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2024年 10月 16日 (水)

文化祭から見える高校の「今」(1/4)~宮城二女「二女高祭」編~



二女高祭 「根岸ンデレラ城 ~根岸でjump!がんばれ!二っ女ん~」

新校舎建設のため、根岸のプレハブ校舎へ移転中の二女高

 平成22年度から男女共学・併設型中高一貫校「仙台二華中・高(仮称)」として生まれ変わる宮城県第二女子高等学校(仙台市太白区根岸、久力誠校長)。

 現在は、新校舎建設のため、100年間過ごした連坊の地を一時的に離れ、仙台市太白区根岸町の仮校舎で、仙台二華中・高開校までの二年間を過ごしている。


08年度「二女高祭」パンフレット

 8月30日(土)、31日(日)の両日開催された今年の文化祭は、根岸のプレハブ校舎で開催するはじめての文化祭。戸惑いも多かったと言うが、「根岸ンデレラ城~根岸でjump!がんばれ!二っ女ん~」というテーマからは、環境の変化さえも吹き飛ばし、次へ進もうとするエネルギーが感じらる。文化祭テーマにも、学校の現状や校風を読み取る鍵があるのかもしれない。

 「根岸ンデレラ城」へ足へ踏み入れると、浴衣姿やメイド姿など色鮮やかな衣装に身を包んだ二女高生らが、元気よく出迎えてくれた。「城」内は、多くの男子高生や親子連れらでにぎわっていた。


 茶道部では、静かな雰囲気の中、老若男女が本格的な茶席を満喫した。茶道裏千家の千嘉代子前家元夫人は二女高OG。茶道部は、その関係で弟子の指導を受けている。校舎の移転で和室が狭くなった苦労があったが、部員たちは協力し合いながら練習を重ねてきた。


二女高校長の久力(くりき)誠さん

 同校の校風について、久力(くりき)誠校長は、「二女高生は、着実で堅実。これまで色々な学校を見てきたが、二女高生は、学ぶことにとても一生懸命で、優しさの絆が本当に深いと感じている。様々な現状を受け入れながら、次へと向かっていく強さが、二女高には伝統的にある」と話している。


地元商店街との連携深める

地元の若林区連坊小路「むにゃむにゃ通り商店街商興会」の皆さん

 仙台二華中・高として生まれ変わる二女高では、他校に見られない取組みが見られた。まずは、連坊に戻る時を見据えた、地元商店街との連携だ。地元の若林区連坊小路「むにゃむにゃ通り商店街商興会」を、模擬店として文化祭にはじめて招き、地域との連携を深めた。

 詳しくは、ニュース記事「文化祭で地域との連携深める 宮城二女高」をご覧頂きたい。


OGに聞く 宮城二女高の伝統

「新二華会館」建設基金募金応援バザーを開催した二女高OGら

 宮城二女高の文化祭では、OGの結束力も見られた。新しい同窓会館「新二華会館」建設基金募金を応援するために、OGがバザーを開催。日用品や野菜などを販売した。

 OGが文化祭に出店するのは、はじめて。「現役生の自発的で自由な姿を見て、非常に感動した」、「現役生と接して、のびのびとおおらかで、今を楽しんでいる気分が、十分に伝わってきた」と、OGらは感激した様子で話していた。

 創立104年の歴史ある宮城二女高。その縁の下を支えるのが同窓会だ。「日本に冠たる進学校」を掲げる「仙台二華中・高」へと生まれ変わる同校だが、その校風は伝統を踏まえたものになるであろう。

二女高OGの高橋弘子さん(左)と尾形紘子さん(右)

 では、二女高の伝統とは何か。同校OGの高橋弘子さん(75)に聞いた。

 主なやりとりは、以下のとおり。


― 当時のことを少し教えてください。

 昭和20年、ちょうど終戦の年、私は第二女子高等学校に入学しました。高等学校の3回生です。その頃、制服はヘチマ襟で、それがとても嫌でした。そこで制服制定委員会が立ち上がり、私が委員長になりました。制服の評判はそのままで、現在の二女高の制服だけでなく、仙台二華中・高でもそのデザインが引き継がれるようです。歴史が続いていくのは嬉しいことです。

― 今振り返った時、二女高で何を学んだと思いますか。

 二女高は進学校ですが、その前は良妻賢母、つまり社会に通用する女性を育てようという校風でした。知識を覚えるというよりも、何か問題意識を持った上で、どのように手をつけ、どのように取組み、どのように向かって勉強したらよいかを学んだ気がします。

― 二女高の気質、校風などはあると感じますか。

 私はファッション系の専門学校をやってきました。講演会などで「これからの人生を、もっと素敵に、もっとおしゃれに」をテーマに話をしてきましたが、ぐーっと体を前に乗り出して聞き入る人がいます。するとそれは大体、二女高の卒業生だったりするのです。二女高生は、生きる姿勢が前向きだと感じます。

 装いはあなたを語ります。二女高生は、服に負けません。二女高生には、付け焼刃ではない、中身があると感じます。自分を持っているからでしょう。

 二女高の卒業生は、色々な分野で活躍していますが、どの地方へ行っても、その地域で埋没しないで、頑張っていることを感じます。自分をつくり上げていて、地域に定着して、根っこを張っているのです。自分を育てているなと感じています。

 そして皆、少し、でしゃばりでオープンです。でもどの人も、ものを頼むと、ちゃんとこなしてくれます。

 一女高とは、雰囲気が違いますね。見れば、二女高生とわかります。「二女高じゃない?」と言うと、心を開きます。各支部に卒業生がいて、支部ごとにグループをつくり、年齢に関係なく、お互い面倒を見合っています。いい伝統だなぁと思いますね。

 人に助けられることもあります。どのまちにでも、卒業生はいますから、困ったら二女高生を訪ねれば良いのです。手を差し伸べることに、力を惜しまない人たちですから。

 45歳で総会の当番がまわってきます。ここで、二女高の先輩がどのように活躍してるか、もう一度見ることができます。先輩達の姿を見て、見習ったり、世の中のことを覚えたりします。役員会で育てられていくのですね。まさに、教育の場です。

― 男女共学化、中高一貫校へ生まれ変わることについて、どのように感じていますか。

 単に反対しても、世の中はそういう風に向かっています。命令されなくても、自分で何をすればよいのかを認識している人が役に立つのです。

 新しい二華会館を建てるための募金は、3億円中2億円集まりました。皆、同窓会のために身銭を切って、自分を引っ張っていく人たちなのです。新しい校舎の中に、二華会館。次の時代に関して、今までの伝統を重んじていきながら、私達の拠り所としての同窓会館です。私達にとっての希望、ですね。

 集まって、皆で進んでいきましょう。他校に比べ、絆が強いと思います。大学を卒業しても、高校での結びつきが大きいですね。

すなわち、自分の道は自分で切り開いていく、ということなのです。

次へ 仙台一高「壱高祭」


取材先: 仙台二華      (タグ: ,

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