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2016年 08月 29日 (月)

金子俊郎さん(東北大学工学部情報知能システム総合学科教授):プラズマ究め、拓ける新世界 取材・写真・文/大草芳江

2013年12月18日公開

プラズマ究め、拓ける新世界
-新ナノ物質の開拓から、医療・農業への応用、
核融合エネルギーの創生まで-

金子 俊郎 Kaneko Tshiro
(東北大学工学部情報知能システム総合学科教授)

1969年、宮城県生まれ。東北大学 大学院 工学研究科・工学部 電子工学専攻 教授、工学博士。宮城県仙台第一高等学校出身。1997年東北大学大学院工学研究科(電子工学専攻)博士課程修了。同年に東北大学大学院工学研究科助手、2004年に同准教授を経て、2013年より現職。主な研究テーマは、ナノ・バイオテクノロジーへのプラズマ応用、および核融合プラズマや宇宙プラズマで起こっている現象のメカニズム解明。趣味は、奇術。

一般的に「科学」と言うと、「客観的で完成された体系」というイメージが先行しがちである。 
しかしながら、それは科学の一部で、全体ではない。科学に関する様々な立場の「人」が
それぞれリアルに感じる科学を聞くことで、そもそも科学とは何かを探るインタビュー特集。

最近は、家電商品などでも耳にするようになった「プラズマ」。
今や、医療や農業にも応用されつつあるという。
ところで、プラズマとは、そもそも何なのだろうか。

プラズマを研究する金子俊郎さん(東北大学工学部教授)は、
「プラズマは、プラズマテレビや蛍光灯など身近な生活だけでなく、
自然界では、太陽やオーロラ、雷や蝋燭の炎もプラズマであり、
また、半導体微細加工やナノサイズの新素材をつくるツールなど、
世の中の多彩な科学技術の根幹と密接に関わっている。
さらに、夢の未来エネルギー「核融合」実現にむけた研究、
そしてプラズマは今、生命の神秘に入り込みつつある」と話す。

「プラズマは、世の中の色々なところで、もっともっと役立つだろう」と、
プラズマの可能性を語る金子さんに、プラズマ研究の魅力を聞いた。

<目次>
プラズマとは何か
プラズマを究め、未来社会に貢献
①新しい将来の電気(エネルギー)
②新しいものをつくる(ナノサイズの物質・材料)
③植物・動物・人間に作用する(医療・農業への応用)
④汚れた地球をきれいにする(環境の改善)
⑤宇宙へ飛び出す(フロンティア)
プラズマで新しいナノ物質をつくる
プラズマを医療や農業に応用する
自ら考え自ら行動できれば、何にでも役に立つ
学生インタビュー


金子俊郎さん(東北大学工学部情報知能システム総合学科教授)に聞く


プラズマとは何か

―「プラズマ」の名前はよく聞きますが、そもそもプラズマとは何ですか?

◆身近なプラズマ

プラズマは、非常に身近なんです。
自然界では、オーロラや雷、蝋燭の炎もプラズマです。

身近なところでは、蛍光灯もプラズマです。蛍光灯は、普通、電気を流して点けますが、電子レンジに入れてチンするだけで光ります(写真右)。(注:やりすぎると電子レンジが壊れるので、真似はしないでください)

皆さんがご存知のプラズマテレビも、テレビの小さな粒粒一つひとつを光らせるのに、プラズマが使われています。

◆プラズマは、電子と原子核がバラバラの状態

 物質が固体・液体・気体の状態をとることは、よく知られています。例えば、氷(固体)を温めると水(液体)、さらに温めると水蒸気(気体)になります。それでは、さらに気体にエネルギーを加えると、どうなるでしょうか。

 水は酸素と水素の原子からなり、原子は原子核と電子からなり、プラスの電荷を持つ原子核とマイナスの電荷を持つ電子が1対1で電気的に中性ですね。エネルギーをさらに加えることで、この電子が原子核の束縛から離れてバラバラになった状態、それがプラズマです。

 我々は、電子が離れて取り残された原子核を「プラスの電荷を持ったイオン」という言い方をします。プラスの電荷を持ったイオンと、マイナスの電荷を持った電子がバラバラになった状態でいるのが、プラズマです。

◆プラズマは、物質の第四の状態

 そのため、プラズマは固体・液体・気体につづく物質の第四の状態とも言われます。古代ギリシャ時代でも「四元説」といって、世界は「土」「水」「空気」「火」の4元素からなると考えられました。「地」は固体、「水」は液体、「空気」は気体、「火」とはプラズマですから、古代ギリシャ時代から、プラズマは世界を構成する4つの一つとして、認識されていたわけです。


プラズマを究め、未来社会に貢献

―そもそも金子先生はプラズマのどんな点に魅せられて研究をしているのですか?

