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2017年 08月 22日 (火)

【東北大学ALicE×宮城の新聞 ♯005】先輩女性研究者、卒業後の等身大の姿、後輩に伝える/東北大学電気・情報系「女性研究者フォーラム」 取材・写真・文/大草芳江

2014年2月28日公開

先輩女性研究者、卒業後の等身大の姿、後輩に伝える
/東北大学電気・情報系「女性研究者フォーラム」


 最近、「リケジョ」(理系女子)への関心が高まりを見せているが、企業で働く女性の研究者・技術者については、まだまだ情報が不足している。 こうした背景を受けて、東北大学電気・情報系(※)を卒業・修了して企業に就職した先輩女性研究者・技術者たちが、どのような日々を送っているのか、その等身大の姿を知ってもらい、現役の女子学生が進路を考える上での参考にしてもらおうと、「女性研究者フォーラム」が12月21日、同大学で開催された。

 フォーラムは、東北大学女子学生入学100周年を記念して開催されたもので、先輩女性研究者・技術者6人が、自分の歩んできたキャリアや仕事の魅力、結婚や出産といったライフイベントなどの体験談を講演。「『働くことは楽しいこと』と知って欲しい」「大学で身に付けた研究の方法論は企業での研究開発の際も重要」「育児は仕事の制約にもなるがプラスにもなる。会社も女性が働きやすい職場環境を整備してきているため、今は育児と両立させながら研究者として仕事を続けることができる時代」などと後輩たちにエールを送った。

 続いて先輩を囲んだ懇親会があり、女子学生たちは、仕事と家庭の両立など、将来の不安をざっくばらんに相談。先輩からの「仕事で脂の乗る時期に、出産で出世のレールから遅れることは心配だったが、仕事で行き詰まった時、育児休暇はリセットのよい機会となった」「女性が働くことに理解のあるパートナー選びが大切」といったアドバイスを熱心に聞いていた。

 参加した女子学生らは「仕事と家庭の両立は大変というイメージがあったが、想像より会社は配慮してくれるようで安心した」「研究職と開発職の違い、顧客が消費者である企業と顧客が企業である企業の違い、結婚や育児のさまざまな選択肢など、働いている色々な立場の女性の話を聞けて、新鮮だった」「今後が楽しみになった」などと感想を述べていた。

※東北大学電気・情報系:工学部情報知能システム総合学科、大学院工学研究科電気エネギーシステム専攻・通信工学専攻・電子工学専攻・技術社会システム専攻[一部]、大学院情報科学研究科[一部]、大学院医工学研究科[一部]


▽先輩女性研究者・技術者6名の講演概要は、以下の通り。


自分が夢中になれる分野で、仕事を楽しもう
/JR東海の北望美さん(平成16年修士修了)

◆自分の好きなことで社会貢献したいと鉄道会社に就職
 大学・大学院では超音波医療を研究。「自分が好きな旅行分野で社会貢献がしたい」という志望動機で、平成16年、JR東海に電気系総合職として入社。鉄道という多種多様なフィールドの中で、大学で学んだ電子工学という専門性を活かして仕事をしている。

◆現場とオフィスを行き来しながら、キャリアを構築
 研修期間を経て入社2年目から現場(信号通信所)勤務となり、新幹線の信号・通信設備の保全・工事の監督業務を担当。女性が少なく夜勤が多い職場だったが、全線にわたる大規模工事の担当区間内の工事責任者を任され、やりがいを感じた。入社4年目には総括主任となり、さらに広い範囲で様々な工事を担当するようになった。

 入社5年目で現場機関を統轄する部署に異動し、オフィスでの業務へ。この時担当した工事で思い出深いのが新幹線駅待合室に無線LAN設備を整備する工事の計画策定。今でも新幹線待合室でサラリーマンの方々がパソコンをインターネットにつないでいるのを見ると、「あ、あたし、やったんだよ、それ」といった誇らしい気分になったりする。この頃結婚したが、通勤が80分となり、仕事が忙しかったこともあって結構体力的にはきつい時期だった。

 7年目には再び現場勤務となり、管理者(助役)として部下を指導しながらの職場運営。部下には後輩だけでなくベテラン社員もいるため、管理者としてのマネジメント力も強化した。9年目に大規模工事の計画係(オフィスワーク)へ異動し、東海道新幹線全線にわたる大規模な信号通信工事の計画業務を担当している。

