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2017年 10月 18日 (水)

博士が小学校で理科授業 ―外部人材による授業で小学校理科教育を活性化
理科支援員配置事業(文部科学省) ――亘理町立長瀞小学校

2008年1月23日公開

近年、全国的に小学生の「理科離れ」問題が叫ばれている。こうした状況を受け文部科学省は、2007年度から小学校5~6年生の理科の授業で、外部人材を「理科支援員」や「特別講師」として活用することにより、理科教育の充実・活性化や教員の指導力向上を図る施策「理科支援員等配置事業」(予算20億円)を始めており、県内では小学校30校で実施される。

先生の手伝いをする大学生・大学院生等の「理科支援員」、子供に専門的なテーマで授業を行う大学教員や企業の技術者などの「特別講師」が小学校へ派遣され、授業における実験活動を充実させ、児童の理科への興味・関心を高めるのが狙い。県内で「特別講師」による初の授業実施校となった亘理町立長瀞小学校では、「雪の結晶をつくろう!」をテーマに、今月小学生5年生対象の実験授業が展開された。


用意された材料は、ペットボトル、釣り糸、ビニール紐、木綿、スポンジなど、簡単に手に入るものばかり。雪の結晶化に必要な核となる素材を生徒自らが選び、生徒一人ひとりが手を動かしながら、これらの材料を用いて実験装置をつくった。雪の結晶づくりを通して、大気の循環や水の状態変化など地球規模の自然現象を、ペットボトルの中に再現する理科実験プログラムだ。特別講師を務めた、理学博士(Ph.D)で特定非営利活動法人natural scienceの林叔克さん(31)は、「地球スケールで起こっている現象が、こんなに少ない要素で、この小さなペットボトルの中で再現できるというワクワク感を子どもたちと共有したい」と話す。

「ビニール紐も釣り糸もつるつるなのに、なぜ釣り糸だけに雪の結晶ができたの?」「このまま実験を続けたら、結晶は最後どんなかたちになるの?」と子どもからの質問もあり、「実験は楽しかった?」という担任の問いかけに全員が手を挙げるなど、実験・観察を生徒らは楽しんでいたようだった。その反面「理科(科目)が好きな人は?」の問いかけには数人の挙手に留まり、「理科離れ」の現状が浮き彫りとなった。

外部人材による理科授業について、5年生担任の西口洋教諭は「子どもたちに新鮮な体験をしてもらえることが魅力。自分たちが答えるよりも、専門家はわかりやすく深めてくれるので、子どもたちの満足度も高まる。また専門家のプロフィールや幼い頃の話にも触れてもらったが、本で読むよりも実際に専門家に会う方が、子どもたちに与えるインパクトが大きいと思うので、専門家の考え方のもととなる部分に子どもたちが触れることも大切だと考える。たとえ実験内容をすべて理解していなかったとしても、"ぼくもちょっとやってみようかな"と自分でやってみる子が数人でも出てくれば」と期待を寄せる。長瀞小学校では25日、経済産業省「理科実験教室プロジェクト」実施校として、地元企業の技術を利用した理科授業が実施される予定。

【大草芳江】

【?】「理科実験教室プロジェクト(経済産業省)」とは?
経済産業省が平成19年度から、地元産業界の技術者やOB等を活用して、小学生の子どもたちが学ぶ理科と実社会を結びつけた理科授業プログラム開発の支援を目的とした施策。同プロジェクトでは,経済産業省から委託を受けたコーディネータが企業やNPOなどに在籍する人材を発掘し、地元企業の技術を利用した教材やプログラムを作成して,教育委員会に提示,教育委員会が学校に紹介する。

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