◆夢の核融合エネルギー

 今から約60年前、「核融合」という、人工太陽を地上につくろうという研究が始まりました。実現すれば、今後のエネルギー問題を絶対に解決できる、夢の技術です。私も学生の頃、核融合に興味を持ち、この研究室に入ったのが、プラズマの研究を始めた最初のきっかけです。

◆ナノテクノロジーや生物にもプラズマ

 そして、約40年前から、半導体デバイスの製造など非常に小さなものをつくるのにも、プラズマが使えるようになってきました。ナノメートルサイズのカーボン(後述)もプラズマで作れます。さらに最近は、プラズマを生物と直接作用させることで、他では得られない効果が得られることもわかってきました。もっともっとプラズマは世の中の色々なところで役立てる技術じゃないか。プラズマを究めれば、世の中全てのものを究められるのではないか。そんなところに魅了されて、ずっとプラズマの研究をしています。

―なぜプラズマは、それほど幅広い分野で役に立てるのですか?

◆なぜプラズマは役立つのか

 電子が原子核から離れてバラバラになった状態を維持している、エネルギ―の高い状態である点がポイントです。それがプラズマが色々なことに使える一つの理由です。エネルギーの高い状態であることが、原子核と原子核を融合させる力に働いたり(核融合)、非常に小さなものを削ったり、非常に細い線を引くのに使えたり(半導体微細加工技術)。新物質をつくる時、何かをつなげる時にエネルギーが必要ですが、プラズマのものとものをつなげるエネルギーを使ったり。生物に対しては、「ラジカル」というエネルギーを持った粒子が作用します。

―では、プラズマは世の中ではどのように使われているのでしょうか?

◆社会に役立つプラズマ

 プラズマは世の中の色々なところで使われており、大きく分けて次の5分野があります。我々の研究室では、このうち、①②③について研究しています。

①新しい将来の電気(エネルギー)
②新しいものをつくる(ナノサイズの物質・材料)
③植物・動物・人間に作用する(医療・農業への応用)
④汚れた地球をきれいにする(環境の改善)
⑤宇宙へ飛び出す(フロンティア)


①新しい将来の電気(エネルギー)

◆人工太陽を地上につくる(核融合)

 右の写真は、人工衛星が撮影した夜の地球です。光っている場所で、エネルギーが使われています。欧米や日本だけでなく、インドや中国も明るくなっていますし、これからアフリカや南アメリカも明るくなるはずです。すると、エネルギーがいくらあっても足りなくなります。これから新しいエネルギーを考えなければいけません。

 太陽電池や風力などの自然エネルギーももちろん大事ですが、もう少しエネルギー密度の高い発電を考える必要があります。その一つの候補に、先程も少しお話した、地上に人工太陽をつくろうという核融合研究が約60年前に提唱され、実現に向けて研究が進められています。現在、国際協力で巨大な核融合装置(国際熱核融合実験炉:ITER)が、南フランスに建設中です。我々の研究室でも、後述する通り、基礎実験で、核融合発電の開発に貢献しようという研究をしています。

◆核融合とは

 水素と水素が融合してヘリウムになることを、核融合反応と呼びます。水素には3種類あり、普通の水素は、原子核に陽子が1個だけですが、陽子1個と中性子1個からなる「重水素」と、陽子1個と中性子2個からなる「三重水素」があります。重水素と三重水素を何らかの方法でくっつけると、陽子2個と中性子2個のヘリウムと、余りの中性子1個に分かれます。

 この時、反応前の重水素と三重水素の重さと、反応後の中性子とヘリウムの重さを測ると、反応後の質量が少しだけ減っています。減る理由はいろいろありますが、エネルギー(E)は質量(m)に等価で、その関係式はE=mc2で表せるという有名なアインシュタインの式がありますね。質量(m)に光速(c)の2乗が掛かりますので、ほんの僅かだけ質量が減るだけで、それが非常に大きなエネルギーとなって外に放出されます。

 そのエネルギーを発電に使おうというのが、核融合発電です。原料となる重水素は、海水中などいろいろな場所にあります。よって、この核融合装置が完成すれば、世界中どこでも発電できるようになる、まさに夢のエネルギーです。

◆プラズマの揺らぎの発生・抑制機構を研究

 我々の研究室では、ITERのような大きな装置の中で、どんなことが起こっているかを明らかにする基礎的な実験を行なっています。特に「プラズマの揺らぎ(不安定性)」(装置の中で、「揺らぎ」がどんどん成長してしまうと、プラズマ中の電子やイオンが装置の壁に逃げてしまい、核融合ができなくなってしまう)と呼ばれる現象について、発生と抑制のメカニズムを研究しています。


②新しいものをつくる(ナノサイズの物質・材料)

◆ナノサイズとは?