 技術系職種としてメーカーとの違いについて聞かれることがあるが、メーカーが開発したさまざまな製品を用いて1つのシステムとして設計・構築し、運用・保守を行って安全・快適なサービスをお客様へ提供するのが、鉄道会社の技術系の役割である。

◆会社制度の利用と家族の協力で、家庭と仕事を両立
 家庭と仕事の両立には、会社制度の利用と家族の協力が不可欠。会社の制度を利用すれば、問題なく子どもを育てることができる。家族の協力も、同期の例では、「夫婦で子どもの保育園送迎を朝夕で分担、家事は分業、平日は家事をしない」といった協定を夫婦間で結ぶなどの工夫をしているようだ。

◆後輩女子学生へのメッセージ
 何事も、現状にとらわれないことが大切だ。家庭も、「女性が家事をする」ととらわれる必要はなく、パートナーと話し合い、「家事は当番制」「平日は家事をしない」というように決めても大丈夫。

 就職も、電気工学・電子工学が専門分野だからといって、必ずしも、電機業界にとらわれる必要はない。幅広い視野で考えてみて欲しい。自分の興味のあることから考えるのも一つの手。私も、旅行が好きだから鉄道会社を選んだ。電気工学・電子工学の専門性があれば、どの業界でも重宝されるはず。

 何より、自分が夢中になれる分野をぜひ見つけて欲しい。自分が「これだ!」と思うものに巡り逢えたら、会社に入った後も「こんな仕事があるんだ」「こんなこともできるんだ」と広がっていき、一生続けていくことができる。

 仕事を楽しめなければ、家庭もぎくしゃくしてしまう。つまり仕事を楽しめることは、仕事と家庭を両立する上でも大切なこと。そんな環境をぜひつくって欲しい。


企業研究職と育児の両立ができる時代
/日立製作所の小林美保さん(平成14年修士修了)

◆大学で学んだ知識をベースに、研究開発職へ
 大学・大学院では、統計物理学的アプローチによる画像修復を研究。「社会で広く用いられるシステムのユーザインタフェースに関する研究をしたい」という志望動機で、平成14年、日立製作所に入社。

 大学で学んだ画像処理の知識と趣味の絵のスキルをベースに、コンテンツ・ユーザビリティなどの分野を経て、現在、研究所でデータ可視化技術の研究開発を担当している。

 研究職のメリットは、時間的制約が少なく、自分のペースで仕事がしやすいこと。アイデア勝負のところもあり、いいものがひらめけばものすごい成果になるので、短時間で成果を出すことができるというメリットもある。一方で、国内もしくは世界トップレベルの高いレベルの成果を期待されるという厳しさもある。

◆産休・育休が良いリセットの機会に
 入社後2~3年は先輩から面白いテーマを与えられ、教えられたとおりにやっていれば成果も出た。海外出張や国際学会での発表、論文執筆も行って、「仕事って面白い!」とバリバリ仕事に取組んだ。ところが、5~6年してひとり立ちの時期になると、自分で研究テーマを見つけたり、研究の方向性を考えなければならず、「私、どうしたらいいんだろう?」と悩む時期に突入。

 そのタイミングで妊娠し、産休・育休を取得。休んでいるうちに、先進的研究に挑戦できる環境を与えられていることに改めて気づき、「やっぱり仕事がしたい」気持ちがふつふつと貯まった。産休・育休は、混迷期を抜け出す良いリセットの機会になった。職場復帰後は2年ほど新しい製品開発プロジェクトに参加し、その製品が製品化されたタイミングで2人目の産休に入った。この春にまた会社に復帰。休暇中に貯まったアイデアをどんどん自分から発信し、自分のやりたい方向にプロジェクトを進めていくことができるようになってきており、今、とても面白い。

◆仕事と家庭のバランスもとれるように
 現在、4歳と1歳の二人の子どもの育児中。保育園に預けた方が、保育のプロが保育を行ってくれるし、大勢いる友達から色々な刺激を受ける。子どもと触れ合う時間は、保育園に通わせない場合と比べれば少なくなるかもしれないが、仕事と家庭のバランスとして私にはこれがちょうど良いように感じる。

 時間の使い方も変化した。出産前は1日の半分は仕事をしていたが、出産後は子どもに夜中に頻繁に起こされてしまい、3時間も連続して寝られない。忙しい時は在宅勤務を利用して夜に家でも仕事をするが、子どもの世話で仕事を中断せざるを得ないことも多い。昼と夜の仕事分を合わせて、出産前と同等の成果が出せる。

