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2017年 10月 22日 (日)

大雨による災害から身を守って/雨量計づくりや土石流再現実験なども

2012年9月3日公開

 大雨による自然災害から身を守ってもらおうと、「夏休みお天気講座」が先月、仙台市シルバーセンター(仙台市青葉区)で開かれ、親子連れら約20人が参加した。日本技術士会東北本部応用理学部会の主催、NPO法人防災・減災サポートセンターの共催で、仙台管区気象台などが協力した。


◆夏、こんな天気には要注意!

8月18日に開催された「夏休みお天気講座」のようす=仙台市シルバーセンター(仙台市青葉区)

 まずは、「夏、こんな天気には要注意!-局地的大雨の怖さ-」と題して、日本気象予報士会東北支部長の杉山公利さんによる講演があった。

 近年多発している、ごく狭い範囲に短時間で降る強い雨「局地的大雨」。その特徴や注意点について、杉山さんは映像やクイズを交えながら解説。

 天気予報で特に最近よく耳にする「大気の状態が不安定」とは、そもそも地上付近に暖かい空気があり、上空に冷たい空気がある状態を指す。

 暖かい空気は冷たい空気よりも軽いため、不安定になってひっくり返ろうとする。この時、地上付近にある暖かい空気は上昇気流になる。そこで積乱雲が発生し、局地的な大雨や雷をもたらすことがある。

 杉山さんは「大気の状態が不安定な時は、急な雨や雷に注意して。川の水も周囲からの水が集まって急に増えるので、川や山に行くのをできるだけ避けて」と注意喚起。

 「もし川で遊んでいる時、頭上で雨が降っていなくても、真っ黒な雲(積乱雲)や川の変化、サイレンといった兆候に気づいたら、すぐ逃げる勇気が大切」と呼びかけていた。


◆ペットボトルで雨量計づくり/実物の雨量計も紹介

ペットボトルで雨量計をつくる参加者ら

 次いで、ペットボトルでつくれる簡易雨量計の工作教室が開かれた。

 子どもたちは、まずペットボトルの上部をはさみで切断。怪我をしないよう切断面をビニルテープでカバーした後、口のある方を逆さにし、テープで固定。スケールを取りつけて、簡易雨量計の完成だ。

 講師を務めた同会の今野隆彦さんは「家の庭やベランダで、1時間ごとに記録してもいいし1日ごとでもいい。平坦地では大雨警報が3時間で80mm、大雨注意報が3時間で50mmなので参考にして」とアドバイスした。

実際に仙台管区気象台で使っている雨量計を紹介

 また、気象台で実際に使われている雨量計も紹介された。気象台の雨量計は、0.5mmの雨水が溜まると、シーソーのようにカタンと傾いて排水し、もう片方に雨水が流れ込むしくみになっているという。

 「雨水を捨てる手間がかからず、傾いた回数をカウントすれば雨量がわかる」と仙台管区気象台の高橋恵美子さんによる解説に、子どもたちは「ししおどしと同じ原理だ!」と興味津々。雨量計がカタン、カタンと傾く様子を、興味深そうに眺めていた。


◆土石流を実験で再現

土石流を再現した実験に興味津々な面持ちの子どもたち

 最後に、局地的大雨によって起こる土石流について、パネルや実験による紹介があった。大雨によって水と石が一緒に流れる様子を再現した実験では、子どもたちは「わぁ」と声をあげながら、何度も土石流の動きを確かめていた。

 次いで、砂防ダムや河川改修に見立てた模型を入れることで、土石流の勢いが弱まることが説明された。今野さんは「雨の強さを身近に感じてもらい、どこが安全なのか逃げ方も考えながら、身の守り方を考えてもらいたい」と話した。

 仙台市内から参加した小学6年生の男子児童は「おもしろかった。自分でつくった雨量計で早く測ってみたい」と嬉しそうに話していた。


滝田良基さん(日本技術士会東北本部応用理学部会長)の話

滝田良基さん(日本技術士会東北本部応用理学部会長)

 最近は、異常気象による自然災害が増えたと感じることが多くなった。特に、1時間雨量50㎜や100㎜を超える局地的大雨が多発し、浸水やがけ崩れなどの自然災害が増えている。

 それに関連するお話をしてもらいたいと思い、「サイエンスデイAWARD2011」副賞として、仙台管区気象台にご協力いただき、今回講演していただくことになった。

 我々が開催するこの「技術サロン」は、普段は技術士や一般市民の大人を対象としているが、今回は夏休みなので、子どもを対象にわかりやすく解説してもらった。

 子どもたちも、雨量計などを自分でつくって実際に何度か測ってみると、雨の降り方に対しても実感が湧き、テレビの天気予報にも興味を持ってもらえるのでは。

 これからも防災・減災のために地形地質の経験を伝えることで、自然災害による被災者ゼロを目指していきたい。


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