 プラズマで、ナノサイズの新しいものをつくることもできます。「ナノメートル(nm)」は聞いたことがあると思いますが、実際、どれくらいの長さでしょうか?まず、単位で言いますと、メートル(m)の1000分の1が1ミリメートル(mm)、その1000分の1がマイクロメートル(μm)、そのさらに1000分の1がナノメートル(nm)です。例えば、髪の毛の太さは数十μm、赤血球の大きさは数μm、インフルエンザウイルスの大きさは数百nmです。では、数nmの大きさのものは?と言うと、DNAの幅くらいですね。

◆ナノ物質をプラズマでつくる

 「カーボンナノチューブ」や「フラーレン」、「グラフェン」といった炭素からできた物質も、ナノメートルサイズです。後述するように、それらもプラズマを使って長さや太さなどを制御してつくることができます。また、つくったナノカーボンの中に、原子や分子、DNAなど別のものを入れることも、プラズマを使って可能です。

 新しいナノ物質をつくることで、「量子コンピュータ」という、非常に高速で今まで解けなかった問題を解けるような、これまでとは全く異なる新しいコンピュータをつくれるようになるかもしれません。


③植物・動物・人間に作用する(医療・農業への応用)

◆プラズマで生物の成長を促進

 これは我々の研究ではありませんが、キノコにプラズマを当てると、プラズマを当てない原木と比べて、キノコがたくさん生えたという研究結果があります。雷はプラズマですから、雷で空気中の、例えば酸素や窒素がプラズマ化することで、何らかの成分が成長に効くのでしょう。我々の研究室でも十数年前、プラズマを水の中に入れて、金魚を育てたことがあります。すると、プラズマを当てた金魚は、プラズマを当てない金魚に比べて、随分と大きくなりました。

 ただし、巨大化した金魚をつくったわけではありません。普通に育てても、約1年で金魚はこの大きさになります。それがプラズマを入れると、約半年でこの大きさになるのです。つまり、プラズマを入れることで、何らかの理由で成長が促進されるのでしょう。現在は、ニジマスなど魚の養殖業へもプラズマは応用されています。

◆プラズマで治療

 プラズマには生物の成長を促進させる働きがあることにヒントを得て、現在、プラズマを直接体に照射することで、傷を治す研究が世界的に行われています。空気中でプラズマをつくる技術が登場し、人体に直接プラズマを当てることができるようになったためです。手で触れられるプラズマを傷に当てることで、重度の火傷の治りが非常に早くなるケースがあります。

 傷の治りが早くなる原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、いろいろな説があります。例えば、プラズマが細胞分裂を早めるとか、プラズマが菌を殺すことで炎症が起こらずに傷が治るなど。その原因を今、世界中が研究しているのです。

 また現在、世界中で盛んに行われているのが、プラズマを使った血液の凝固です。これまでの手術では、熱で火傷を負わせ、瘡蓋をつくることで、血液を固めていました。しかし、瘡蓋から癒着という後遺症が起こる場合があります。そんな中、プラズマで血液を固めると、プラズマの何らかの成分が、血液が自ら固まることを促進させるようで、後遺症が非常に少ないという報告があります。

◆プラズマで遺伝子導入

 さらに、プラズマを細胞に当てると、細胞の働きが活発になることを利用して、遺伝子治療やiPS細胞の作成に必要な「遺伝子導入」を行おうという研究も行われています。2012年ノーベル賞受賞のiPS細胞は、もともと皮膚か何かだった細胞に、何らかの遺伝子を3、4つ導入することで、細胞が初期化され、どんな細胞にでもなれるというものです。この時、遺伝子導入が必要になります。

 細胞への遺伝子導入方法は、既にいくつかありますが、それぞれ長所・短所があります。最も利用されている遺伝子導入方法では、遺伝子は入りますが、少し効き目が強過ぎて、細胞が半分くらい死んでしまいます。他の方法では、細胞は死ににくい一方、なかなか、遺伝子が入りにくい問題があります。そこで、細胞があまり死なずに、かつ細胞に遺伝子が入る方法が今、求められているのです。

 そんな中、プラズマがそれを実現できるのでは、と期待されています。細胞にプラズマを当てると、細胞中に遺伝子が、ひゅっと入ってしまうのです。プラズマを使うことで、非常に高効率で低侵襲に、どんな細胞にでも入るような技術を実現できるのではないか。そのような研究を、我々の研究室では実験的に行っています。

◆プラズマで無農薬農業

 そして、プラズマは今、農業への応用も盛んに研究されるようになっています。植物に発生する病気や害虫をプラズマで殺してあげよう、というものです。すると、農薬を使わなくて済みます。

 農薬の場合どうしても植物上に残留してしまい、人間にとって有害です。しかし、プラズマはガスですから、殺菌に使われなかったプラズマは、空気中の酸素などと結びつき、水などの無害なものに変わります。プラズマを使うことで、野菜などに有害物が残留せずに殺菌でき、人体に安全な無農薬野菜を実現できるのでは、という研究を我々は行っています。


④汚れた地球をきれいにする(環境の改善)

 残りの2分野は、我々の研究とは異なりますが、一般的な話として、簡単に説明します。

◆プラズマで色素やアオコを分解

 先程の殺菌と同じ話ですが、部屋の中にいる菌などをプラズマで殺したり、水の中の汚染物質をプラズマで分解します。例えば、汚い色の水の中でプラズマを発生させると、水中の色素が分解されて透明になります。