 休日は仕事をしないようにして、家事や育児のほか、趣味のスポーツも継続中。やりたいことをできるだけ諦めず、とはいえ無理もしすぎず、細く長く楽しく働くことを目標に、充実した毎日を過ごしている。

◆会社も働きやすい環境を提供
 会社は今、グローバル競争力を高めるために女性や外国人など人材の多様性(ダイバーシティ)を推進しており、働きたい女性には追い風。子育てのための制度も充実している。会社は働きやすい環境を提供することで、個人の最大限の能力発揮による、事業への貢献を社員に求めている。

 何より健康が大事で、目標があれば諦めずに続けられる。同期が出世するとつい焦るが、子育て時期はペースダウンしても仕方がない。出産は個人の選択なので、会社には感謝している。

◆後輩女子学生へのメッセージ
 子育て中は時間制約があり嵐のような毎日だが、楽しみもたくさんあり、制度や環境も整備されてきたので、やる気と体力と感謝の気持ちでなんとかなる。

 女性が仕事を続けていくためには、余計なお世話かもしれないが、パートナー選びが大切。家事や育児を手伝ってくれそうか、またこちらのやり方に対して寛容かなどの見極めも大切だ。


大学で身に付けた研究の方法論は企業での研究開発の際も重要
/住友電気工業の藤本美代子さん(平成14年修士修了)

◆研究所希望から製品開発の道へ
 大学・大学院での研究テーマだった光通信関連部品の研究開発に興味があり、光ファイバなど光学技術関連製品の研究を志望して、平成14年、住友電気工業に入社。

 入社後の配属は研究所を希望したが、希望と異なり、製品開発を行う事業部に配属。そのため人事に研究所への配属の希望を伝え続けたところ、所属は事業部のまま研究所で勉強することになった。

 しかし、実際に研究所に行ってみると、自分には研究所での研究開発よりも事業部での製品開発の方が向いていることがわかった。今思えば、面接の段階で人事担当者には適性を見抜かれていたのかもしれない。

◆大学で身につけた研究の方法論が新規分野での研究開発の際も役立つ
 光機器事業部を経て、会社としての新規領域であるライフサイエンス研究部に現在は所属。大学で学んだ光学の知識を活かし、分光計測技術を用いた医薬品検査技術の開発を担当している。

 近赤外分光システムを応用したバイオ医薬品製造技術に関する研究テーマを自ら提案し、社内を説得して国家プロジェクトに応募。その結果、採択され、現在、同プロジェクトを実施中である。大学・大学院での研究テーマが就職先の業務内容とは直接関連が無くとも、大学での研究の過程で身につけた様々な知恵や行動力が、将来、企業で別の分野の研究を行う際にも役に立つと感じている。

◆男女の違いを感じることがなく働くことができるのも周囲の心遣いがあってこそ
 新人時代は「男女の枠にこだわらない」と思いつつ「男性には負けない」と心のどこかで思っていて、肩に力がとても入っていたように思う。それに続く若手時代は「体力では男性に敵わない。女性の長所を活かして働こう」と、肩の力を抜き過ぎた。

 そして入社10年を過ぎて中堅となり管理職側となった今、性別関係なく仕事は大変だが、今度こそ肩の力をうまく抜いて働きたいと自然体を模索中。振り返れば、男女の違いを感じることなく働くことができている。その環境を自然に受け入れていたが、周囲の心遣いがあってこそのものであり、周囲に感謝。

◆後輩女子学生へのメッセージ
 就職活動に際して、自分は電機メーカーに絞って工場見学も行っていたが、今思えばもっといろいろな業種に見学に行けばよかったと思う。電気系の技術は、電機メーカーだけでなく、食品や化粧品、医療機器などさまざまな業種で求められていて、電機メーカーに行くよりはむしろ電機以外の業種に行った方が重宝されるのではないかと思う。視野を広く持ってもらいたい。大学・大学院での研究テーマが就職先の業務内容とは直接関連が無くとも、大学での研究の過程で身につけた様々な知恵や行動力は役に立つ。大学・大学院での研究テーマに固執するのではなく、幅広く就職先を考えて欲しい。


昇進は性別関係なくやる気と実力次第
/キヤノンの千葉和美さん(平成12年学部卒業

◆社内システム開発から希望して画像研究・技術開発へ
 大学では液晶について研究。会社独自の技術開発にこだわりを持つことに感銘を受け、平成12年、キヤノンに入社。

 入社後は、研修期間を経て、社内システム開発およびサポート業務を担当。入社5年目に、「キャリアマッチング制度」という、二度目の入社試験のような面接を受け、希望の画像技術開発部へ異動。印刷シミュレータの開発や画像評価・計測など、画像に関わる研究を行った。

