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2017年 06月 28日 (水)

退官教授が現役学生に集中講義/東北大学物理系同窓会が主催

2010年08月11日公開

東北大学理学部物理系の同窓会「泉萩会」が2・3日の両日に開催した「夏の学校」のようす

 東北大学理学部物理系の同窓会「泉萩会」は2・3日の両日、初の試みとして「夏の学校」を開いた。名誉教授らの集中講義に、大学1・2年生ら約15人が耳を傾けた。

 講師を務めたのは、東北大学名誉教授の竹内峯さん(昭和32年理学部天文卒)と田中正之さん(昭和34年理学部地球物理卒)。

 竹内さんは『宇宙の物理モデルおよび太陽』と題し、宇宙論の根底にある二つの原理や、そこから得られる宇宙モデルについて講義。太陽の構造や太陽放射の地球への影響がどこまでわかっているのかという疑問にも答えた。

学生らに講義する東北大学名誉教授ら

 続いて、田中さんが『地球環境の自然変動―その実態とメカニズム』と題して講義。地球の誕生から現在まで過去46億年にわたって複雑な変動を繰り返してきた地球環境。その変動の実態と変動メカニズムの解明に関する最新の科学的知見と未解明問題を、田中さんはわかりやすく講義した。

 メモを取りながら熱心に聞いていた物理系2年の日置壮一郎さんは「長い間、研究や教育に携わっている方ならではの、スケールの大きな話でおもしろかった」と満足げ。

 物理系2年の宮本雅俊さんは「いつもの講義では正しいこととして教えられるが、今日は未解決の問題もたくさんあることに気づけて良かった」と話していた。

 講師を務めた竹内さんは「皆、一生懸命話を聞いて質問してくれたので良かった」と感想を述べ、「若い人と顔を見て話をできる機会はありがたい。この場を活用し、こちらも勉強させていただきたい」と話していた。


◆未解決問題にチャレンジするのがサイエンス
 田中正之さん(泉萩会会長、東北大学名誉教授)

東北大学名誉教授の田中正之さん(昭和34年理学部地球物理卒)

 昨今は地球温暖化などが話題になっているが、地球の誕生から現在まで約46億年にわたって地球は極めて複雑な変動を繰り返してきており、それを理解することが地球科学の大問題だ。我々の知識が深まった点もあるが、依然としてわかっていないこともたくさんある。それが非常に興味深いのだ。

 理学、特に物理学とは、自然の真理を見極めること。わたしたちの身近には、非常に興味深い未解決の問題があることを知ってもらいたい。それに挑戦するのがサイエンス。若い人にはぜひ未解決問題に挑戦し、良い成果を挙げてほしいと願っている。

 歴史的には、地球物理学は20世紀の中葉以降、物理学から分離独立した。物理学は本質、すなわち素過程を解明する学問であるのに対し、地球物理学が対象とする現象の多くは、多様な素過程が複雑に絡み合った複合過程であり、仮に関わる素過程がすべて解明されたとしても、それは現象解明の出発点に過ぎない。

 このように物理学と地球科学は異なるものだが、とは言え、物理学的な思考はとても大切になる。素過程は出発点だが、複合過程にも物理学的な解明が必要となるためだ。物理学から生まれたからこそ、考え方の基本は同じである。

 ものごとをどのように考え、どのような研究をすれば良いのか。これは本当に正しいのか、正しくないのか。自分が本当に納得できるのか、できないのか。そのような物差しを持つことが、科学者の基本的な態度である。そのような態度をわきまえた上での知識でなければ、単なる物知りで終わってしまう。そのようなことを、この講義を通じて、ぜひ若い人には考えてもらいたい。

取材先: 東北大学      (タグ: , , ,

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