 また、アオコの除去にプラズマが使われています。池や沼でアオコが発生すると、水中に光が入らなくなり、中の生物が育たなくなる問題があります。アオコをプラズマで処理すると、アオコの浮袋が破裂し、アオコが沈みます。池の底は光が弱くなるので、アオコは光合成ができなくなり、死んでしまいます。

 このほか、排気ガスをプラズマで分解して無害化するなど、環境改善のいろいろな場面でプラズマは使われています。


⑤宇宙へ飛び出す(フロンティア)

◆プラズマエンジン(イオンエンジン)

 最後は、宇宙への応用です。普通のロケットは、液体燃料を燃やし吹き出すことで推進力を得ます。ちょうど先日発射した日本のイプシロンロケットは、固体燃料を燃やす、新しい技術です。今度は、さらにガスでプラズマを作り、プラズマを吹き出すことで宇宙船を動かそう、というものです。

 従来の液体燃料や固体燃料のロケットでは、積み込んだ燃料を燃やす必要があるため、ロケットがどうしても重くなる問題がありました。一方、プラズマの場合、電気的な力でプラスのイオンとマイナスの電子をつくり、そのイオンを吹き出すことでロケットの推進力を得るため、プラズマを作るためのガスを積む必要はありますが、ガスは非常に長持ちする特徴があります。そのため、プラズマの場合、非常に長時間使えるエンジンにできます。

 ただし、瞬発力は小さいため、打ち上げ時など非常に大きなエネルギーが必要な時は、使えません。しかし、宇宙に行った後、ロケットの向きや軌道を制御する時にエンジンを使う時、プラズマエンジン(イオンエンジン)が非常に有用です。先日、小惑星に行って戻ってきた探査機「はやぶさ」のプラズマエンジンは、7年間ずっと使えたわけですね。長期間使えることが、プラズマエンジンの良いところです。

―次に、金子研究室の研究内容について、詳しくご紹介ください。


プラズマで新しいナノ物質をつくる

◆プラズマでカーボンナノチューブをつくる

 先程も少しお話した通り、我々の研究室では、プラズマを使って、カーボンを使ったナノサイズの物質をつくっています。代表的なものが、「カーボンナノチューブ」という、直径数nm、長さ数μm~cmの筒状の物質です。カーボンナノチューブは、巻き方(カイラリティ)を変えると、金属や半導体になったりと、その特性が変わります。その巻き方をプラズマで制御してつくろうというのが、我々の研究目標です。

 金属のカーボンナノチューブは非常に細長くて丈夫なため、コンピュータをつくる時、現在の銅線よりも配線を非常に細く小さくして、高集積化することができます。そのため、小さなコンピュータをつくることに役立ちます。また、半導体のカーボンナノチューブを使うことで、非常に高速な計算ができる新しいコンピュータをつくれる可能性があります。

 半導体のカーボンナノチューブを使うと、なぜ高速に計算できるかと言うと、カーボンナノチューブ中を電子が通ることで電流が流れるわけですが、電子のスピードが非常に速いのです。通常の銅線では、電子が銅原子とぶつかりながら通るため、抵抗が生じます。一方、カーボンナノチューブの中では、電子が他の原子と衝突せずに、非常に速く動けるため、大変高速な計算ができると言われています(量子効果)。

◆プラズマでグラフェンをつくる

 カーボンナノチューブは筒状ですが、炭素が1原子の厚さのシートになったものを、「グラフェン」と言います。プラズマを使って大面積のグラフェンをつくれば、1原子の厚さですから光を通し(透明)、炭素ですから電気を通す膜をつくれます。電気も光も通す、タッチパネルへの応用が期待されます。

 反対に、グラフェンを非常に小さく、ナノサイズでつくると半導体になるため、先ほどのカーボンナノチューブと同じように、非常に小さくて高速なコンピュータをつくるのに役立ちます。グラフェンを細くすればするほど半導体の特性が強くなりますが、数十nmの細いグラフェンをつくるのは非常に難しい技術です。それをプラズマを使った新しい技術で実現させようとしています。

 グラフェンは、大面積では導体ですが、ナノサイズでは半導体になるのはなぜかと言うと、グラフェンは大面積の場合、炭素のシートですから、金属的に電気を通すだけです。しかし、グラフェンをナノサイズのリボン状にすると、電子がまっすぐ進むだけでなく、端の部分ができるため少し衝突しながら進む、つまり少しだけ抵抗が出ることが、半導体になる原因と言われています。

―プラズマでつくった新しいナノ物質を、どのように応用しますか?

◆カーボンナノチューブで太陽電池をつくる

 我々は、カーボンナノチューブを使った太陽電池をつくっています。従来のシリコンを使った太陽電池では、目に見える光、つまり光の波長がおそよ500~900nmの光を吸収し、電気エネルギーに変えています。しかし、太陽の光の波長は約350~1400nmあるため、1000nm以上あるいは500nm以下の光エネルギーも使わなければ、もったいないでしょう。そこで我々は、カーボンナノチューブが約1000nm以上の光を吸収できることを応用して、赤外光で発電する太陽電池をつくろうとしています。

 実際は、異なる素材でできた太陽電池を三層重ねます。光は波長が短いほど物質に吸収されやすく、波長が長いほど透過しやすくなります。一番上の太陽電池では、波長が最も短い紫外領域の光を吸収して発電し、それより長い波長の光は透過させます。二番目のシリコン太陽電池で、シリコンの得意領域である約500~900nmの光を吸収します。そこで吸収できなかった1000nm以上の長い波長を、一番下のカーボンナノチューブで引き受けよう、というものです。

―なぜカーボンナノチューブが太陽電池になるのですか?

