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2017年 06月 28日 (水)

サイエンス・エンジェルへの期待と、中高生読者へのメッセージ
野家 啓一 さん(東北大学副学長、文学研究科・文学部教授)

2008年1月23日公開


 「理科離れ」問題が叫ばれて久しいですが、日本の女子中高生は、数学・理科の成績共々、男性と比較して劣っているわけではありません。しかし大学進学となると、理系への進学率が、がたっと落ちます。これには、両親の理解、社会の考え方などもあると思いますが、身近にロールモデルがいないことが影響していると思います。

 そこで、現場で研究に関わっている大学院生が、「お姉さん」のように身近な存在で、女子中高生に「研究するってなんてかっこういんだろう」と感じてもらおう、と思ったのがサイエンスエンジェル(以下、SA)をつくったきっかけです。科学に興味を持ってもらい、科学の楽しさや面白さを、「お姉さんもやっているなら、自分たちにもできる」と身近に感じてもらえればと思っています。今回のような博物館でのパフォーマンスや、出身校への出前授業、サイエンスカフェでのファシリテーターなど、市民と科学、中高生と科学との橋渡し役になってもらおう、というわけです。

―身近な存在、というのがよいのでしょうね

 教授ですと、手が届かない存在だと思ってしまうところがあります。けれども院生ならば、「自分でもなれる」と思ってもらえるメリットがありますね。今年もSAを募集しましたが、51名と、応募がとても多かったんです。けれどもSAには国の科学振興のお金を使っているので、使えるお金は限られています。そのため応募者全員がSAになれたわけではなかったのですが、土日に来ていただいて、時間に見合った分、賃金が出ます。大学からの制度として位置づけているのです。

―来年度までのプロジェクトと伺いましたが、その後は?

 来年度以降は、検討中です。しかしながら、このような取り組みを行ったのは東北大が初めてでしたので、メディアからの注目度も高いですし、成功しているプロジェクトですので、大学としても続けていきたいと考えています。実は、「サイエンスエンジェル」、流行語大賞を狙っていたのですけどね(笑)。川島先生はとられましたが。エンジェルという言葉は、嫌いな方もいるようですが、受胎告知、神のメッセージを伝えるのがエンジェルですから、科学の面白さを伝えるメッセンジャーとして最適な名前だと考えています。

―最後に、中高生読者へのメッセージをお願いします

 いろいろな選択肢があるかと思いますが、科学を学び科学者になるのは、男性だけではありません。固定概念にとらわれずに、自分の興味を追求して欲しいですね。その選択肢に、研究者も入れていただければと思っています。中心にあるのは、自分の好奇心や情熱をかけられるものです。それを大切にして選んで欲しいですね。昨今、理科離れと言われていますが、今日このイベントに来ている子どもたちを見ていると、自然界への不思議を知りたいという欲望は、やはりありますね。自然界の不思議を解明することは、素晴らしいことです。ぜひ皆さんにも、食わず嫌いをせずに、科学に触れて欲しいと思っています。

【大草芳江】

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