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2017年 05月 26日 (金)

「教育に新聞を」 宮城県NIE20周年研究大会(1/2ページ)

2009年12月4日公開

 教育に新聞を活用する「NIE」活動が宮城県内で20年を迎えたことを記念する研究大会が先月25日、仙台市宮城野区の榴岡小で開かれ、県内の小中高校の教師ら約320人が参加した。

 榴岡小教諭らが新聞を活用した授業を提案したほか、仙台市在住の歌人、俵万智さんが短歌の授業を行うなどした。(2/2ページに関連記事


教師と新聞記者のコラボで授業

榴岡小教諭らが行った新聞を活用した提案授業のようす

 午前は、4、5、6年生の新聞を活用した社会や国語など3つの授業が公開された。「記者に学ぶ宮城県」をテーマにした4年1組の社会では、担任の新藤裕規教諭が河北新報社の大槻俊順記者と一緒に、新聞を資料として活用しながら、気仙沼市の人々の暮らしについて授業を行った。

 冒頭、新藤教諭は大きく印刷した新聞記事を次々と見せながら、気仙沼市の特産品や行事を紹介。「(一部紙で隠された)見出しに入る言葉は何だろう」などと児童に問いかけながら、これらが海に関係していることを説明した。

 次に、植樹祭の新聞記事の写真を見せながら「新聞記事の基本は5W1H。写真を見て気づいたことを挙げてみよう」と発問。児童らが「子供や大人が」「木を植えている」「山で」などと答えると、大槻記者が、植樹祭が行われた矢越山(岩手県一関市)が川によって気仙沼湾とつながっていることを地図で示した。

新聞の写真や見出しなどを活用しながら、児童らの考えを引き出す新藤教諭

 さらに新藤教諭が「写真を見て気になることは」と児童に意見を求めると、「山なのに旗がある」「漁船についている旗だ」と児童らが答え、「でも、なんでだろう」と児童らは首を傾げた。

 「どうして船にあるはずの大漁旗が、山にあるのだろう」

 新藤教諭がそう問いかけると、34人の児童は「山なのに木が少なくて寂しいからにぎやかにするため」「神様への儀式」などと意見をノートに書き込んでいった。

 続いて、大槻記者が当時の新聞記事を解説。かつて気仙沼市湾が赤潮で汚れ海産物に影響が出たことや、植樹活動を始めた人の話をして、「川によって運ばれる山の養分が海を豊かにすることがわかり、植樹活動が始まった」と児童らに説明した。

 ほかにも、気仙沼湾に注ぐ川の上流域に住む児童が、植樹祭への参加を機に、使う歯磨き粉の量を減らしたエピソードや、「森は海の恋人」植樹祭の名前の由来となった気仙沼市出身歌人の短歌が紹介された。

 授業を終えた児童は「気仙沼市の人々は、21年前から植樹活動を行っており、海をとても大切にしていることがわかった」と話していた。


授業者に聞く:教育に新聞を活用する価値とは?

◆大槻俊順さん(河北新報社記者)

大槻俊順さん(河北新報社記者)

―教育に新聞を活用する価値とは

 授業に新聞を用いることで、リアルタイムな情報を取り入れながら、立体的で深くわかりやすい授業を行うことができる。また今回、昭和50年代から最近の記事まで振り返るなど、新聞のアーカイブ性(記録性)も生かした。

―授業で心がけた点は

 記事を単に見せるだけでなく、写真から児童が想像力を働かせることができるよう、その引き出し方を考えた。また、難しいことをできるだけ噛み砕くことを心がけた。

―中高生へメッセージを

 新聞は宝箱のようなもの。難しいと思うかもしれないが、ぜひ新聞に触れ、興味のある記事を読み続けてほしい。


◆新藤裕規さん(榴岡小学校教諭)

新藤裕規さん(榴岡小学校教諭)

―教育に新聞を活用する価値とは

 大槻記者から「新聞は宝箱」だと学んだ。記事内容だけでなく、広告や見出しのつけ方など、どの教科にも活用することができる。教師の使い方次第で価値ある教材となる。

―新聞記者が授業に参加する価値とは

 現場を見る記者の言葉には説得力がある。記者と教師で役割分担をし、双方の視点からひとつの授業をつくることで、子ども達に対する学習効果が高まる。まさに教師と記者の思いのコラボレーションだと思う。

―中高生へメッセージを

 今になって「中高生の勉強をもう一度やりたい」と思う。世の中を知れば知るほど、おもしろくなって勉強をしたくなる。新聞に限ったことではないが、自らアンテナを張り貪欲に生きてほしい。

【NIEとは?】
 NIE(エヌ・アイ・イー)とは、「Newspaper in Education(教育に新聞を、の意味)」の英語の頭文字を取ったもので、教育の場で新聞を活用しようという活動のこと。1930年代にアメリカで生まれ、日本では1985年、宮城県では1989年から、学校と新聞社の連携によりはじまった。現在、NIE実践指定校の小中高12校を中心に、新聞を授業などに取り入れている。なお、小学校で2011年4月から、中学校で2012年4月から実施される新学習指導要領では、「新聞の活用」が明記されている。


【関連記事】
俵万智さん公開授業 宮城県NIE20周年研究大会(2/2ページ)

取材先: 榴岡小      (タグ:

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