◆プラズマでカーボンナノチューブを電気的に変化させる

 太陽電池は、「p型半導体」と「n型半導体」という2種類の半導体を組み合わせることでつくります。つまり、「pn接合」という、いわゆるダイオードをつくるわけですね。そこに光を当てると、電気が発生します。

 n型半導体とは、電子が流れやすい半導体で、p型半導体とは、電子が抜けた後の穴(ホール)が動きやすい半導体です。n型半導体とp型半導体を組み合わせたところで、プラスとマイナスができた時、n型半導体の方にはマイナスの電気が流れやすく、p型半導体の方にはプラスの電気が流れやすくなります。そこで電気が発生するのが、太陽電池です。

 カーボンナノチューブは、先程もお話したように半導体になりますが、そのままでは、p型半導体にしかならないのです。そこで、カーボンナノチューブの上にカバーを掛けて、半分にだけプラズマを当てます。すると、プラズマが当たった部分はn型半導体に変わり、当たらない部分はp型半導体になるので、そこで太陽電池が出来上がるのです。我々は、このようにプラズマを使ってカーボンナノチューブを電気的に変化させることで、太陽電池をつくる研究を行っています。

◆プラズマでナノ粒子の構造を制御する

 我々は、カーボンの他にも、ナノサイズの粒子「ナノ粒子」をつくっています。色々なナノ粒子がある中で、我々は金などの貴金属のナノ粒子をつくっています。金のナノ粒子を綺麗に(周期的に)並べると、「フォトニック結晶」という構造体ができ、光がある一定方向に伝わったり、光を中で曲げたり閉じ込めたりすることに使えます。

 このような構造体をつくる時、ナノ粒子をつくるだけでなく、そのつくる位置を制御する必要があります。我々はプラズマを使うことで、位置を制御したナノ粒子をつくろうと研究しています。

―プラズマでナノ粒子の構造を制御する時、ポイントとなる技術は何ですか?

◆新しいプラズマ技術

 縞々のプラズマをつくることと、プラズマを液体に接触させることがポイントです。
縞々のプラズマをつくり、プラズマが当たった部分だけナノ粒子をつくれば、縞々のナノ粒子の構造体をつくることができます。このようにプラズマを使うことで、構造を制御したナノ粒子をつくることができるのです。

 また、液体と接触させたプラズマは、非常に新しい技術なんですよ。液体中でナノ粒子の構造をつくるのですが、これまでプラズマは液体と接触させることができませんでした。なぜならば、液体が蒸発してしまい、それがプラズマ中に入ってしまうことで、プラズマ自体がおかしくなってしまうためです。しかし我々は、蒸発しにくい液体を使うことで、液体を蒸発させずにプラズマを液体に当てることができるようになりました。そのような新しい技術を使うことで、ナノ粒子の構造制御ができるのです。

 もちろん、ただナノ粒子をたくさんつくるだけなら、気体中でも可能です。ただ、場所を制御しながらつくる場合、液体の上でナノ粒子をつくり、そのまま液体の中で留まらせることが必要なのです。


プラズマを医療や農業に応用する

◆ドラッグデリバリーシステム(DDS)とは

 プラズマは、医療にも応用されています。その一つに、「ドラッグデリバリーシステム」(以下、DDS)があります。癌などの病気の部分に、薬を直接送り込み、その場で薬を放出して治療しようという薬物伝達システムのことです。

 普通の薬は、口から飲んだり注射などをして、全身にまわる間に幹部に効きます。しかし、多くの薬を飲む必要があるため効率が悪いことと、健康な部分に副作用が起こってしまうデメリットがあります。そこで、患部のみに薬を送り込むことで、患部のみに薬が効き他には影響を与えない、DDSが今、必要とされています。

◆プラズマとカーボンナノチューブを用いたDDS

 我々は、カーボンナノチューブを使って、DDSを実現しようと研究中です。先程、カーボンナノチューブ中に遺伝子を入れることができると話しましたが、その遺伝子を薬として使おうというアイディアです。遺伝子に薬になる操作をして癌細胞に運び、その遺伝子を入れると、遺伝子的な働きで、癌を殺したり、癌の増殖を抑制できる可能性があります。

 具体的には、まず、空のカーボンナノチューブに、プラズマを使ってDNAを入れます。次に、これを血液を通して、癌細胞に運びます。この時、カーボンナノチューブが血液に溶ける必要がありますが、血液に溶けやすくする操作もプラズマを使って行います。そして、癌細胞に届いた後は、カーボンナノチューブの中に入っている遺伝子を取り出す必要がありますが、それもプラズマを使って操作します。

