現役の学校職員を表彰 仙台市教育委員会
2009年02月18日公開
仙台市では平成16年度から、現役の学校職員を表彰している。教育の現場では、どのような点が評価されたのか。また表彰された学校職員が普段心掛けていることは何か。受彰者に聞いた。
17日に仙台市教育センターで開催された教育功績者表彰式のようす
市教委による現役学校職員の教育功績者表彰式が17日、仙台市教育センター(宮城野区鶴ヶ谷)で開かれた。市内小中学校から今年は28件の推薦があり、その中から教諭6名、養護教諭1名、事務職員1名、学校用務技師3名の計11名の職員が選ばれ、表彰状などが贈られた。
退職者が主対象となる表彰式とは別に、現役学校職員を教育功績者として表彰するのは今年で5年目。同市教委は「指導や業務に疑問をもたれるような教職員がいる一方で、優秀教職員もいる。地道な努力を重ね成果をあげている学校職員を表彰し、その功績に報いたい」 としている。
各受彰理由・受彰者インタビュー
▼人との関わりを重視 小野雄一さん(上杉山通小教諭)
小野雄一さん(上杉山通小教諭)
上杉山通小は、同市教委から「自主公開校」の認定を受け、昨年度から2ヵ年にわたり英語活動を通した「だれとでも進んでかかわり合おうとする児童の育成」の授業づくりに取り組んでおり、小野さんはその研究主任として職員をリードした。また地域の組織「かみすぎねっと」と連携し、保護者や地域とのコミュニケーションづくりに貢献した。
小野さんは「人と関わることが一番大切なこと。子どもの思いに寄り添いながら、子どもにもコミュニケーションを求めていきたい。人との関わりが教育のきっかけとなるはず」と話している。
▼多様な教育ニーズに応える 後藤景子さん(小松島小教諭)
小松島小は、文部科学省「特別支援教育研究開発学校」の認定を受け、「障害のある児童一人一人の教育的ニーズに応えるための教育的支援を目指す教育課程と指導方法等の実践的な研究開発」を平成18年度から3ヵ年行っている。後藤さんは研究主任として、専門外にもかかわらず、研究をリードした。
▼児童の探求力を育成 庄子裕さん(作並小教諭)
庄子裕さん(作並小教諭)
庄子さんは、作並の自然を生かした「自然観察活動」など、理科学習の環境作りに励んでいる。また「土曜科学教室」を主宰するなど、児童の探求力を育成している活動が評価された。
庄子さんは「生徒だけでなく自分自身も理科を楽しむ姿勢が教育の基本。先生方も含め、地域の方々のご協力あっての受彰」と話している。
▼一時間の授業を大切に 三浦弘幸さん(市名坂小教諭)
三浦弘幸さん(市名坂小教諭)
市名坂小は、同市教委から「自主公開校」の認定を受け、昨年度から2ヵ年にわたり「ゆたかに学び合う市名坂の子ども ~子どもが本気で考えることができる授業づくりを通して~」を研究、三浦さんはその推進に尽力した。またICT(情報コミュニケーション技術)を活用した考える力を伸ばす授業の実践や、各学年のICT活用力向上に努める姿が高い評価を受けている。
三浦さんは、「一時間の授業を大切にしている。ただし授業の一人歩きでは意味がない。児童生徒理解を深め、子ども中心の授業づくりを心掛けている。受彰は個人の力で為し得たことではなく、今までいろいろ教えて頂き、ともに実践して頂いた多くの方々の努力の結晶」と話している。
▼自分の地域を大切に 岡田雅彦さん(東華中教諭)
岡田雅彦さん(東華中教諭)
修学旅行研修に宮城DC(ディスティネーションキャンペーン)活動を導入し、社会体験学習としての郷土愛醸成やボランティア精神育成を実現した取組など、独自の企画力と実践力で学年経営に力を注いでいる。生徒らが仙台市長から「仙台観光親善大使」に委嘱され、東京都下で活動した実践は県内各地に報道されたり、市政だよりで紹介された。
岡田さんは「子どもが"楽しい"ことは、私たち教師も夢中になれるもの。ただし単に"楽しい"ではなく、"こうありたい"を取り入れたい。海外で生活した経験から、まわりに憧れるばかりでなく、自分たちの足元である日本・仙台を大切にしたいという願いがある。子ども・保護者・教師それぞれの願いをうまく融合させる形で教育し、子ども達を成長させたい」と話している。
▼当たり前のことを当たり前に 柴田裕之さん(八乙女中教諭)
先見性、計画性、実効性のある学年経営を行い、学習指導をはじめ道徳指導、副教務主任、副研究主任として、教務主任や研究主任を下支えした功績が評価された。校内学力向上プロジェクト長として、調査研究、分析、対策を練り効果を上げている。学年PTAの役員から「役員をやって良かった」という感想が多数寄せられるなど、実効性のあるPTA活動を企画して実践した。生徒指導の面でも保護者や生徒から絶大な信頼があり、昼夜を問わず非行並びに不登校の生徒に対応する姿が評価された。
