(26)
2018年 12月 18日 ()

仙台市博物館イベント密着レポート
くらべてみよう!今の光と昔の光(2)

浮世絵コーナーはなぜ暗い?

次は、浮世絵の展示コーナーへ。
「浮世絵のコーナーはいつも暗くて見にくいと、お客様からクレームを頂く
こともあるのですが(笑)、暗いのには理由があるんです」と樋口さん。
「退色が進む浮世絵の展示は、作品の保存のため、50ルクスが基本です。
では実際に、照度計を使って、明るさを50ルクスにしてみましょう。」

こちらが照度計です。
ちなみに蛍光灯で明るい室内では、明るさは約300~400ルクスです。

「もうちょっと暗くしてみて」
「あ、50ルクスになったよ!」
どれくらい暗くしないといけないのか、自分で体験してみるとよくわかりますね。


見えない「光」で、見えないものを見る

こちらは、赤外線カメラ。一体、何に使うんでしょうか?

「泥がついたり墨が奥に染み込んだりして読みづらくなった木簡等に
書かれた文字を解読するために、赤外線カメラを利用します。
赤外線は目には見えない光ですが、材質によって、
光の吸収具合やはねかえり具合がちがいます。
赤外線は炭素によく吸収されるという性質があります。
炭素がある部分は、赤外線が跳ね返ってこないので、暗く見えます。
墨は炭素なので、赤外線カメラでくっきりと映るというわけです。」

言葉だけだとちょっと難しいかもしれないので、少し説明します。
まず光には、目に見える光と目に見えない光があります。
目に見える光とは"可視光線"と呼ばれる、波長380nm~780nm(ナノメートル)、
光の色で言えば、青紫から赤までの範囲にある電磁波のことです。
それ以外の例えば紫外線や赤外線は、目には見えない光です。

次に、泥がついたり墨が奥に染み込んだりして読みづらくなった木簡に
書かれた文字を解読するために、赤外線カメラが用いられる理由についてです。
この方法は、墨に含まれる炭素とそれ以外の物質では、
赤外線の吸収度合いに差があることを利用したものです。
サンプルに赤外線を照射し、跳ね返った赤外線をカメラに映すと、
炭素の部分は赤外線が跳ね返ってこないので黒く写り、文字を判別することができます。

例えば、肉眼ではこのように何も見えないのに・・・

赤外線カメラで、こんなにはっきりと墨で書いた絵が見えます。
よくよく見てみると、肉眼と赤外線カメラでは
影ができている場所が違うのですが、写真でわかりますか?
肉眼で見ると影は下のほうにありますが、赤外線カメラでは上にあります。
このことからも、下から照らしている赤外線を、
肉眼では見ることができないことがよくわかりますね。
ちなみにこの政宗は、学芸員さんが書いたものだそうです。

「木簡(古代の東アジアで墨で文字を書くために使われた細長い木の板)」
などは、そのままだとかすれて読みづらいです。
そのため調査や研究に、赤外線カメラを使っています。
では赤外線カメラで文字が読めるかどうかを、体験してもらいます。」

このように、肉眼では見えなかった文字がくっきりと浮かび上がりました。


取材先: 仙台市博物館      (タグ: ,

▲このページのトップHOME


コラボレーション

東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)×宮城の新聞
宮城の新聞×東北大学理学部物理系同窓会泉萩会
公益財団法人東北活性化研究センター『”キラリ”東北・新潟のオンリーワン企業』Collaboration連載企画
ハワイ惑星専用望遠鏡を核とした惑星プラズマ・大気変動研究の国際連携強化)×宮城の新聞
宮城の新聞×東北大学大学院 理学研究科 地学専攻 塚本研究室
KDDI復興支援室×宮城の新聞インタビュー
宮城の新聞×生態適応グローバルCOE

おすすめ記事

【特集】宮城の研究施設

一般公開特集

【特集】仙台市総合計画審議会
参加レポート

仙台の10年をつくる

【社会】社会って、そもそもなんだろう?





カテゴリ の記事一覧

同じ取材先の記事

取材先: 仙台市博物館 の記事一覧


▲このページのトップHOME

社会って、そもそもなんだろう?
最新5件

【オンリーワン企業がオンリーワンたる所以を探る Vol.20】独自のセラミックス焼結技術で、生産現場の生産性を向上/ナノテム(新潟県長岡市)社長の髙田篤さんに聞く 2018.05.01
【オンリーワン企業がオンリーワンたる所以を探る Vol.19】超精密加工技術であらゆる素材の加工に応えるオンリーワン企業/ティ・ディ・シー(宮城県利府町)社長の赤羽優子さんに聞く 2018.04.23
【オンリーワン企業がオンリーワンたる所以を探る Vol.18】汎用フライス盤で国内トップシェア、「ものづくりの人を育てる機械」で山形から世界へ/エツキ(山形県村山市)社長の早坂幸起さんに聞く 2018.04.16
【オンリーワン企業がオンリーワンたる所以を探る Vol.17】「まずはやってみる」の開発力で、世界中が使いやすい製品を追求し、トレッドミルと自動ネジ供給機でオンリーワン/大武・ルート工業(岩手県一関市)社長の太田義武さんに聞く 2018.04.09
オンリーワン企業がオンリーワンたる所以を探る Vol.16】創業から80余年、築き上げてきた顧客との信頼関係により、潜在的ニーズをいち早く掴み、ニッチ市場No.1シェアの多様な商品を展開/遠藤工業(新潟県燕市)社長の遠藤光緑さんに聞く 2018.04.02

■記事一覧を表示
記事カテゴリ > 社会って、そもそもなんだろう?


カテゴリ


取材先一覧

■ 幼・小・中学校

■ 高校

■ 大学

■ 国・独立行政法人

■ 自治体

■ 一般企業・団体


宮城の新聞
仙台一高
宮城の塾
全県一学区制導入宮城県内公立高校合同説明会をレポ
宮城の人々