 遺伝子を取り出す方法は色々考えていますが、今考えている方法は、患部に届いた後、外から電磁波を当てます。細長い先端に電磁波は集中しやすいため、カーボンナノチューブの先端でプラズマが発生します。そこに電気的な力が働くため、中に入っている遺伝子をひゅっと飛び出させることができます。そうやって遺伝子を取り出そうと考えています。

 このように、カーボンナノチューブにDNAを入れて運び、患部で取り出すというDDS一連のプロセスを、すべてプラズマを使ってやりたいと考えています。

◆遺伝子医療にもプラズマ

 実は、さらに続きがあるんですよ。癌細胞まで、薬となる遺伝子を運んで取り出すだけでなく、その後、癌細胞の中に、その遺伝子を入れてやる必要があるのです。しかし、ただでは細胞に入らないのです。そこで、何を使うかといえば、プラズマなのです。プラズマを細胞に当ててやると、細胞が刺激を受け、まわりにあるものを取り込みやすくなります。そうして細胞中に遺伝子が導入され、癌細胞が死んだり発育が抑制されたりできるようになります。

 そこで我々が、細胞の中に取り込まれると光る物質を使って実験を行った結果、プラズマを使うことで、非常に効率よく遺伝子が導入され、かつ他の細胞が死ぬ割合は10%以下という、非常に低侵襲な遺伝子導入を実現できました。このように、遺伝子導入により、異常な細胞が正常になる治療(遺伝子医療)にも、プラズマは応用できるのです。

―他の方法と比べて、プラズマならではの特徴は他にもありますか?

◆プラズマの特徴は効率性・制御性の良さ

 あるシミュレーション結果では、カーボンナノチューブとDNAを液体中で混ぜておくと、勝手にDNAが入っていくと予想されました。しかし、我々が試してみたところ、計算上は入るかもしれませんが、実際には、ただ置いておくだけでは入らなかったのです。

 そこで我々は、プラズマの電気的な力を使い、力で以ってDNAをカーボンナノチューブの中に押し込めたわけです。それによって初めて実現することができました。ですから、プラズマを使わなければ、DNAは中に入らないのです。もちろん、カーボンナノチューブを太くすれば、小さなDNAなら入る場合もあるでしょう。けれどもプラズマを使うことで、非常に効率良く入れることができる点が他との違いです。

 また、血液に溶けやすくする点についても、他の方法はあります。化学的な方法ですが、その場合、非常に時間がかかってしまいます。それに対し、プラズマを使えば、数分から数十秒で実現できます。遺伝子の放出も同様で、何もしなくても遺伝子は放出されますが、非常にゆっくりです。つまり、非常に効率良く、制御性が良いのがプラズマの特徴ですね。

◆プラズマで殺菌して無農薬農業

 さらにプラズマを、農業にも応用したいのです。先程も少しお話したように、病原菌を殺す時、今はどうしても農薬が必要不可欠ですが、そこでプラズマ中に含まれる「ラジカル」を使って殺菌をすることで、植物上に残留せずに、無害な野菜をつくることができます。

 プラズマ中のラジカルには酸化作用があり、相手から電子を奪います。生きている菌から電子を奪うことで菌を分解するなどして殺菌する、と言われます。この他、研究レベルですが、プラズマのラジカルが菌に作用すると、菌の細胞の働きに何か刺激を与え、細胞の自殺(アポトーシス)を誘導する説もあります。

◆>使い方で薬にも毒にもなるプラズマ

 このようにプラズマは、菌を殺すこともできますし、一方では、細胞分裂を早めて成長を促進することもできます。ここからは、私の個人的な意見ですが、プラズマはわずかに当てると、細胞分裂を早めるなど、良いことがあります。ところが、大量に当ててしまうと、菌や細胞を殺すなど、ある意味で有害になるのです。つまり、プラズマは使い方によって、薬にも毒にもなるのです。それは一般的な薬も同じで、今、薬として使われているものも、大量に飲むと毒になりますね。

 ですから我々は、プラズマを知り尽くし、プラズマで何がどれくらい発生しているのか、見極めて使う必要があります。知り尽くし見極めた上で、プラズマは、本当に大変役立つものとして使えるのではないでしょうか。

―プラズマ研究の世界で今、一番の大きな問題とは何ですか?

