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2017年 04月 29日 (土)

「こういうもんだ」ってパターンは決まっていない




「こういうもんだ」ってパターンは決まっていない

仙台の良いところって、「こういうもんだ」ってパターンが
決まっているものではありません。

例えば、「仙台の街の特徴って何ですか?」
とよく聞かれるのですが、それは一種の紋切りパターン。

実際には、仙台の中にはいろいろな会社があるし、
いろいろな人もいるし、いろいろなNPOもいるし。
そういうものなんですよ。

ですから最近だと『仙台学』とか、私は『塩釜学』をやっているのですけど、
そういうことが、私はすごく大事だと思っているのです。

それぞれの町の歴史を学ぶことも、もちろん大切なのだけど、
自分がそこに行って、何かいろいろなものを見つけ出していくことが、
それが本当はね、一番大事なことだと思っているんです。

その人たち自身がどう感じるかとか、何をそこから見出すかによって、
結局、仙台が持っている顔なんて、変わるんですよ。

もちろん、青葉城址や定禅寺通など、
いくつかの象徴的な場所はあると思います。

けれども、そこで何をその人が感じるかは人様々であって、
実は皆、違うんですね。

そういうことが、私はすごく大事だと思っていて、
ですから上から「仙台の街に愛着を持ちなさい」と言ったって、
それは無理だと思いますし、そういうものではないのです。

ただね、私は長野県でずっと育ったのですが、
長野県って、すごくおもしろいところでね。

今はどうなのかは知りませんが、
自分達の郷土に対する教育をものすごくやる地域で。

県の歌「信濃の国」があって、
長野県出身の人は皆、県の歌を歌えるわけです。

そういうちょっと奇妙な県だったのですが、
そのかわりね、たった1年間で郷土を学ぶのではなく、
とても長い時期に渡って小学生の間に学ぶ時間があったのですね。

ですから、紋切り型で、教科書をそのまま学ぶようなもの
だけではないことを、ずいぶんとやってきました。

とりわけ郷土に対する愛着とか。
今となってみれば、それはとても良かったと思っているのです。

東北では山形の歌なんかがあるらしいのですが、
日本全体では珍しいみたいなんですね。

同じ県の人が集まる会などで、いっぱいお酒飲むと、
必ずその歌を歌って別れているらしいですよ(笑)


仙台で生まれ育った人とそうでない人では、仙台に対する見方は違う

仙台生まれ仙台育ちの人とずっと話していると、
やっぱり私なんか知らないことが、いっぱいあるわけです。

私も仙台に来て、学生時代を含めると、もう30年以上経っているので、
ここに土着しているのに近い形なのですが、でも、やっぱり違うんですよ。

小中高、場合によっては大学も一緒という人たちも、仙台にはいっぱいいます。
ですから、そういう人たちが持つネットワークに比べれば、
私たちは途中から入ってきている身なので、全然違うのですよね。

でもね、仙台で生まれ育った人たちが持っている仙台に対する見方と、
途中から縁あってここで生活している人間が持つ仙台に対する見方は、
当然、違うんですよ。むしろ、違っていて良いと思うのです。

実は、いろいろな場面で仙台の町を良くしていこうと、
新しいことをやっていこうとする人たちの集まりを見ていくと、
意外な程、仙台生まれ仙台育ちという人は少ないです。

そういう人たちの方が、むしろ町を違う目で見て、
「もっとこんなことができるのでは」と新しい可能性をつかみ、
やっていこうとしている人が多いのですね。

ですから、それは両方とも、とても大事なんです。
仙台で生まれ育ち、深いネットワークを持つ人たちが持つ力も大きいし、
その人たちがやっていることもすごく大切だし、否定はできません。

けれども、その人たちだけで仙台が成り立っているわけでもないし、
仙台の町も、ものすごく変化しているわけですよね。

町の魅力と言ったって、どんどん変わっていくわけです。
そのようなものを新しくつくっていく姿勢が、僕はとても大事だと思っているのです。

例えば今度、地下鉄東西線ができます。
東西線の沿線で、逆に、まだ知らなかった魅力ある場所を
たくさん見つけていけば、もっと地下鉄を生かすことができる。

それを仲間と一緒に、「観光メトロ」としての東西線みたいなことを、
今やろうとしているのですけどね。

そういう風にして、今まで知らなかった仙台の魅力発見みたいなことが出てくる。

それぞれの町の人たちが、それぞれにいろいろなことを
やっていくことをすれば、そこでは気づかなかった、あるいは、
新しく魅力をつくっていくことはできるはずだ、と思っているのです。

ですから、そのようないろいろな流れというのを、
やっていきましょう、ということをやっていけばね、

もともと仙台生まれの人たちも、そうでない外から入ってきた人たちも、
一緒になってやっていけるチャンスが広がってくるのではないか。

そういうきっかけが仙台の中に、たくさんあると思っているんですね。

仙台市ではありませんが、すぐ隣の大和町や大衡村に、
セントラル自動車や東京エレクトロンなど大きな会社が来ますよね。

あれだって大きく言えば、仙台にとっても、
大きなチャンスや可能性を開いているのであって。

そういうようなところとうまく連携しながら、
今まで仙台にはなかったものをつくっていく可能性は
ものすごく大きい、と思っているんです。

仙台の魅力を考えたときに、きっかけやチャンスはたくさんある。
そのようなものをうまくとらえて、社会や町を見ていく。

そんなことが、すごく大事じゃないかな、と思っているのです。


もっと上の方に目線を向けてほしい

―最後に、中高生へメッセージをお願いします。

何がいいかな、う~~ん。

高校生の頃はそうでもなかったけど、
中学生の頃は、下を向いて歩いていたんですね。

で、今の学生を見ていても、結構、
下を向いている学生がいっぱいいるんですよ。

私はね、もっと正面から、もっと上の方に
目線を向けて、いつも歩いてほしい。

正面から、もうちょっと上の方に目線を向けて歩いてみると、
いろいろなものが見えてくるのです。

顔を下に沈めて人の話を聞いたり、目線を下に置いていると、
やっぱりね、なんとなく発想も内向きになっちゃったり、
人の考えを取り込んでいこうとならないですよね。

目線をもうちょっと高くして、
そこで見えてくるものとは何かを見てほしい。

というのが、わたしが中学校から高校の頃に
あまりうまくできなかったことですね。

大学で授業をしていていても、学生も皆、こう猫背になって、
下を見ているとか、教科書をずっと見っ放しになっているとか。

こっちの方を、正面見て、人の目を見て、話を聞く学生はすごく少ないですね。
それはすごくもったいない、ということです。

人間の姿勢というのは、とても大事だと思うのですね。
物理的な姿勢も、そうかもしれない。
心と体は、どこかでつながっていますから。

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―大滝さん、本日はどうもありがとうございました。




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