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2017年 05月 26日 (金)

「仙台二華」独自授業を試験的に実施 宮城二女高

2008年11月20日公開

 2010年度に男女共学・併設型中高一貫教育校「仙台二華中学校・高等学校」となる宮城二女高(仙台市太白区、久力誠校長)で19日、「仙台二華」で導入する独自授業が試験的に実施され、教育関係者らに公開された。同校がカリキュラム開発型の授業を公開するのは初めて。

公開授業には多くの教育関係者らが集まった

 仙台二華の教育コンセプトの大きな特徴として、地球環境をテーマにした課題解決型の探求的な学習がある。そのコンセプトを具現化するカリキュラムの開発を、外部との意見交換により促進することがねらい。

 中心的な内容は、国際的な視点から英語を用いて社会科学的観点から取り組む「インターナショナルスタディ(IS)」と、理科・数学を中心に自然科学的手法で取り組む「サイエンティフィックリサーチ(SR)」。各教科・科目との関連を図りながら、総合的な学習の時間として展開される。

 今年は試験的に「総合的な学習の時間」のうち5時間を課題解決型探究的学習に当て、1年生の生徒280人が自由に13講座から選択。そのうち41人がIS講座を、49人がSR講座を専攻している。

 授業公開後の分科会では、授業を見学した教員や指導助言者らと授業者との意見交換が行われた。また東北大加齢研教授で同校学校評議員の川島隆太さんにより、「脳科学から見た学力の定着」をテーマに講演会も行われた。

IS:語彙マッピングで、語彙の習得から応用へ

 IS講座を選択した同校1年生41人が、「サンゴの白化現象」を題材に、インターネットなどで事前収集した情報から得られた英語で「語彙のマッピング」を行った。さらに自分で作成した語彙マップを頼りに、数名の生徒が英語で発表した。

「サンゴの白化現象」についてインターネットを用いて調べる生徒

英語による発表も念頭に置きながら、それぞれテーマ設定や語彙の関連付けを行う


 ISで実施予定の「ボキャビル(ボキャブラリービルディング=語彙力増強)」の試行として、英語の語彙を効率よく習得する方法を模索するとともに、習得した語彙で発表する活動へとつなげることがねらい。

「語彙のマッピング」の方法やその意義について説明する村上さん

 授業を担当した教諭の村上孝志さんは、前任校の古川黎明高等学校で、「語彙マッピング」によるオリジナル単語帳づくり活動を既に実践している。

 「語彙マッピング」は、市販の単語帳を用いて小テストを繰り返す「受身の学習」では語彙の定着率が低いと考えた村上さんが、「自分が知りたい、覚えたいと思ったものから学習すれば、語彙の定着率は向上するのでは」と考え、「能動的な学習」を通した語彙の習得を目指し実施したもの。

 前任校では、語彙習得の学習にプラスの影響を与え、スピーキングなどの表現活動へも効果をもたらした成果を得ている。

SR:身近な疑問を実験などを通して分析

 SR講座を選択した1年生49人(地学分野20人、化学分野10人、生物分野19人)が、数回の基礎講義などを受けた後、各班で実験した成果を、ポスターセッション形式で発表した。

 身近な事象から課題を見つけ、仮説を設定。実験や調査を通じ疑問を分析した結果を、図表や表現を工夫し、生徒らは懸命に説明していた。

まな板の洗浄方法による細菌数の減少について調べたグループ。写真や図を多用し、わかりやすい説明を心掛けていた

飲料水の硬度適定と、硬度の違いによる食物の変化を調べたグループ。サンプルとなった飲料水の試飲を勧める場面も


 「手洗いの仕方でどの程度細菌が減少するのか」、「カットフルーツはビタミンC摂取に非効率ではないか」、「根岸校舎の地下に通る長町・利府断層を調査する」、「大気中の二酸化炭素を吸収する光合成の働きを高めるにはどうすればいいか」など、身近な事象から課題を見つけ、実験を通じて分析するケースが多く見られた。

 生物分野を選択した1年生は「普段の授業とは異なり、テーマ設定から方法まで、1から自分たちで考えたのでとても楽しかった。大学でも生物の研究をしてみたい」と話していた。

 今回の公開授業に踏み切った理由について、同校の久力校長は「理念は明確でも、プランそのものはまだまだ未熟。それでも公開に踏み切った理由は、自らの退路を立つため。新しい高みは、教師一人ひとりが本気になって考え、取り組んだ時にのみ見えてくるもの」としている。

 今回の成果については「年間を通したカリキュラム構成が見えてくるなど、想像以上の成果を得られた」とし、今後の課題については「より長期的なカリキュラムの開発や、全生徒への実施、そして資金面」と久力校長は話している。

 同校では、今後も年1回のペースで公開授業を継続していく予定。

取材先: 仙台二華      (タグ: , ,

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