◆プラズマは生命の神秘へ

 そして今、プラズマ研究者が最も興味を持っている問題は、やはり、生物とプラズマがどのように相互作用するかですね。今日もいくつかお話したように、プラズマは菌を殺したり、遺伝子を入れたり、傷を治したりするのですが、プラズマがなぜそんなことをしてくれるのかが、まだよくわかっていないのです。

 今までプラズマは、どうしても半導体や核融合など、非生命体を対象にしてきました。ところが今、急速に、生命体との関係性が出てきたわけです。生命の神秘に、プラズマが入り込みつつある。話は脱線しますが、生命の誕生には、雷によってアミノ酸ができた、つまりプラズマが生命誕生のきっかけという説もあります。

 ですから、これから生命体を対象としたプラズマ研究を進めていく中で、もしかすると、生命の根本的なところに作用する可能性もあるかもしれない。それによって、新しい治療法の確立など良い面もあるでしょうし、反対に何か予期せぬことが起こるかもしれない。良い面でも悪い面でも、気をつけて進めていく必要があると思います。

 ここまでお話してきたように、ずっと昔からプラズマは研究されてきて、最近いろいろな応用が出てきました。しかしながら、今までわかってきたようで、わかっていないことが、プラズマには、まだまだたくさんあるのです。

 これから未来にむけて、さらにプラズマが非常に有効に使えるのではないでしょうか。そして、これからまだまだ発展していくのがプラズマではないでしょうか。そこに私は、非常に大きな魅力を感じています。プラズマをもっと知り尽くさなければなりません。


自ら考え自ら行動できれば、何にでも役に立つ

―最後に、読者の中高生や大学生に対するメッセージをお願いします。

 若い皆さんには、まず何事にも興味を持って、積極的に挑戦して欲しいですね。与えられたものをやるだけではなく、いろいろなものを体験して、自ら考え自ら行動することが大切です。研究もそうですが、皆が知っていることをただ真似しただけでは、新しいことは生まれません。自分で何か疑問に思ったことを見つけて、自分で解決しようとすることが一番大事ではないでしょうか。

 また、積極的に外国の人と触れ合って欲しいと思います。外国に行っても良いですし、外国の人がいたら、一緒に話をしてみても良いでしょう。いろいろな考え方を学ぶことができるので、自分の考え方が広がります。

 最後に、私の座右の銘は、「人間万事塞翁が馬」。あることが起きた時、その時はそれが悪いことだと思っても、後から見れば良いことだったり、逆に、良いことだと思ったことが、後から見れば悪いことだったりする、という意味です。つまり、良いことも悪いことも必ず両方が起こるのですから、一喜一憂せずに、常に全力を尽くすことが大切で、そうすれば必ず良い方向に行けるのです。ですから、常に努力をすることが大切だと思います。

 繰り返しになりますが、いろいろなことに興味をもつこと。それを自分で探し、自ら行動することを、ぜひ実践して欲しいと思います。自ら考え、自ら行動できれば、プラズマに限らず、研究なり勉強なりする時にも、絶対に役立つはずです。そして、もしプラズマに興味を持ってもらえるのなら、将来、ぜひ一緒に研究しましょう。

―金子先生、ありがとうございました。


学生インタビュー


Q. 金子・加藤研究室を選んだ理由は?

小西: 諸事情により、当初はプラズマの名前さえ知らないままこの研究室に入りました。実を言うと、研究のモチベーションがなかったどころか、研究室に蛸壺的なイメージを抱いており、「そんな所、僕はゴメンだ」なんて思っていたんです。ところが研究室に入って、逆に、ものすごく視界が開けました。

 僕の研究テーマは、プラズマ農業です。研究室だけでなく畑に行ったり、他の組織の人達と一緒に研究したり、さらに自分の研究がそのまま実世界に出ていきます。「案外、おもしろいなぁ」と思ってくると、今度は自分が何も知らなかったことに気づき、勉強したいモチベーションが生まれました。

 この研究室に入る前の僕なら、大学院入試を受ける自分を想像できなかったでしょう。この研究室で、有難いことに研究の仕事を与えてもらううちに、「もっと研究したい」自分に変われました。本当に感謝の気持ちでいっぱいなんです。

鈴木: 最初は、ナノスケールの学問ではなく、核融合や宇宙のプラズマといったスケールの大きなものをやりたい希望がありました。だからこの研究室を選んだのですが、もらった研究テーマはナノ系でした。想定と違って、最初はとても戸惑い、研究室を変えようかなと悩んだくらいです。

 ところが実際に実験を始めてみると、自分が知らないから興味が湧かなかっただけで、意外とおもしろくて。ナノ系は絶対値で言うと相当大きいので、変な性質や特性とか、まだまだわかっていないことが、たくさんあるんですよ。

 学部時代のイメージは「ナノ系は細かいことばかりでよくわからないな」と思っていたんですが、逆に、よくわからないことが多いことがおもしろいと感じるように変わりました。最初にやりたかったこととは違ったけれども、今の方が、おもしろいですね。

佐々木: 僕は、大学を決めると同時に、金子研究室に入ると決めていました。きっかけはオープンキャンパスでプラズマに興味を持ったこと。プラズマについて色々調べたのですが、あまり情報がなく、やるなら一般に知られていないものを専門にしたいと思いました。

 入学後もプラズマを色々調べましたが、やはりわからないことだらけでした。そして、3年生でプラズマ講義を受けて感じたのは、プラズマは物理や化学など幅広い分野の知識を総動員させなければ理解できない、ということ。ですから僕は、学部時代から、幅広い分野で勉強することを心がけてきました。

