としても、多様性の一つに女性を位置づけ、活用しようという機運が高まっています。

田中 先日、ノルウェーのラグンヒル・セッツオース教育・研究副大臣を迎えて講演会が開催されました。副大臣は「日本の女性は高学歴なのに、勿体ない」と話していました。

 「これだけ人数の少ない工学部に女子学生が入学するということは、少なくとも、それなりの覚悟がある人たちが入っている。それなのに、その人たちが、なぜ大学に残ったり、仕事を続けたりしないのか。大変勿体ないことだと思う」と。

 社会としての損失が大きいですよね。せっかく大学まで出て、入社して教育も受けて、それで何年後かに、理由はわかりませんが、離職してしまう。女性の力を活用することは、社会としても、非常に重要だと思います。

有働 講演では、女子学生の意識改革も大事という話もされていました。「仕事を続けるのは当たり前なんだ」という意識です。「結婚・出産したから、仕事を辞める」のではなく、仕事を続けることが可能だし、続けたいと思っていれば、当然、それは選んでいける社会になりつつあるということ。それをこちらからも発信していくことも大事だと思います。

田中 そういったことを学べる機会が少ないのですよね。だからこそ、働き続けるロールモデルに教員自身がなる必要があるわけです。あと一番厄介なのは、やはり周囲の理解だと思います。「周囲に反対されて」が、離職の原因としてあります。そのような意味でも、ロールモデルは必要です。

有働 何かを決めなければいけない時は大抵、先が見えない、判断材料が少ない中である場合が多い気がするのです。大学を出た時は、世の中がどんな状況かもよくわからないし。

 ただ、知らないことで、自分の持つ知識だけで判断してしまい、結果的に辞める判断をしてしまうことが、勿体無くって。だから、そのような可能性を、ロールモデルという形で見せられることが、大事だろうと思います。

田中 周囲で相談する相手は、親や夫くらいになってしまって。とても狭い世界になってしまいますからね。

有働 男性なら、「仕事をどうするか」なんて選択肢はない場合がほとんどですからね(笑)。女性だから、悩むことも多くなってしまう。

田中 そこでアンバランスが起こっているのです。もし男女間でバランスがとれていたら、「じゃあ、お互い、どう頑張りましょうか?」という話になるのですが。

 でも今はどうしても「女が育児をする」となっているので、女性が選択する機会が増え、悩み、辛くなってしまうから、仕事を辞める、という考えが起こってしまう。

 家庭内のバランスの問題については、男性の意識改革も必要でしょう。男性にも育児支援の制度があることを、知ってもらう必要性も感じています。

有働 男性が育児に参加するのは大事ですね。例えば、自分の部下の女性が育児や出産を経験する時、どんな問題が起きうるかが、育児に参加していない男性には、わからないと思うのです。ですから、そのような意味でも、男性が育児に参加することは、大事だと思いますね。あとは純粋に、参加して楽しいと思いますしね。

田中 本当は、男性も育児をやりたいんですよね。うちの旦那も、離れて暮らしているのですが、やっぱり「成長を見れないのは寂しい」と言われると、ちょっとつらいですね(笑)。「私は充実した毎日を過ごしているよ、ありがとう」と、言っておきました(笑)。

 「経験しなければわからない」のは、家庭内に限った話ではありません。私が兼任する工学部機械系には、「女子静養室」があります。その部屋を、男性教員の中には、女子学生や女性職員が寝たりお昼ご飯を食べる場所だと思っている人もいて、「なんで女性ばっかり」「男性の場所は無いじゃん」と言われたこともありました。

 けれども、「出産されたばかりの先生が搾乳するのに必要」と伝えたら、「なんだ、それなら絶対に必要だよね」と納得してくれました。それは女性でも、出産をしていなければ、わからないことですよ。やはり経験していないことは、想像がつかないですよね。お互いに知った上で納得することが、必要だと思います。


女性にも覚悟が必要

―これからALicEとして、どのような存在でありたいですか?

田中 女性は覚悟を持って自立し、オープンにすることはオープンにして、働いて欲しいですね。女性にもいろいろな人がいます。皆が皆、向上意識を持って取り組んでいるわけではないのが現状です。ですから、現地点ではALicEを必要としていない人たちに対しても、メッセージを送り続けたい。ぜひ一緒に、キャリアアップをしていきたいですね。

有働 いつかALicEのようなシステムを使いたい、と思う時が来るかもしれないですね。その時に、いつも連絡が来るから「知っている」という状態が、すごく大事だと思います。

田中 そうですね。まだ独身で必要性を感じていない人でも、結婚して必要だとなった時、「そういえば、あんなシステムがあったなぁ」と、頼っていただけると良いと思います。

 やはり心配なのは、ここに来ない人が孤立していないかどうかですね。ALicEは、全学より小規模ですから、同じ青葉山にいる研究者たちに、細やかに浸透させていきたいです。

有働 私の立場としては、東北大学の教員であるという強い自覚を持って、これまで自分が受けてきたものを、きちんと社会に還元しなければいけないと、最近強く感じています。

 実は、ALicE設立のきっかけとなった男性の先生から、「あなた達の子どもを育てるのも大事だが、社会に羽ばたく学生もきちんと育ててください」と言われたのです。

 その意識が、今までの自分には十分ではなかったのです、自分のことで精一杯で。ですからプライベートと両立しながら、もっと上のステップを目指さなければいけないと、最近強く感じています。

 女性研究者の育成という意味でも、ALicEは、教員にとって大事な組織になっていくでしょう。このように、ALicEの可能性は、たくさんあります。ぜひ私自身も利用したいし、皆さんにも利用してもらえるような存在に、これからもなっていきたいですね。


自分の夢や、好きなものを、見つけて欲しい

―最後に、次世代を担う中高生へメッセージをお願いします。

田中 工学とは、より良い社会をつくるための学問だと考えています。時代が変われば、当然、求められるものも変わっていきます。ですから、変化していくものに、臨機応変に対応できるよう、「こんな世界だったら良いなぁ」という夢を持って過ごして欲しいですね。その夢があれば、必要な学問を学んで、ものづくりをしたり、より良い社会を実現できると思います。

有働 よく大学の先生方には、「幼い頃から、これがすごく好きで、その分野を目指して、大学に入学し、今もこの研究をやっている」という方が多いですね。けれども、私自身は、わりと、流されるままに大学に入って、流されるままに、今の分野に来た感じなんです。

 けれども最終的には、自分が熱中できるもの、好きだと思えるものを見つけられ、それを仕事にできていることは、とても幸せなことだと思っています。そういうものを、皆さんにもぜひ見つけて欲しいですね。

 工学に限らず、そういうものを見つけられれば、それが、仕事を続けたい気持ちになると思います。多分、本当に好きでやってなかったら、私は仕事を辞めていると思います。子どもと天秤にかけても、辞めないくらい、大切なものなのです。

 今の社会は、両立を支援する方向に向かっているので、二者択一でなく、両立していけます。ですから、どちらかを諦めなくても良いのです。きっと将来はもっと、仕事を続けていける社会になっているでしょう。

 ですから、好きなことを見つけた上で、プライベートも充実させ、自分の人生を楽しむことが大事だと思っています。楽しい人生を、私自身も送りたいと思っています(笑)。

―本日は、ありがとうございました。

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