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2017年 08月 19日 (土)

サイエンス・エンジェルへの期待と、中高生読者へのメッセージ
小谷 元子 さん(理学研究科数学専攻教授)

2008年1月23日公開


―小谷先生は、「サイエンス・エンジェル(以下、S.A)の生みの親」だと伺いました。

女性研究者には、超えなくてはならないハードルがあります。多様なモチベーションで、多様な科学をやっていることを理解してもらいたいと思っています。というのは、理系研究者への固定概念を外したい。科学の多様性や奥深さを知ってもらいたいというのが一番です。科学との多様な関わり方、科学も多様であるということを。

―科学は多様、というのは具体的にはどのようなことですか?

科学はある意味、個人的なものです。自分で価値があると思うものを探求していくことであり、奥が深く素晴らしいものです。それらをS.Aの活動を通じて、見て欲しいと思います。

日本は、他の先進国と比べて、女性科学者が少ないです。アメリカやヨーロッパでは、大学の理系学部の男女比は50:50ですが、日本ですと、70~80:20~30と、入学時から開いてしまいます。それは女性研究者に対して「女性はこうあるべき」という固定概念があるからだと思います。だから理科は好きだけどやっぱり・・・ということになってしまうのだと思います。

15歳では、男女に数学能力の差はありません。科学に対するイメージがないのではと思っています。だからこそバリエーションのある具体的なイメージを、S.Aの活動を通してもってもらえたらな、と思っています。

科学に従事する形はいくらでもあります。そのあたりを理解してもらいたいと思っています。

東北大に理系部局は全部で14局あり、各局のS.Aがいます。分野の多様性の他にも、モチベーションの多様性もあります。最先端のことが知りたい、いろいろ知りたい、など等。女子大学院生は様々なモチベーションで参加しています。具体的なイメージをもってもらいたいんです。でも今、きっとそれがないのだと思っています。

―小谷さん自身は、その多様性(モチベーション)のうち、どのような位置づけにいると思いますか?

自分が自分にとって大切だと思うことに、割と早く気づけてそれを仕事にできていることは幸福だと思います。自分のすべてをそれに使いたいというものに出会えて、幸福でした。

―いつ頃、「自分が自分にとって大切だと思うこと」に出会えたのですか?

中学生の頃です。

―当時を振り返ってみて、何かきっかけ等はあったと思いますか?

本を読んでいました。例えば、「無限」という概念を人間がどのように理解してきたか等、というような啓蒙書を読んでいました。でも啓蒙書というものは、どこか誤魔化してあるところがあるわけです。誤魔化してあるところは理解できません。その理解できないところをどのように考えたら理解できるのかを考えるのが好きでした。また、自分で勝手に勉強していたことに、先生が対応してくれたことも、今思えば恵まれていました。

―小谷さんは、科学に男女の違いはあると思いますか?

科学は個別的なもの。男性・女性で分けられるものではありません。ただ、社会的には、もともと制度や社会のしくみが男性が働くことが前提になっていることがあるので、そういった違いはあると思います。

―最後に、中高生へメッセージをお願いします。

世界は多様なので、自分の個性・興味を大切に育てて欲しいです。

【大草芳江】

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