(7896)
2017年 04月 25日 (火)

ものづくりの原点、再確認 TOHOKUものづくりフォーラム

2009年8月25日公開

 経済産業省などによる「第3回ものづくり日本大賞」の受賞者が東北地域から選ばれたことを記念し、「TOHOKUものづくりフォーラム」が21日、仙台市内のホテルで開かれた。

 東北からは、「マクセルファインテック」(宮城県亘理町)の鈴石光信さんら8人、「佐藤繊維」(山形県寒河江市)の佐藤正樹さん、「オリエンタルカーペット」(山形県山辺町)の半田繁さんら10人が、内閣総理大臣賞に次ぐ経済産業大臣賞に選ばれた。また、特別賞には加美電子工業(宮城県加美町)の早坂裕さんら10人が選ばれた。

 ものづくり日本大賞は、日本の産業・文化を支えてきた「ものづくり」の継承・発展のため05年に創設。製造・生産現場の中核となる人材や伝統的・文化的な技を支える熟練者、将来を担う若手らを表彰する。

 経産大臣賞の受賞は全国で21件あり、東北では3件。特別賞は全国11件のうち、東北は1件。フォーラムでは受賞者紹介のほかに、優秀賞2件、東北経済産業局長賞11件の表彰があった。

東北経済産業局長の数井寛さん

 東北経済産業局長の数井寛さんは「ものづくりは、人々の生活を向上させ豊かにする、創造的な営みの源。物事を創意工夫して改善する日本の国民性は、ものづくりに強みを発揮できる。製造現場で地道に努力し成果をあげる人に光を当て、そこに携わる人の意欲を高め、その存在を広く社会に知ってもらいたい。ものづくりが、地域経済を牽引することを期待している」と話している。

 他の受賞者は次の通り。

◆優秀賞
【製造・生産プロセス部門】阿部正人さん(ヨコタ東北=山形県新庄市)ら4人【製品・技術開発部門】武藤要さん(ティ・ディ・シー=宮城県利府町)
◆東北経済産業局長賞
【製造・生産プロセス部門】渡部洋己さん(住田光学ガラス=福島県南会津町)ら6人、上野隆一さん(ウエノ=山形県鶴岡市) ら6人【製品・技術開発】村上信博さん(MECARO=秋田県潟上市)ら7人、八木澤勝夫さん(フミン=福島県福島市)、海野六郎さん(ウンノ土地=福島県いわき市)、後藤隆司さん(日進工具=宮城県大和町)ら10人、小山下雄治さん(ファインラバー研究所=福島県泉崎村)ら8人、山影幸治さん(冨士ダイス=福島県郡山市)、山口至さん(トライポッドワークス=仙台市青葉区)ら4人、高松輝賢さん(クラーロ=青森県弘前市)ら7人【伝統技術の応用部門】今野宏さん(秋田今野商店=秋田県大仙市)ら6人


受賞者インタビュー:ものづくりへの思い 中高生へのメッセージ

高精度ハードシリコーンレンズ 大量生産・低コスト化を実現
/マクセルファインテック(宮城県亘理町)の鈴石光信さんら8人

マクセルファインテック(宮城県亘理町)の鈴石光信さんら8人が開発したエジェクタピンレス樹脂成形生産システム

 LED用レンズ用途として有望視されるハードシリコーンは、取扱いの困難さから、安定生産に課題があった。鈴石さんらは、長年培ってきた金型加工技術と成形技術により、従来ピンで押出していた成形品を超音波による微振動で離型。このエジェクタピンレス樹脂成形生産システムの開発により、高精度ハードシリコーンレンズの大量生産・低コスト化を実現した。


鈴石光信さん

鈴石光信さんの話:「はかる」大切さ
 ものづくりでは、加工技術だけでなく測定技術も大切。我々は特に、測定技術を意識している。例えば「小さい」ものをつくるとき、どれくらい「小さい」かを客観的に「はかる」ことが、具体的なものをつくる上で大切だ。小さな頃から「はかる」を意識することは大切なことだ。


世界唯一のニット糸商品を開発 世界ブランドに
/佐藤繊維(山形県寒河江市)の佐藤正樹さん

従来のモヘア糸(左)と、佐藤繊維(山形県寒河江市)の佐藤正樹さんが開発したモヘア糸(右)