 その後、入社9年目に組織異動によりプリント関係の業務につき、現在、プリンティングシステムのアプリ開発を担当している。例えば、WEB上でフォトブックをつくれるサービスには、私が開発したアプリも使われている。この仕事は新規事業の開拓ができるところが面白い。

◆さまざまな制度の整備が進む職場環境
 私の職場は、複数の開発部が同じフロアを共用しており、1つのフロアに70~80名ほどの社員が働いている。開発部の男女比率は大学の工学部と同程度で、私の所属する開発部では女性は20名中2名ほど。職場の雰囲気は和やかで、上司や先輩・後輩とも話がしやすい。

 育児と仕事の両立を会社が支援する制度として、出産・育児休暇取得後も、同じ部署にスムーズに戻って働くことができる仕組みや支援がある。また、女性のみならず男性も取得できる育児休業制度や育児短時間勤務制度も充実している。実際に、同僚の男性も育児休暇を取得している。

 福利厚生も充実しており、休暇も取得しやすい。年末年始や夏季連休などの長期連休とは別に、5日間の休暇を全社員が取得できる「フリーバカンス」という制度がある。私は、年1回海外旅行に行き、新しい世界を見ることで、視野を幅広く持つように心がけている。ほかにも、勤続5年ごとに、勤続年数に応じた休暇と金一封が支給される「リフレッシュ休暇」という制度などがある。

 会社には部活動もあり、私は写真部に所属。このほか社内には、プール付きのスポーツジムや病院もあり、歯科、内科、皮膚科などの診察を受けることも可能だ。

◆後輩女子学生へのメッセージ
 昇進には試験があるが、「女性だから」という理由で差別されることはない。性別は関係なく、やる気と実力次第で昇進は可能だ。

 社会に出れば、学生時代よりも思いどおりにいかないことが多くなるが、日頃から置かれた状況を楽しむことができれば、どの会社に行っても、どの部署に配属されても活躍できる。あまり不安にばかり思わずに、学生時代のうちに幅広い視野と適応能力を身につけ、新しい世界を楽しみにしつつ、学生生活を送って欲しい。


『働くことは楽しいこと』と知って欲しい
/富士通の鎌田祐子さん(平成11年学部卒業)

◆働いているうちにもっと開発の中心で働きたくなり本社へ
 大学では雑音がある環境下での音声認識を研究。「大企業のグローバル、ビッグプロジェクトに関わる仕事がしたい」「仙台で働きたい」などの志望動機から、平成11年、富士通東北通信システムに入社。

 富士通東北通信システムでは、北米向けの電話交換機システムのソフト開発や携帯端末のソフト開発などを担当した。働いているうちに欲が出てきてもっと開発の中心で働きたくなり、本社への出向を申し出たところ、ちょうど最初のカメラ付き携帯端末を作ろうとしていた時期でターゲット層である若い女性の開発者を探していた時期に当たり、自分の希望と会社の要望とがマッチして、本社への出向が叶った。その後、富士通東北通信システムが富士通に吸収され、富士通の所属となっている。

◆現在は人にやさしい未来のスマートフォンの開発を担当
 現在は、「ユビキタスビジネス戦略本部 先進開発統括部」の中でも、 コンピュータ中心ではなく人間を中心とした「ヒューマンセントリックエンジン」の開発を担当している「ヒューマンセントリックエンジン開発部」に所属している。この部ではユーザ中心の使いやすいスマートフォンとするために、ユーザの状態を常に把握してセンシング技術を開発しており、自分はスマートフォンに使われるセンサやデバイスの調査、部品メーカーとの協業の推進を担当している。

 例えば、携帯電話にはいろいろなセンサーが入っているが、さまざまなメーカーが同じようなセンサーを作っているので、どのセンサーを使用すれば当社の目指す世界が実現できるかを調査する。また、当社が作りたい携帯端末の必要となるデバイスについて、メーカーの開発状況を調査する。現在は、オープンイノベーションとして当社のモバイル技術と他のいろいろな業界の技術を組み合わせて新しい価値を生みだそうということが志向されており、他の業種のお客様のところに実際に出向いて協業の話を進めるということも行っている。

