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2017年 08月 19日 (土)

彼女たちのさりげない会話から見える、「科学の面白さ」とは?

取材・写真・文/大草芳江 2008年1月23日公開

科学のおもしろさを伝える東北大学・サイエンス・エンジェルメンバーたちの、さりげない日行会話から、科学のおもしろさって何?を考えます。

写真左/平井雅代さん(生命科学研究科・【専門】花)
写真右/丸山紗知さん(農学研究科・【専門】野生動物)

ボーっと見るのと、興味を持って見るのでは、見えるものが違います。

(野生動物専門の丸山さん)
鳥専門の人たちって、鳥を見つけたら、即効しゃがむんですよ(笑)

(花専門の平井さん)
なんで?

(野生動物専門の丸山さん)
鳥に見つからないように。
しかも鳥専門の人って、動体視力もすごい。
「飛び方がまっすぐっぽい、リズムっぽい」とか、遠くからもなぜか良く見える。

(花専門の平井さん)
うちの研究室の人たちは、花屋に行くと、食いつき方が違いますね(笑)
単に「きれいだね~」っていう反応では終わりません。
これはああじゃない、こうじゃない、と、花屋ですごく楽しめます。

(野生動物専門の丸山さん)
一般の人から見ると、熱中しているほど変な人に見えるかもしれないけど、
本人から見れば、ごく自然で当たり前のことなんですよね。

(花専門の平井さん)
ボーっとしていると単なる景色に終わってしまうものが、
面白いと思うことがあると、急に対象として見えるんですよね。

(野生動物専門の丸山さん)
最近、私、遠くから見ても木の種類を同定(生物の名前を判断すること)できるようになったんですよ。
前は、近くまで寄らないと同定できないものだと思っていたのですが。

(花専門の平井さん)
へ~、私には、近くによっても、
せいぜい常緑樹だなぁとか、秋だなぁ、という風にしか見えないなぁ。

―興味の違いによって、同じものを見ていても、見えるものが違うのは面白いですね。
いずれにせよ、興味を持って世界を見てみると、世界が広がっていく感じがしますね。

(野生動物専門の丸山さん)
サイエンスが嫌いな人も、視点を変えるだけでいろいろな発見があるので、
ひとつのことを一方から見るのではなくて、いろいろな角度から見ると、
サイエンスがぐっと深い世界になります。
楽しいと感じて欲しいだけなんですけどね。

身のまわりの世界に興味を持って、見て欲しい。
おもしろい世界を知って欲しいです。

―なるほど。「世界のおもしろさを知って欲しい」ということですね。
その方法のひとつにサイエンスがあると。

(野生動物専門の丸山さん)
すべてがある意味、面白いんです。
興味を持って見てみれば、いろいろな世界があることに気づくはず。

―平居さんと丸山さんは、07年11月に開催された科学体験イベント
「サイエンス・エンジェルの体験科学ひろば@仙台市博物館」では、
遊歩道ツアーや落ち葉を使った工作を担当していますね。

(野生動物専門の丸山さん)
歩いていて普通には気づかなかったことも、
ちょっと視点を変えると面白い発見があります。
自分で発見できるようになるきっかけになるといいな。

例えば、この写真を見てみてください。何が見えますか?

―クモと、獲物がいますね。

実は、オスも捜すといるんですよ

―あ、本当だ。小さいけれども、確かにいますね。

オスがなぜいるかといえば、精子を渡す機会を狙っているんです。
でもあまり近づきすぎると、メスに食べられてしまいます。

―メスが強い社会なのですね

それに、この写真ではわかりにくいんですが、クモの糸は黄色なんです。
だから、別名コガネグモといいます(※注釈へ)。

―ただ見るだけでは、気づかないものですね。

普通に見ると、「クモの巣があった」「クモがいた」だけですが、
よく見てみると、いろいろな発見があります。
サイエンスって、たいていそういう感じだと思うんです。
「ひとつこういう見方があるんだ」ってわかると、他のものも見たくなる。
じゃあ、カマキリも見てみようかなというように。
そうやって、広がっていってくれるとうれしいなって思います。

「興味を持って見てみれば、いろいろな世界があることに気づく。
そうなると他のものも、もっと見たくなる。
そうやって世界が広がっていくと、もっともっとおもしろくなっていく」
サイエンス・エンジェルたちのメッセージが等身大であればあるほど、
理系少女育成のロールモデルとしての役割が果たされることを実感しました。
「サイエンス・エンジェルの体験科学ひろば@仙台市博物館」の詳細については、
公式ホームページにまとめられていますので、そちらをご覧ください。

「サイエンス・エンジェルの体験科学ひろば@仙台市博物館」

【大草芳江】

※注釈(野生動物専門の丸山さんより)

標準和名「ジョロウグモ」の別名として「コガネグモ」を出しましたが、「コガネグモ」という標準和名の種がいます。

日本本土において、一般的によく知られている黄色と黒色をしたクモは、「コガネグモ」「コガタコガネグモ」「チュウガタコガネグモ」「ナガコガネグモ」(←これらはすべてコガネグモ科コガネグモ属)、そして「ジョロウグモ」がいます。(このジョロウグモというクモは、一般的なクモでありながら分類が一定でなく、古くはコガネグモ科、2000年にはアシナガグモ科、2006年にはジョロウグモ科(新科)として分類されています。)

「コガネグモ」と「ジョロウグモ」はよく見ればもちろんまったく違いますが、見た目がやはり少し似ているので、地方によって呼ばれ方が変わったりします。コガネグモのことをジョロウグモと呼ぶ地方もあれば、これらコガネグモ科の近似種すべてをジョロウグモなどと呼ぶ地方もあります。

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