 ところが、僕の研究テーマであるプラズマ医療では、さらに生物の知識も必要でした。生物も来たか!と(笑)実際に実験して、本当に幅広い視野が必要と改めて感じています。

 さらにプラズマ医療は世界的に始まったばかりの研究分野で、何をやっても、まだ誰もやっていない新しいことばかり、わからないことだらけです。そんな中、どうやって実験するかを考えるのが楽しいと感じています。


Q. プラズマの魅力とは?

小西: プラズマの応用分野はまだまだ未開拓である点が魅力的です。僕は、プラズマを農業に応用する研究をしていますが、まだ誰もやったことのない分野だからこそ、もちろん簡単ではありませんが、着実にやっていけば、きちんと成果を出せる確信があります。そこが大きな魅力ですね。

鈴木: 一般にプラズマは制御が難しく、実際に何が起こっているかを知るのも難しいため物質合成などの分野では敬遠されがちです。

 しかし、それを逆手に取ってプラズマを制御し不安定な場をつくることができれば、従来の安定な場ではできなかった新しい物質をつくれる可能性があります。例えばプラズマをうまく制御すると、低温なのに高いエネルギーを持つ粒子が飛び回る特殊な条件をつくれます。そんなプラズマの新しい可能性が、大きな魅力ですね。

佐々木: まずプラズマが様々な分野の知識を必要とするため、様々な分野の知識が深まる点が大きな魅力です。

 次に、プラズマを医療や農業などに応用する分野は、大気圧下でプラズマをつくれる技術が確立した2000年以降の新しい分野のため、小西も言う通り、未開拓な分野であることが魅力ですね。

 さらに、鈴木の話を借りれば、プラズマは制御が難しいからこそ一般には敬遠されがちですが、逆に言えば、プラズマを制御できるのは、プラズマ研究者だけです。ですから、プラズマ研究者たちが、例えば農業や医療など様々なフィールドに出て、プラズマを使った新しい反応や新しい現象はないかと探すことが必要だと思います。今はプラズマ研究者にしかできないことではないか、そこに魅力を感じます。


Q. この研究室を一言で表すと?

小西: 「情熱」ですね。この研究室は、研究に大変情熱ある指導者のもと勉強できる環境が整っています。学生も研究するうち本気になり、情熱的に研究を楽しんでいると感じます。

 研究以外にも飲み会や駅伝大会、サッカー大会など色々イベントがありますが、「何をやる時も全力で取り組もう」と金子先生はよく仰います。もちろん日々の研究第一ですが、目前にあること全てに対して一位になれるよう全力で取り組む姿勢が、ひいては、研究につながる大切な精神だと思います。

鈴木: 「共同生活」。学生同士のコミュニケーションもとれていて、雑用も皆でやろう、という空気があります。一方、研究に関しては、お互い干渉はせず取り組んでいます。けれども研究室に誰かがいないと、「あいつ、今日はいないね」といった雰囲気があります。

佐々木: 「アットホーム」。朝から晩まで研究する中で、休憩所でお茶を飲みながら皆と雑談する時間があり、研究以外の話もできるのが良いです。意外と良いアイディアが出たり、逆に頭が整理され、切り替えもできます。


Q. 読者の後輩たちへメッセージをお願いします

小西: 無知の知、まだ自分が知らないことがいっぱいあることを、自覚して欲しいです。自分の知らないことの中に、自分に合ったもの、好きになれるものが転がっているはずです。もし好きなものがすでにあるなら、もっとやり込めば、もっと好きになれるはずです。自分が一番特化できるものを見つけることに大学入学前の時間を、ぜひ使ってください。

鈴木: 良いこと言うな(笑)。僕もそう思います。知っていることの方が確実に少ないのです。その少ない知識の中で「自分にはこれしかない」と決めると、全く違う方向に行った時、どうしようもなくなるので色々な可能性があると自覚して欲しいです。大学に入ってからも、色々な方向が見えるでしょう。一つのことだけに凝り固まらず視野を広く持ち、「これもおもしろそう」と可能性を探りながら進んで欲しいです。

佐々木: 実は僕、反対の意見を考えていて、目標を明確にして突き進んで欲しいですね。間違っても良いから、明確な目標を持つことが大事だと僕は考えています。視野を広げるために色々挑戦することも大事ですが、明確な目標を持つと、時間の使い方がプラスになり、常に同じ方向を向いて一歩一歩、前進できると思います。

小西: 目標は大切だと僕も思います。ただ、目標の定め方が問題で、将来像を描いた時、肩書を外したら自分に何が残るかを考えて欲しいのです。僕の場合、「僕は東北大学の小西です」ではなく、「農業をやっている小西です」と言いたい。さらにできるならば在籍中に成果を出し、「僕は農業で◯◯◯をやった小西です」と言えるようになりたいです。

 先程の鈴木君の話、一本に目標を絞るのは表面のイメージでしか選んでない子が多いと思うのです。表面のイメージを取り払って考えた時、自分がどんな人間になりたいかは、最終的に、自分が何をやってきた人間だと言いたいか。それが自分が何をやりたいのかに直結すると思います。そんな将来像を描いて欲しいと思います。

―ありがとうございました

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