◆短時間勤務制度を利用し、仕事と家庭を両立
 プライベートでは、入社6年目に結婚し、入社9年目に第一子、入社11年目に第二子を出産。二度の出産・育児休職を経て、現在、短時間勤務制度を利用して働いている。この制度がなければ、出産か仕事か、どちらかを諦めざるを得ないので、助かっている。

◆後輩女子学生へのメッセージ
 仕事をする中で楽しいことは、自分が関わった商品が店頭に並んでいるのを見たり、実際に使っている人を見かけたりすると、やはりやりがいを感じる。また、仕事を通じて様々な人と関われることや、常に最先端技術に触れることができること、さらに技術以外にも知識が広がることも楽しい。『働くことは楽しいことである』と知ってもらえたら、嬉しい。

 就職活動に向けて、まず大切なことは、対人コミュニケーション能力を磨くこと。技術者には人とのコミュニケーションが苦手な人が多いが、技術者だからこそ、人の助けが必要なこともあり、コミュニケーション能力が重要となる。在学中にコミュニケーション能力を磨くには、人とうまく話す訓練をするのが良い。

 そして、「大学で学んだこと」よりも「大学で学んだ学び方」が大切。大学で学んだことをそのまま会社の業務で役立てられる場合は少ないが、大学で学んだ学び方や学ぶための姿勢は企業に入ってからも役立つ。

 仕事では日々何かを学ぶ必要があり、「目的・目標意識」「自分なりに考えて学んでいける姿勢」を持つことが大切である。


会社環境の整備が進み、今は自分の意志と行動があれば道が拓ける時代
/東芝の田村直子さん(平成9年修士修了)

◆開発業務に自分の適性を見いだし、志望
 大学・大学院では、波長が約0.1~1mmの電波であるサブミリ波について研究。半導体、デジタル回路設計関連の仕事をしたいという志望動機で、平成9年、東芝に入社。

 学生時代は、授業でも特別に優秀な成績という訳ではなく、研究室でも思うような成果がなかなか出せなかったため、自分には研究職、何か新しいことを作り出したり発明したりすることは無理だと思っていた。将来像も漠然としていたところ、当社に就職した研究室の女性の先輩から直接お話を伺う機会があり、研究職でなく、もっと実際の製品・部品に近い開発業務であればやっていけそうと思い、当社への就職を希望するきっかけに。大学の推薦枠で入社することができ、電子工学出身という理由で半導体事業部への配属となった。

 現在、大規模集積回路(LSI)開発部に所属し、デジタルテレビなどのハードウェアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウェア(ファームウェア)の設計・開発に携わっている。

◆忙しくても、技術者として充実した日々
 新人・若手技術者と呼ばれる時期は、LSI開発の道に入り、新しいことをどんどん吸収。先輩方の指導によって新しいことができることや、設計したものが製品になることに喜びを感じ、設計に没頭した。生産される製品に自分の仕事が直結しており、会社としても力を入れている分野であったため、大変忙しかったが、楽しく頑張れた。

 技術者として成熟してくる時期は、製品開発の中心となって充実感を味わえた。国内やインドなど国内外の外部業者に発注をしたり、開発メンバーに指示をして仕事をしてもらったりすることにも、やりがいを感じた。自分の仕事が製品という形で成果となり、楽しいと思うことが多かった。

 入社13年目にして昇進し、現在は中堅社員として、これまでの業務で経験してきた範囲だけでなく、新しい挑戦もしなくてはいけない時期となっている。デジタルテレビ用LSIの需要が減ってきたため、現在は次なる製品開発や市場開拓を模索している状況である。

◆後輩女子学生へのメッセージ
 学生時代は将来が漠然としていたため先々に不安を感じていたが、就職してからは、何とか自分なりにそれなりにやっている。日々、目の前の仕事を精一杯こなすことで、充実した日々を過ごすことができる。忙しさを心配する人もいるが、充実した上での忙しさであるため、不安に思うことはない。

 また、就職を希望する会社を調べる時は、WEBサイトだけでなく、その会社で働く先輩に直接、会社生活や社風などを聞くことをお勧めする。

 そして自分のライフプランをもって会社と付き合うと良い。昨今、社内外の施策などにより、女性技術者の就業割合や昇格者が増え、女性が働きやすい会社環境に変化している。バリバリのキャリア志向で頑張るのも、仕事と家庭を両立するのも、自分次第。自分の意志を持ち、堂々と行動できれば、どういう志向を持っていたとしても道が拓ける時代である。自分の意思で堂々と行動し、臆することなく社会に出てきて欲しい。

取材先: 東北大学      (タグ: ,

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