中澤さん率いる東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻の中澤研究室にお邪魔しました。研究室の「今」、大学生・大学院生の「今」を、雰囲気そのままにまるごとお伝えします。
左から、日塔春恵さん(修士1年、山形県出身)、岡田智仁さん(修士1年、愛知県出身)、後藤大輔さん(博士3年、広島県出身)
中澤研究室を選んだ理由
―中澤研究室を選んだ理由は何ですか?
後藤さん(博士3年)
僕は、学部時の振分けで希望していた地球物理学科に進めず、物理学科を卒業しました。大学院で地球物理学専攻を受験し直し、配属先研究室を調べていた時、学部時代に受けた中澤先生の授業を思い出したことがきっかけです。中澤先生は、威厳はあるのに、親しみやすかったことが印象的でした。
岡田さん(修士1年)
3年生になると、(研究室配属のため)地球物理の各研究室を見学します。その中で、この物質循環の研究室は実験をやっているので、おもしろそうだと思い、選びました。
日塔さん(修士1年)
プログラミングではなく、実験をやりたくて、この研究室を選びました。
研究生活について
―実際に研究室に入ってみて、いかがですか?
後藤さん(博士3年)
僕はここに来てから、まずは観測装置の開発から始めました。市販されている装置は、そのまま使えるわけではなく、我々が必要とする精度を出すために、改良を加えたり、一から全部つくったりする必要があります。
僕は、自分が作った装置で二酸化炭素や酸素の濃度を測っています。最初に自分が作った装置で、はっきりと綺麗に日変化が見えた瞬間は、とても嬉しかったですね。苦労して作っただけに、感動は大きかったです。
―修士1年の皆さんは、いかがですか?
日塔さん(修士1年)
先生に提示された研究テーマがあるので、それをこなそうかな、という感じです。後は、院試の勉強ですね。
後藤さん(博士3年)
学部の間は、直接、実験装置を触るのではなくて、基礎的な知識を身につける時期だと感じています。4年生の間は、大学のカリキュラムや研究発表会がメインになりますね。あとはいろいろな英語の論文を読んで、紹介したり、自分の感想を混ぜて発表したり。
岡田さん(修士1年)
僕は2月くらいから、ちょっとだけ実験をやったのですけど。これは大変だなと思いましたね。うまくいかないことがあるのですけど、それがなぜうまくいかないのか、原因がわからないんです。
装置自体が「なんだか今日は調子が悪いな」という時もありますし、装置が駄々をこねることもあって。実際の分析は、まだ何もやっていないのですが、そこまで行くまでに大変なことがいっぱい。そんな感じです。
中澤さんについて
―中澤先生に対しては、どのようなことを感じていますか?
後藤さん(博士3年)
やっぱり、すごい教育者だなと思います。僕ら学生が、どんなにつまらない質問をしても、丁寧に返してくれます。メールでも直接話をしても、絶対に放っておかず、最後まで丁寧に対応してくれますね。
先生が怒ると怖いです。もちろん変なことで怒ったりはしませんが、やるべきことをやっていないときは、かなりの雷が落ちます。教育的な叱りですね。なかなかあそこまで、言ってくれる人はいないんじゃないかなと思っています。
岡田さん(修士1年)
やっぱり、学生のことをすごく思ってくれている先生だと感じます。例えば、発表会の練習なんか、僕ら4年生の下手な発表も、真剣に聞いて、真剣にアドバイスをくれます。すごく良い先生だなと思います。
後藤さん(博士3年)
先生が紫綬褒章を受賞された昨年、お祝い会の席を設けました。その時に来たOBの方も「中澤先生は、学生が思っている以上に、学生のことを考えている」と話していましたね。
中澤先生を持ち上げるわけじゃありませんが、僕らの見えないところで、話をつけたりしてくれていて、やっぱり、すごい教育者だなと思いました。
後輩へのメッセージ
―最後に、中高生の後輩たちへメッセージをお願いします。
後藤さん(博士3年)
もし僕が高校生の頃に戻れるとしたら、きつく言ってもらいたかったことがあります。それは、いろいろな分野の人の話を、もっと聞いてほしいということですね。
今こうやって専門分野の中に身を置くと、自分から動かなければ、専門分野の話しか入ってきません。けれども、他の分野から学ぶことは大きいなと、最近感じています。
例えば、(実は関係ないと思っていたものも)いろいろなところで、つながっているんですね。そういうつながりが膨らんで、フィードバックしているなと感じています。
岡田さん(修士1年)
自分が「こうしたい」「ああしてみたい」と思ったことを、やっぱり、やってみるべきかな。自分が興味を持ったことは、何かしら自分から行動することが大事かなと思います。
僕自身、すぐに行動できるタイプではないので、行動力のある人がうらやましいのですが、何か興味を持ったことを、何でもいいのですが、やってみてほしいですね。
例えば、習い事。僕は小学校くらいまでは習っていましたが、中学校に入ると辞めてしまって。けれども今思えば、勉強に関係ないところもやっておけばよかったなと思います。
なかなか大学生くらいになってからでは、新しいことを始めるのも勇気がいります。でも中高校生の頃なら、いろいろなことに挑戦できるのではないでしょうか。
日塔さん(修士1年)
夢のないことを言いますが、自分の力量を見極めて、現実的に生きれば良かったなと思います。今やりたいことをやるというより、それを選んだらどうなるか、もうちょっと考えて、行動すれば良かったなと後悔しています。
後藤さん(博士3年)
自分の力量を見極める上でも、若いうちにいろいろな経験をするのが大切ですね。
―皆さん、本日はどうもありがとうございました。
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