柴田さんは「生徒の気持ちになり、生活や勉強など、当たり前のことを当たり前にできるよう、日々生徒を考え、学校を考え、広い視野を持って将来を考えられるよう心掛けている。皆の代表としての受彰を嬉しく思うし、"もう一度、基本にもどれ"という機会と受けとめ、これからも精進したい」と話している。
▼「いのちの教育」を実践 粉川妙子さん(木町通小養護教諭)
粉川妙子さん(木町通小養護教諭)
学年毎の発達段階に合わせ、1年生から6年生まで系統的に性(生)教育「いのちの教育」を指導した実践は評価が高く、在仙の大学や関係機関から講師の依頼が数多く寄せられている。保護者向けの健康相談活動を積極的に行っており、保健室を訪れる保護者の姿が連日見られる。また不登校児と積極的に関わり担任と連携して心のケアを図るなど、不登校児を復帰させた実践力と信頼性は群を抜いていると評価された。
粉川さんは「小学校には、様々な背景をもった子ども達が集まる。子ども達を複眼的に見る目のひとつが、保健室。子ども達には、自他のいのちを大切にすることを伝えたい。取組みは、色々な先生方に恵まれ、まわりの理解と協力あって為しえたこと。それをまた子ども達へ返していきたい」と話している。
▼仕事の枠を超えた学校全体の改善 菅原淳さん(南光台小主幹兼事務長)
菅原淳さん(南光台小主幹兼事務長)
学校事務を迅速かつ正確に執行し、かつ細やかな気配りができると評価された。また、地震などの際には、夜間であっても真っ先に学校に駆けつけ、被害状況を確認し、復旧活動に当たっている。不登校児童と上手にラポート(親近感)を取りながら、事務室で個別対応や学習指導をすることで教室復帰へと導いた功績が評価され、対象児童の保護者から今回の功績者表彰推薦文も出ている。
菅原さんは「学校の事務は年々多忙化している。一校につき一人ずつ配属される事務職員として、自分の仕事だけでなく、学校全体の改善や効率化に取り組みたい」と話している。
▼模範となる業務姿勢 鈴木保男さん(八木山小主任)
鈴木保男さん(八木山小主任)
小破修理などに限らず、学校内が円滑に運営されるよう常に気を配り、時間を惜しまずに業務に取り組んでいる。勤勉に業務に取り組む姿は、他の職員の模範となると評価された。同僚の業務を進んで手助けしたり、積極的に助言したりするなど周囲と連携し、職場を安定したものにしている。
鈴木さんは「子ども達が安全に過ごせるよう、環境整備を行っている。子ども達はきちんと見ているので、手本となるよう心掛けている。特別なことはしていない。仕事の中で、考えてやっているだけ。表彰を頂いて良いのだろうか。けれども認めていただき、嬉しい」と話した。
▼生徒と一緒に花を育てる 相原哲夫さん(第二中主任)
相原哲夫さん(第二中主任)
マリーゴールドやパンジーの草花、伝統の「菊作り」など、生徒と一緒に花を咲かせるよう工夫努力している。生徒とともに定禅寺通りの落ち葉を集めて「土作り」をするなど、学校周辺の環境をうまく利用した取り組みをしている点も評価された。生徒、保護者、地域住民、同窓会からの信頼も厚い。
相原さんは「朝一番にまず学校を一周し、安全確認をしている。中学校はものが壊れやすいので、日々色々と仕事がある。近くはマンション多い町場のため、花を種から育てる体験は子ども達にとって新鮮なようだ」と話している。
▼手づくりでものの大切さ教える 大場晋二さん(西山中主任)
大場晋二さん(西山中主任)
学校にあるものを再利用することを通して、ものを大切にすることを生徒に教えている。生徒と積極的に関わり、生徒と信頼関係を築いている姿は他の職員にも良い影響を与えていると評価された。PTAの父親と除草作業などで協力して任務に当たっており、PTAや地域からの信頼も厚い。各種の技能を持ち合わせ、必要な備品などを自分で制作し、教育活動の円滑化に寄与している。
大場さんは「校舎を綺麗にすれば、子ども達も丁寧に使ってくれるようになる。"こんなものがあったらいいな"をつくることが好きで、校長先生とも一緒につくったりする。子ども達も、わたしがつくったものだと知っているので、汚さず丁寧に使ってくれる。私は受彰できる立場ではないと思うが、これからも頑張っていきたい」と話していた。
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