 アンゴラヤギの毛を、業界で限界とされていた細さのさらに半分程度まで細くし、柔らかで繊細な極細モヘア糸を開発するなど、古い紡績機械を駆使しながら様々な特殊紡績糸を開発。これまでに類のない独特の風合い、質感、触感を持つニット製品の開発を可能にした。ミシェル・オバマ米大統領夫人が大統領就任式で着用したニットカーディガンにも使われるなど、世界のファッション界に新風をもたらしている。

佐藤正樹さん

佐藤正樹さんの話:地方でものづくりをする意味
 東京のトレンドを追いかけるのではなく、自分たちがつくりたいものをつくって世界へ発信するのが、地方でものづくりをする意味。東京にはたくさんのマーケット情報があり、東京の財産は何かを皆が知っている。けれども山形や仙台の財産は、まだあまり知られていない。東京の大学へ行くのも良いが、これからは山形や仙台に帰ってくるのも良いと思う。ここには、自然も、情報も、文化もある。自分たちの土地を、よく見てみるのが面白い。

手刺じゅうたん 伝統技術に卓越したデザインを融合
/オリエンタルカーペット(山形県山辺町)の半田繁さんら10人

オリエンタルカーペット(山形県山辺町)の半田繁さんら10人が開発した手刺じゅうたん

 下絵を描いた生地に、特殊な工具で羊毛糸を刺してつくる手刺じゅうたんを制作。豊かな色彩を使って独自の「グラデーション」を表現したり、国内唯一の「化学洗濯つやだし加工」技術でシルクのような光沢や自然な風合いを表現した。フェラーリのデザインも手掛けた世界的工業デザイナー奥山清行さんとのコラボレーションにより、伝統技術と卓越したデザインを融合させた。

代表取締役の渡辺博明さん

代表取締役の渡辺博明さんの話:素直さが大事
 ものづくりには、最先端のものと伝統的なものがあり、我々の技術は後者。日本を支えてきたものづくりを、これからの日本にどう根付かせていくか、日々考えている。
 ものづくりもサービス業。サービス業には素直さ、つまり吸収する力が大事。素直さがなければ、ものづくりも他の仕事もうまくいかない。学生時代に「教えられ上手」の素質を身につけ、自分の中で生かしていくことが大切だ。

有害化学物質フリー 革新的な塗装プロセスを開発
/加美電子工業(宮城県加美町)の早坂裕さんら10人

加美電子工業(宮城県加美町)の早坂裕さんら10人が開発した、有害化学物質フリーの革新的な塗装プロセス

 有機溶剤の代わりに二酸化炭素を希釈剤として用いることで、有害化学物質フリーの革新的な塗装プロセス開発に成功。塗装時の大気中への有害化学物質の排出を大幅に抑制した。産総研東北センターや県産業技術総合センターと連携して開発。自動車の車体や内装部品、家電製品などへの適用が期待されている。


早坂裕さん

早坂裕さんの話:世界初の技術へチャレンジ
 塗装など表面処理加工が事業の中心。塗料を大量に使うため、有害化学物質の環境負荷が気になっていた。産総研で偶然この話を聞いたとき、「無理だ」と思わず「おもしろそうだ」とチャレンジしたことが開発のきっかけ。スタッフは苦労したが、あるとき良いアイディアが浮かび、うまくいった。産総研東北センターや県産業技術総合センターとの連携があって、できたこと。今後、どうにかして世に出したい。うまくいくか・いかないかは、わからない。けれども世界初の技術を、宮城発の技術として、ぜひ実現させたい。

▲このページのトップHOME


コラボレーション

ハワイ惑星専用望遠鏡を核とした惑星プラズマ・大気変動研究の国際連携強化)×宮城の新聞
東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)×宮城の新聞
宮城の新聞×東北大学理学部物理系同窓会泉萩会
KDDI復興支援室×宮城の新聞インタビュー
宮城の新聞×東北大学大学院 理学研究科 地学専攻 塚本研究室
宮城の新聞×生態適応グローバルCOE

おすすめ記事

【特集】宮城の研究施設

一般公開特集

【特集】仙台市総合計画審議会
参加レポート

仙台の10年をつくる

【社会】社会って、そもそもなんだろう?





カテゴリ の記事一覧

同じ取材先の記事

取材先: 東北経済産業局 の記事一覧


▲このページのトップHOME

社会って、そもそもなんだろう?
最新5件



カテゴリ


取材先一覧

■ 幼・小・中学校

■ 高校

■ 大学

■ 国・独立行政法人

■ 自治体

■ 一般企業・団体


宮城の新聞
仙台一高
宮城の塾
全県一学区制導入宮城県内公立高校合同説明会をレポ
宮城の人々