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2017年 04月 25日 (火)

仙台市博物館イベント密着レポート
くらべてみよう!今の光と昔の光(2)

浮世絵コーナーはなぜ暗い?

次は、浮世絵の展示コーナーへ。
「浮世絵のコーナーはいつも暗くて見にくいと、お客様からクレームを頂く
こともあるのですが(笑)、暗いのには理由があるんです」と樋口さん。
「退色が進む浮世絵の展示は、作品の保存のため、50ルクスが基本です。
では実際に、照度計を使って、明るさを50ルクスにしてみましょう。」

こちらが照度計です。
ちなみに蛍光灯で明るい室内では、明るさは約300~400ルクスです。

「もうちょっと暗くしてみて」
「あ、50ルクスになったよ!」
どれくらい暗くしないといけないのか、自分で体験してみるとよくわかりますね。


見えない「光」で、見えないものを見る

こちらは、赤外線カメラ。一体、何に使うんでしょうか?

「泥がついたり墨が奥に染み込んだりして読みづらくなった木簡等に
書かれた文字を解読するために、赤外線カメラを利用します。
赤外線は目には見えない光ですが、材質によって、
光の吸収具合やはねかえり具合がちがいます。
赤外線は炭素によく吸収されるという性質があります。
炭素がある部分は、赤外線が跳ね返ってこないので、暗く見えます。
墨は炭素なので、赤外線カメラでくっきりと映るというわけです。」

言葉だけだとちょっと難しいかもしれないので、少し説明します。
まず光には、目に見える光と目に見えない光があります。
目に見える光とは"可視光線"と呼ばれる、波長380nm~780nm(ナノメートル)、
光の色で言えば、青紫から赤までの範囲にある電磁波のことです。
それ以外の例えば紫外線や赤外線は、目には見えない光です。

次に、泥がついたり墨が奥に染み込んだりして読みづらくなった木簡に
書かれた文字を解読するために、赤外線カメラが用いられる理由についてです。
この方法は、墨に含まれる炭素とそれ以外の物質では、
赤外線の吸収度合いに差があることを利用したものです。
サンプルに赤外線を照射し、跳ね返った赤外線をカメラに映すと、
炭素の部分は赤外線が跳ね返ってこないので黒く写り、文字を判別することができます。

例えば、肉眼ではこのように何も見えないのに・・・

赤外線カメラで、こんなにはっきりと墨で書いた絵が見えます。
よくよく見てみると、肉眼と赤外線カメラでは
影ができている場所が違うのですが、写真でわかりますか?
肉眼で見ると影は下のほうにありますが、赤外線カメラでは上にあります。
このことからも、下から照らしている赤外線を、
肉眼では見ることができないことがよくわかりますね。
ちなみにこの政宗は、学芸員さんが書いたものだそうです。

「木簡(古代の東アジアで墨で文字を書くために使われた細長い木の板)」
などは、そのままだとかすれて読みづらいです。
そのため調査や研究に、赤外線カメラを使っています。
では赤外線カメラで文字が読めるかどうかを、体験してもらいます。」

このように、肉眼では見えなかった文字がくっきりと浮かび上がりました。


取材先: 仙台市博物館      (タグ: ,

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